妻が図書館から借りてきた『Discover Japan』の9月号を読んでみた。
特集が「夢のニッポンのりもの旅。」ということで
鉄道関係だと
「西村京太郎さん サスペンスと列車旅」
「六角精児さん 列車と車窓と酒と」
「三陸鉄道リアス線 ひとふで書きの旅」
後半の3本、どれを読んでも乗り鉄の旅に出たくなる。
詳しすぎるのに品がある。ライターと編集者の矜持を感じる。
国内旅行界の『dancyu』『Number』と呼んでもいいだろう。
六角精児の呑み鉄はBSでやってたら見てしまうぐらい好きなので
正直、目新しい話はなかった。活字でそのポリシーを追体験。
西村京太郎の話が興味深かった。
・12の出版社から毎年新作を出している。今も1日20~30枚書く。
・JRから「ななつ星」など高級列車を登場して欲しいと頼まれるが、殺人はダメと言われる。
・犯人は北へ逃げる。寂しげな風情が出るから。
などなど。
中学生のとき、友人から勧められて読んだのが面白くて文庫で5・6冊ぐらい読んだと思う。
旅情と殺意と時刻表のトリックと。プロのなせる業だった。
突川警部と亀井刑事のコンビというキャラクターもよかった。
上野から青森へと向かう寝台列車の中での殺人を描いた作品のことは今でも覚えている。
いやー、面白いなあと推理両説に興味をもち、あれこれ読んでいたら、
「西村京太郎の鉄道ミステリーはどれ読んでも一緒」と書いている方がいて、
「そういやそうだよな」とイッキに興ざめして読むことをやめた。
ミステリー好きからすると西村京太郎を読むのはかっこ悪いことなのだと。
ミステリーそのものをその後20年ぐらい読まなくなった。
でも今読むときっと面白いのだと思う。
30代後半、新青森駅から新幹線で東京に戻るとき読む本がなくて
世の中にこんなものがあったのか! と驚いたときのように。
『五能線の女』
といった辺りが青森出身には気になりますね。
残念ながら、僕が中学生の時に読んだ文庫はいつのまにか消えて、
母が処分してしまったか。あるいは誰かにあげたか。
気になって先ほど、家から持ってきた文庫本の段ボールを開けてみると
角川文庫から出ていた『ポケットジョーク』のシリーズ、
文春文庫の『読むクスリ』のシリーズが出てきて、
それはそれで読み返すと止まらないような……