朝食デート

先々週の『酒のツマミになる話』に出たウエンツ瑛士が面白いことを言っていた。
同じくゲストだったチャン・グンソクが日本でデートをするならどこがいいですか、みたいなことを聞いた。
それに対しウエンツ瑛士が、築地本願寺のカフェで朝食をとるのがいいと言う。
細かく格子で区切られたプレートに色とりどりのおいしいものがちょっとずつ乗っている。
続けて彼は言う。
朝食デートに誘ってOKだったら、その娘とはいい感じになれると。
 
なるほどと思う。なんかそれわかる。
朝というのはプライベートな時間帯に属していて、
そこを共有できるということはかなり心許していると思う。
パブリックな自分になる前、というか。
朝食というものもその準備の行為であって。
起きたばかりの素の自分を整えて、ドアの外に送り出す。
朝食デートがドアの外の行為だとしても
プライベートとパブリックの境目の微妙なところにある。
そのギリギリのところを見せられる、ということ。
 
逆に考えると、一日の終わりに近づく時間帯を共有できるなら、それも同じことだと思う。
夜、おしゃれなレストランや落ち着いたバーなどでパブリックな自分を互いに提示しあった後で
夜も更けて小腹が空いたからと路地裏のラーメン屋や屋台に入れたらそれもまたOKのサインじゃないか。
朝食ではなく、夜食の共有。
 
いや、そういうことじゃなく、食べている間、食べるものを選んでいる間に
どれほど親密な雰囲気を会話やちょっとした振る舞いに出すかどうかでしょう、
と思う人もいるかもしれない。
でもどんな些細なものであれ、どんな手段であれサインは見つけたいもので。
 
また別の視点から逆に考える。
それまでどんな親密な関係にあった二人も朝食や夜食を共にしなくなったら
それは距離が空き始めているということになるだろう。
 
などなど。
ちなみにこの回でウエンツ瑛士は「他人というものに興味がない」みたいなことを言っていたが、
それは男性という他人の話であって、女性には興味があるということでよかったのだろうか。

先週買ったCD #100:2022/09/05-2022/09/11

2022/09/05: www.amazon.co.jp
Taj Mahal 「Oooh So Good 'N Blues / Mo' Roots」 \1500
 
2022/09/06: www.hmv.co.jp
Neil & Iraiza 「johnny marr?」 \396
Neil & Iraiza 「New Scool」 \297
(Soundtracks) 「ウォーターボーイズ」 \594
 
2022/09/06: www.amazon.co.jp
Harvard 「Test」 \444
Pearl Jam 「Ten (Legacy Japan Edition)」 \2185
The Damned 「Live Shepperton 1980」 \2588
 
2022/09/07: ヤフオク
David Bowie 「Ouvrez Le Chien (Live Dallas 95)」 \4600
 
2022/09/09: www.amazon.co.jp
Andymori 「Andyshanty」 \880
 
2022/09/10: BOOKOFF 大泉学園駅前店
Mutemath 「Odd Soul」 \330
ハナレグミ 「深呼吸」 \693
GreeeeN 「バーチャル3DライブCD!? DOME」 \693
(V.A.) 「R35 Sweet J-Ballads」 \550
 
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David Bowie 「Ouvrez Le Chien (Live Dallas 95)」
 
デヴィッド・ボウイの『Brilliant Live Adventures [1995-1999]』のシリーズ
全6枚のうちの最後の1枚をようやく入手。
 
元々は2020年後半から2021年前半にかけて1枚ずつ
デヴィッド・ボウイのオフィシャル・ストアで販売。
日本ではワーナーミュージック・ダイレクトのサイトのみ。
タワレコなど一般のCDショップでは入手できず。
amazon や DiskUnion にも中古で出回らず。
僕もシリーズ後半からその存在を知って、
そろそろかとサイトを見てみるも即完売ばかり。
熱心なファンはちゃんとリリース日を押さえてるんだな。
 
仕方なくワーナーミュージック・ダイレクトの会員にもなった。
再発予定といううれしいニュースも届いたが、その後とんと音沙汰なし。
 
で、結局ヤフオクで入手することになる。
残念ながら全6枚どれもヤフオクとなってしまった。
David Bowie 「Ouvrez Le Chien (Live Dallas 95)」 \4600
David Bowie 「No Trendy Rechauffe (Live Birmingham 95)」 \4500
David Bowie 「LIVEANDWELL.COM」 \5250
David Bowie 「Look At The Moon! (Live Phoenix Festival 97)」 \5210
David Bowie 「Something in the Air (Live Paris 99)」 \5850
David Bowie 「At The Kit Kat Klub (Live New York 99)」 \5350
どれもだいたい定価が1,800円ぐらいだったから、3倍近いお金を払ったことになる。
ちなみに、6枚全部入る箱もヤフオクで。
開封 David Bowie Brilliant live adventures CD BOX \1920
 
2021年の3月から5月にかけてヤフオクには毎日のように出品されていたのが
夏を過ぎてとんと見かけなくなった。
(ゆえに早い段階でヤフオクに出ていたであろう1枚目のみ入手できずにいた)
その後は1万近い値段が付いたこともあった。
価格が高騰していた時、便乗してなのか、ある種の詐欺なのか、
箱だけなのに5,000円近い値段が付いたこともあったように思う。
6枚中にそろったセットと勘違いした人もいたかもしれない。
 
それも落ち着いたのか、
先週この6枚全部の開封済み中古がヤフオクに出品されたが、
一番高くて入札数が多かったのが僕が買った1枚目。
他は2,000円や3,000円台。4,000円台が1枚。
 
今、ワーナーミュージック・ダイレクトのサイトを見てみて知ったんだけど、
再発が正式に決まって予約を受け付けていた。
2022/08/16から2022/11/23まで、発売日は2022/12/02とのこと。
買えずに悔しい思いをした方はこの機会に入手するとよいと思う。
これが最後となるんじゃないかな。
もしかしたら店頭で買える一般作品として再発される可能性もなくもないけど、
だとしても何年か先になるだろう。
 
前置きが長くなったが、いや、このシリーズとてもいいんですよ。内容が。
60年代半ばにデビューして30年近く。
デヴィッド・ボウイの声は衰えるどころか、何度目かのピークを迎えてる。
艶っぽく、力強い。
バックの演奏も決して懐メロにならない。
70年代のグラムな音を再現する気が皆無。
テクノやドラムンベース、インダストリアルやグランジに目配せの利いた、どこか影響を受けた、
タイトでソリッドな音。
当時のアルバムからの曲がメインだけど、往年の名曲
”Under Pressure” や ”Look Back In Anger” もアレンジがガラッと変わっている。
 
そのメンバーもキーボードのマイク・ガーソンや
ギターのカルロス・アーマーといった昔からの気心の知れた職人たち。
「Something in the Air (Live Paris 99)」
「At The Kit Kat Klub (Live New York 99)」 ではなんと、
Helmet のペイジ・ハミルトンが参加していた。
個人的にはこの時期ずっと参加している
スキンヘッドの女性ベーシスト、ゲイル・アン・ドーシーがかっこいい。
ベースを弾きながら ”Under Pressure” のフレディ・マーキーのパートも歌い上げる。
 
この6枚、その年による編成の違いや
おそらくデヴィッド・ボウイの中でやりたい曲の変遷があって、
それらを聴き比べるのも面白い。
 
なお、『地球音楽ライブラリー』シリーズでの
デヴィッド・ボウイのディスクガイドを参照すると
LIVEANDWELL.COM」だけは今回のシリーズよりも前に一度発表されていた。
2000年、ファンクラブ『bowienet』の有料会員になると送られてきた、とある。
2枚組で、ボーナスディスクの4曲は
『Brilliant Live Adventures [1995-1999]』版には含まれないようだ。貴重。
 
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(Soundtracks) 「ウォーターボーイズ
 
矢口史靖監督の映画があんなに売れるとは思わなかった。
つまらない、ということではない。むしろ逆。
僕の中では一頃日本で一番面白い映画を撮る監督だった。
しかしそこには出世作ひみつの花園』(1997)というタイトルのように
知る人ぞ知る密室的な雰囲気があった。
そのひとつ前、商業映画のデビュー作となった『裸足のピクニック』(1993)にも
どこか不安定な、もろさを感じさせるものがあった。
 
それが『アドレナリンドライブ』(1999)がスマッシュヒットを飛ばし、
ウォーターボーイズ』(2001)で一気にブレイク。
『スゥイングガールズ』(2004)『ハッピーフライト』(2008)と飛ばしていった。
シュールでコミカルなのにあっけらかんとしている。
突拍子ないのに地に足ついてる絶妙な感覚が心地よい。
おもちゃ箱をひっくり返したようにたくさんのカラフルなアイデアが詰まっている。
 
そもそも、PFFぴあフィルムフェスティバル)でグランプリとなった
『雨女』が歴代のグランプリの中でも格段の存在感だった。
緻密さと不器用さが大胆に同居する、
全力で静止しながら全力で疾走するような快作/怪作だった。
 
見てはいないが、『ウォーターボーイズ』はフジテレビのドラマにもなった。
山田孝之森山未來瑛太が出ていた、ということは覚えている)
今回購入したサントラはあくまで映画の方。
 
それゆえかどうかわからないが、
脇道にそれたサブカルチャーに対する造詣が深いという印象がある。
音楽の趣味もそう。
今思えば『アドレナリンドライブ』の音楽は
Boredoms山本精一のグループ、羅針盤だった。
主題歌”アドレナリンドライブ”を担当して
エンディングは平山みきと歌う”真夏の出来事 '99”を歌った。
ひみつの花園』の主題歌も濱田マリを擁したモダンチョキチョキズだった。
 
どういう縁かは不明だが、『ウォーターボーイズ』の音楽は
neil & iraiza の松田岳二が担当。
neil & iraiza は90年代の後半、裏渋谷系とでもいうか、
あの時代の最後の世代という印象がある。
あの頃、渋谷でもらうフリーペーパーであるとかいろんなところで
彼らのアルバム「johnny marr?」が話題になっていた。1997年のこと。
ジョニー・マーですよ? The Smiths の。
そこ話題にしていいんだ? 絶妙なユーモアがあった。
気になりつつもたまたまだろう、手が出ず。
 
そのうち、そのうち、と思ううちに聞かないまま20年以上。
それが最近、CDラックから Harvard のベストが出てきて
どんな音楽だったっけ?
あー、エスカレーター・レコーズか、そういえば neil & iraiza もそうだったと思い出す。
今は中古も安く買えるので、合わせて『ウォーターボーイズ』のサントラも買った。
 
Wikipedia によれば。
本来は neil & iraiza で担当するはずが、
相方の堀江博久Cornelius のワールドツアーに参加で多忙となったため
一人で、となったとのこと。
しかし、この音楽で2002年の第25回日本アカデミー賞の最優秀音楽賞を受賞している。
 
矢口史靖監督らしい、爽やかなガチャガチャさでいっぱい。
聞いていて楽しい。
これは音楽的な引き出しの多さと節度ある大人の遊び心によるもの。
こんないいサントラだったのか。
もっと前に聞きたかったなあ。
 
なのにその後松田岳二としてはサントラを手掛けてないのかな。
もったいないな。
(60年代・70年代のサントラから現代の視点で選曲した
 『GO CINEMANIA REEL』のシリーズで、中原昌也高浪敬太郎川勝正幸らとともに
 1枚担当していたことに今、気づいた)
 
松田岳二の音楽に、ベンチャーズの”Diamond Head”
キング・トーンズの”オンリー・ユー”
フィンガー5の”学園天国”という選曲も楽しい。
映画で流れたシルヴィ・バルタンの”あなたのとりこ”も入ってたら完璧だったのになあ。
松田岳二のグループ、Cubismo Grafico によるカバーに差し替え。
大人の事情だったのだろう……
 

身辺雑記:09/05-09/11

09/05(月)
 
これまでは4時半おきで大阪出張だった。
それがないというのが不思議な感じ。
 
7時起き。疲れ切って起き上がれず。
縄跳び、クッション腹筋。
コーヒー、ヨーグルト、レモン酢。
この日も休みにする。
曇りだけど蒸し暑い。
昼前に部長から9月のアサインについて連絡あり。
 
昼は義弟からもらった出雲の茶そば。
午後は銀行にペットシッターさんの振込。
散歩がてらライフに買い物。
福澤徹三『怖の日常』を読む。
 
夜はご飯を炊いて昨日買った「みらい納豆」
かきたま味噌汁を作る。
酒場放浪記。
サウナを愛でたいの後半を見て寝る。
 
---
09/06(火)
 
明け方大雨。
7時起き。雨が続いていて縄跳びせず。
クッション腹筋。
コーヒー、レモン酢、ヨーグルト。
洗濯物を干す。
猫草を植え替える。
猫砂を入れ替えようとしたところで
先日注文したつもりが注文できていなかったことに気づく。
朝一で駅前のイオンに買いに行く。
昨日同様、日が出ると暑い。
 
午後、部長と打ち合わせ。
今月いっぱい部長の仕事の手伝い。
excel でふたつのリストの突合せ。
vlookup でできるはずが全然うまくいかない。
あきらめて手動突合せする。
 
夜は枝豆を茹で、ピーマンと塩昆布の和え物を作る。
ヤクルトと阪神の試合がシーソーゲームに。延長戦へ。
久しぶりに鑑定団を見た。ポータブルテレビで試合の続きを。
しかし全く決着つかず。
町中華で飲ろうぜの再放送が終わっても続いて11回か、ヤクルトが勝った。
モヤさまは東久留米市
午前0時過ぎに寝る。
 
---
09/07(水)
 
7時起き。曇り。
縄跳び、クッション腹筋。
コーヒー、レモン酢、ヨーグルト。
突合せの件、早々にNGとなりやりなおし。
午前中いっぱいかかった。やっと見えてきた。
昼はざるそば。
午後は別の資料作成。
断続的に雨。
 
定時過ぎに終わる。
夜はご飯を炊く。味噌汁を作る。
新潟の納豆。土曜に買った西洋わさびをすりおろしてかけてみる。
家ついて行っていいですかの総集編。
ぼっちキャンプ。
午前0時過ぎに寝る。
曇りで雨なのでモワンと蒸し暑い。
しかし寝るころには涼しくなった。
 
---
09/08(木)
 
7時起き。雨。さすがに涼しい。
縄跳び、クッション腹筋。
コーヒー、レモン酢、ヨーグルト。
ちむどんどんはもはや男ヤハギを見るためだけのドラマに。
思わずBSと地デジと二度見。
大阪出張も終わり、
今週節制してようやく体重が減ってきて血圧も下がってきた。
妻が在宅勤務で久しぶりにリビングで仕事をする。
昼は出雲のざるうどんを茹でる。
 
午前中の資料作成は時間通りに終わらせたが、
午後の例の excel ではまる。
ライフに買い物、妻に頼まれて図書館に本を返しに行って
タワレコで rock'in on を買ったついでに
LIBRO で excel 関数を組み合わせて
こんなことができる、あんなことができるという解説本を買って帰る。
うまくいけば3時間ぐらいで行けるかと思いきやまったくうまくいかず。
xlookup で行けるはずが excel のバージョンが低いとわかった。
終わったのは20時過ぎ。
しかし、何かを学んだように思う。
 
妻は感門之盟のリハへ。しかしすぐ終わって帰ってきた。
夜は冷凍ご飯を解凍して
LIVIN で買ったかき揚げとコロッケを乗せて食べる。
迷宮グルメの再放送。
町山智弘のアメリカ。
23時過ぎに寝る。
断続的に雨、涼しいを通り越して寒かった。
 
来週末青森のため、母に電話。ニトリに行きたいという。
甥っ子、姪っ子へのお土産にする本はこれがいいと妻に聞き、
amazon でオーダーして青森の母のところに届くようにする。
 
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09/09(金)
 
7時起き。
縄跳び、クッション腹筋。
コーヒー、ヨーグルト、レモン酢。
あさイチにちむどんどんのヒロインが。
三浦大知がスタジオで主題歌を歌う。
曇りで引き続き涼しい。
 
昼は今日も出雲そば
午後イチで部長と打ち合わせ。
おおむね良好な感じだったが、いくつか難しい宿題も。
もう一本、1on1 のミーティングも。
先月までのPJの振り返り。
その後また excel と格闘。
 
ライフで買ったローストビーフのため、西洋わさびをすりおろす。
先週赤城高原で買ったインゲンを胡麻和えにする。
オクラも茹でる。
 
新日本プロレスはオカダカズチカとジェフ・コブ、内藤哲也後藤洋央紀など。
新日本風土記はオクシズ。
ツマミになる話。パートナーはかまいたち
やっぱローランドの言うことはためになるなあ。
おんな酒場放浪記。
タモリ倶楽部あいみょんとラブホテル。
午前1時過ぎに寝る。
 
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09/10(土)
 
7時起き。
縄跳び、クッション腹筋。
コーヒー、ヨーグルト、レモン酢。
小説の手直し。
 
妻は感門之盟の手伝い。司会のコーナーもあるという。
予定なしで大泉学園に行ってみるかと思う。
練馬区のバスに乗って長久保で下りて歩く。
駅前のブックオフ
中古CDコーナーは小さかったが、品ぞろえは良かった。4枚買う。
一駅、石神井公園駅まで行って昼を食べるつもりが、
辰巳軒もほかり食堂も休み。
その途中のラーメン屋に入った。
駅に戻ったらちょうどバスが来たので乗って帰った。
 
午後は下の部屋で怪談本を2冊続けて。
福澤徹三『忌談』の1巻と中山市朗『怪談狩り』の2巻。
夕方、買ってきたCDの解説を読む。
日曜のクロスワードパズルを解く。
 
イタリアの再訪編。
風呂を沸かして入る。
ブラタモリは恐山。以前読んだ『恐山』の親書を書いた住職の方が案内。
最近買った中古CDの解説やライ・クーダーのガイドブックを読んで過ごすうちに寝落ち。
お笑い向上委員会。世田谷ベースの後半。
妻が豪徳寺から帰ってくる。
午前0時過ぎに寝る。
昼間気温が上がったが、夜はかなり下がった。
 
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09/11(日)
 
7時半起き。
縄跳び、クッション腹筋。
コーヒー、レモン酢。
街録、イタリアの再放送、Lazy Sunday
ライフの買い物はなし。
以前のデスクトップPCを片付ける。机の上が広くなる。
昼は昨晩妻が感門之盟から持ち帰ってきたスタッフ向け中華弁当の余りを。
サンドイッチの箱もあった。
 
新聞のクロスワードパズルを解く。
Lazy Sunday が終わって中山市朗『怪談狩り』の3巻。
大相撲。逸ノ城、正代が快勝。照ノ富士も何とか勝った。
孤独のグルメは群馬の一人焼肉。
夜はピーマンとソーセージを炒める。
ポツンと一軒家。
ライ・クーダー本の続きを読む。
中川家のコントは久しぶりに二人だけで。
おいらせ週評の続きを読んで午前0時前に寝る。
妻はまだ感門之盟から帰らず。
 

大泉学園北口を散歩

予定のない土曜。妻も終日外出。
家にいて本を読みたくもあるが、天気も良くもったいない。
近場で歩いたことのないところを散歩するか、と財布と iPhone だけをもって外出。
 
10時前。練馬区のバスに乗って大泉学園の北側へと向かう。
土支田通りを通って、別荘橋を渡って、外環道の脇を抜ける。
長久保で下りてみる。
以前バスで通った時、駅からだいぶ離れているのに
飲食店のある商店街が残っていて気になっていた。
韓国料理の店やバーらしき店、それに和菓子屋と並ぶラーメン屋。
何かの番組で見た。和菓子屋の息子が開いたんだったか。
でも今見るとラーメン屋というよりも居酒屋っぽかった。
飲食店が密集はしてなくてチラホラと。
でもそれぐらいがちょうどいいのかもしれない。
 
中窪通りを西へ。
交差点で南北に伸びた、大泉学園駅方面につながる大泉学園通りへと入る。
バスがひっきりなしに通る。北は朝霞行き、南は吉祥寺行き。
晴れて日差しが強く夏が戻ったかのよう。
しかし風はどこか涼しく、蒸し暑くはない。
1000円カットの店に行列。近所に住むおっさんたちがのんびり待っている。
ドムドムバーガーの店舗を見かけた。
最近業績を持ち直して、というのを新聞で読んだ。
 
関越道の高架下を通る。
交差点に差し掛かってふと見上げると、「住宅前」とあった。
なんとざっくりした名前であることか。
近くのバス停も「住宅前」
バス停の8割ぐらいが住宅前にあるんじゃないか。
いいのか、練馬のここがその名前を使ってしまって。
全国にここだけで早い者勝ちだったのか。
そんなことをモヤモヤ考えながら歩いて赤信号で止まった時に調べてみる。
なんだ、全国に「住宅前」というバス停はあるんだな。
 
駅近くの大泉街道に出る。
駅前のブックオフへ。
中古CDのコーナーは小さかったが、品ぞろえはよかった。
Iron Maiden のリマスターシリーズや
後期 Buck-Tick がたくさん並んでいた。
ハナレグミによる是枝裕和監督の映画の主題歌や
Greeeen の疑似ライヴアルバムなど安く買う。
500円コーナーの R35 による90年代 J-POP バラードベストが秀逸だった。
CHAGE and ASKA 「SAY YES」
JAYWALK 「何も言えなくて…夏」
class「夏の日の1993
藤谷美和子大内義昭「愛が生まれた日」など。
痒い所に手が届くというか、身もふたもないというか。
 
一駅移動して石神井公園で昼を食べようと思う。
辰巳軒でビール飲みながら解説を読んで、カツカレーというつもりが貼り紙があって休み。
ほかり食堂も開いていなかった。
来る途中にあった、前から気になっていたラーメン屋に入る。
煮干し中華の全部乗せとチャーシュー丼。
食べ終えて商店街から路地に入ったところにある KALDI へ。
青いにんにく辣油をここでも探すが、見つからず。
 
歩いて帰るかな、と思って駅前に戻る。
ちょうどバスが来たので乗っていくことにした。
 
家に着いてまだ13時頃。
小さな旅の終わり。
午後は怪談本を読んで過ごす。

先週買ったCD #99:2022/08/29-2022/09/04

2022/08/29: KING KONG アメリカ村本店
Dub Syndicate 「Live at the T+C 1991」 \900
 
2022/08/29: Time Bomb Records
The Blue Hearts野音 Live on '94 6.18/19」 \800
James & Brian Eno 「Wah Wah」 \300
 
2022/08/31: DiskUnion 大阪店
Todd Rundgren 「With A Twist」 \580
Hardcore Superstar 「No Regrets」 \300
Elis Regina 「Elis (1973)」 \1200
(V.A.) 「A Tribute To Ramones We're A Happy Family」 \380
 
2022/08/31: www.amazon.co.jp
ヤン富田 「Music For Astro Age」 \1165
BlondieBlondie At The BBC」 \1624
 
2022/09/01: www.hmv.co.jp
Vintage Trouble 「The Bomb Shelter Sessions」 \297
Kylie Minogue 「Fever」 \495
Kylie Minogue 「Showgirl: Homecoming Live」 \495
 
2022/09/02: BOOKOFF 中板橋駅北口店
Santana 「Caravansarai」 \792
 
2022/09/02: メルカリ
Die Mannequin 「Unicorn Steak」 \500
Die Mannequin 「Fino + Bleed」 \500
 
2022/09/04: www.amazon.co.jp
Harvard 「Talkin And Loud」 \870
 
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The Blue Hearts野音 Live on '94 6.18/19」
 
4か月の大阪と東京を行ったり来たりする生活も先週で一区切り。
最後の出張となった月曜の夜、心斎橋へ。
この4か月の間、PJメンバーとの飲み会のない夜は
DiskUnion と心斎橋、戎橋、なんばのブックオフと一軒ずつ回っていた。
あと行っておきたいのは、と考えたときに思い出したのが
アメリカ村の「KING KONG」と「Time Bomb Records
10数年前、同じように頻繁に大阪出張していた時にこのふたつの店はよく通った。
しかしこのご時世で中古CD屋というものも羽振りが悪く、
どちらも移転して規模を縮小し、かつ、店内のほとんどが中古レコードとなった。
正直、どちらも今回中古CDの棚にはさほど見るものはなかった。
それでもなんかあるはずと漁っていたら出てきたのが、ブルーハーツ野音ライヴ。
帯付きで800円。「Time Bomb Records」の投げ売りコーナーにて。
 
ライヴアルバムが出ていたことは知っていたけど、
ワーナーに移籍してからの彼らには興味を失っていた。
”情熱の薔薇” は名曲だと思うが、その他の曲は全然ぴんと来なかった。
”あの娘にタッチ” も当時は何とも気の抜けた曲だなあと思った。
今聞くとそうでもなく、パンク以外の、
グループサウンズやフォークといった自分たちのルーツを探る試みだったのだなと理解できるものの。
インディーズ時代の幻の名曲とされた
”Too Much Pain” を初めてアルバムに収録と聞いたときに、自分の中で何かが終わった。
ブルーハーツも何か大事なものを切り売りするようになったと感じた。
 
僕自身高校に入って洋楽一辺倒になり、
反動で全く日本のロックやポップスを聞かなくなったというのもあるだろう。
しかし、中学生の僕にとって最も大切なものはブルーハーツだった。
”TRAIN-TRAIN”は何とも新しかった。いくつもの扉を蹴飛ばして開けた。
”キスしてほしい”や”人にやさしく”と遡って ”リンダ リンダ” にたどり着いたとき、
これだ、これしかないと打ち震えた。
これが真実なんだ、と思った。
当時の親友と青森市の文化会館で行われたコンサートも見に行った。
(”チェルノブイリ” は ”六ケ所村” に変えて歌われた)
終わった後、興奮して、バス停何個分も二人で歩いて帰った。
 
このアルバムは彼らのライヴ活動としては最後の頃を収録したものであるという。
そうか、1994年の6月だったのか。
僕は大学2年生で、上京して、
ブルーハーツのようなメンタリティーはもはや必要としていなかった。
日本の音楽を聴くにしても、その頃出始めていた渋谷系の方がありがたかった。
 
聞いてみる。
ブルーハーツの解散については宗教に関するものなど諸説あるが、
グループとしては行き詰まっていたのだろう、
自らにもはや何も期待しないというような淡々とした演奏だった。
やむにやまれぬ思いで突き進む性急さはもはやなくなっていた。
未来に期待することのない音楽とはいかに切ないものであるか。
 
前半はワーナー移籍後の曲が中心で ”夢” や ”旅人” ”夕暮れ” といったシングル曲など。
(恥ずかしながらCMでよく聞いた ”夢” はハイロウズの曲だとばかり思っていた)
演奏する側も聞く側もボチボチの感じ。
中盤に差し掛かって初期の ”少年の詩” で黄色い歓声が上がるのを聞くと
それはそれでどこか寂しいものがあった。
後半になってようやくテンションが少し上がってくる。
アンコールなのか、その手前なのか、初期の名曲たちをメドレーでやってる時がハイライトだった。
”未来は僕等の手の中”、”爆弾が落っこちる時”、”ロクデナシ”……
最後の ”リンダ リンダ” も ”TRAIN-TRAIN” もお約束だからやってます、というような。
 
完全燃焼でバンドをやめるのではなく、不完全燃焼で、というのが痛いほど伝わってくる。
出す必要があったのか。
その時の状況を残しておきたかったのか、ファンに真実を伝えたかったのか。
バンド側は望まず、レコード会社の都合だったのか。
やっぱブルーハーツはメルダックからの最初の3枚なのだなと改めて再認識した。
 

身辺雑記:08/29-09/04

08/29(月)
 
4時半起き。
夏至の頃はこの時間既に明るくなっていたが、2か月経過するとだいぶ暗くなっている。
瓶缶ペットボトルをカゴに出して家を出る。
最後の大阪出張。月火水の3日間。
火曜が経営層報告のためスーツで行く。
上着を着なくてもいいか、半袖シャツでいいかと3日間スーツで過ごすことにする。
 
先週同様、7時発の一本前ので新大阪へ。
いつもなら動画研修を見たり仕事に関する本を読むところを
最後の大阪出張なのでいいかとプライベートの本を読む。
『死の瞬間』を読み終える。
 
10時前にオフィスに着く。
昨日今日と東京は涼しかったが、大阪はまだ暑い。
しかし7月の猛暑に比べるとだいぶましになった。
 
この日は資料の最後の手直し。
昼、以前入った高級そうな中華料理屋
胡麻ラーメンと麻婆豆腐、ライスのセット。
 
定時過ぎにオフィスを出てホテルへ。
アパホテルのポイントが溜まって5,000円のキャッシュバックを受け取る。
心斎橋に行って久しぶりに『KING KONG』
鹿島の叔父から電話があって、土曜に送った焼酎とワインが届いたと。
『Time Bome Records』は移転していた。
町中華の店に入って、焼きそば、餃子で生ビール。
 
帰ってきて大浴場。月曜から夜ふかしはなし。
江弘毅『「うまいもん屋」からの大阪論』と
『世界でいちばん虚無な場所 旅行に幻滅した人のためのガイドブック』を読む。
23時過ぎに寝る。
 
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08/30(火)
 
6時起きで大浴場。
こころ旅の再放送は青森。
芋たこなんきん、ちむどんどん、GTR3を見てオフィスへ。
朝イチで打ち合わせ。
資料の確認をして午後の最終報告に備える。
大阪は小雨が降ったりやんだり。
 
昼は早めに出る。
以前石鍋パスタを食べた店が新メニューでチキン南蛮定食。
オーロラソースがおいしかった。チキンもさくふわ。
客先での最終報告も無事に終わり、オフィスに戻って軽微な修正を。
 
定時前に仕事を終えて、時間が空いてホテルに荷物をもっていく。
戻ってきて打ち上げ。川沿いの前から気になっていた店。
メニューがどれもうまかったな。
しかしワインを飲みすぎて途中から記憶なし。
店を出るころに意識が戻る。
何人かは終電を逃しそうになる。
ホテルに帰って大浴場に入って寝る。
午前一時。
 
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08/31(水)
 
6時起き。さすがに眠い。
大阪最終日。アパヴィラホテルの大浴場もこれが最後か。
こころ旅の再放送を見る。
芋たこなんきんは健次郎さんが亡くなってしまうのか。
 
先日もあったけど、ロックがかかっていていつもの会議室エリアに入れず。
下のフロアに移動して部長と状況報告の打ち合わせ。
最終日なのでたいしてすることがない。
11時の打ち合わせまで暇になって中之島を散歩。
図書館を過ぎてなにわ橋の駅まで行ってみる。
 
昼はステーキ屋の肉ゴロゴロ、ホロホロカレー。
最終日はここと決めていた。後輩に奢る。
戻ってきて昼休みの間に資料修正をひとつ。
終わって再度散歩。
堂島の地下街に行って、青森・岩手の店で
ペットシッターさん用のリンゴのクッキーを買う。
 
13時半の内部ミーティングがすぐ終わって15時まで暇になる。
散歩がてら梅田のヨドバシカメラの近くにできたバナナレコード探してみることにする。
地下街を第3ビルから第4ビルへ、一角に小さな中古CD屋があった。
ホワイティから阪急の三番街を経て地上に出てバナナレコードを見つけるが、
レコードメインで中古CDはほんの少し。すぐ出て引き返す。
 
15時にお客さんとの最後の打ち合わせ。
コンサルの入るフェーズは今日で終わり。
大阪駅まで歩いて行ってコインロッカーに荷物を預けてDiskUnionへ。
急いで棚をチェックして何枚か買って帰ってくる。
そのままJRで新大阪駅に向かう。
妻のリクエストのはちみちプリンを買って「だるま」で串カツをテイクアウト。
時間があったのでノートPCを立ち上げて出張精算する。
 
新幹線の中で串カツを食べながら買ってきたCDの解説を読む。
缶ビールと缶チューハイと。
『おいらせ週評』と『「うまいもん屋」からの大阪論』の続きを読んで過ごす。
 
この日も妻が駅まで車で迎えに来てくれて、風呂も沸かしてあった。
荷物を片付け、ボッチキャンプを見て寝る。
 
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09/01(木)
 
7時起き。縄跳び、クッション腹筋。
健次郎さん亡くなるのか、と思いきや違った。
サトルは交通事故で大けがというのも違った。
9月に入ったが、今週いっぱいは前のPJの続きを。
しかし振り返りぐらいでやることはない。
のんびり過ごす。
この4か月に北新地界隈で食べたおいしい店のリストを作成し、
PJメンバーに展開する。
 
師匠からパフォーマンス評価の展開を受ける。
思いがけず高評価だった。
昼はざるそば。
夕方、振り返り。PJメンバーとはこれでお別れ。
18時、最後の打ち合わせ。遂にクローズ。
 
妻のリクエストでかぼちゃのグラタンを作る。
『現代のピアニスト30人』の続きを読む。
サラメシ。
猫歩きは奥多摩の再放送。
迷宮グルメを見るつもりが、野球中継が延長。
昨年書いた小説の手直しを始める。
1年半ぶりに読み返し、悪くはないなと思う。
迷宮グルメ、町山智弘のアメリカを見て寝る。
午前0時。
 
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09/02(金)
 
6時に目が覚める。
小説の手直し、2周目。
朝から雨。
この日は休みにしてどこか行こうと思ったが。
遠出せず、大山とする。
クリーニング屋、洗濯物の室内干し。
 
10時半に家を出て成増へと歩いていく。
東上線に乗る。
一駅手前の中板橋で下りてブックオフ
そこから歩いていくつもりが雨が強くなる。
駅に戻って一駅乗る。
ハッピーロードを歩く。
出た先の「丸鶴」の行列に並んでチャーハン。
日大病院前の昔バイトしていた薬局を見に行く。
まだあった。後輩たちがバイトしているかどうかは不明。
ハッピーロードに戻って駅前の店で焼き鳥を買って帰る。
成増からはバスに乗った。
 
中山市朗の『怪談狩り』を下のソファーで読んでいるうちに寝てしまう。
最近買ったCDの解説を読む。
新日本プロレス田口隆祐のタッグ戦、負ける。
新日本風土記は再放送の比叡山
つまみになる話。なんかもうよくわからないアイドルが出ていた。
妻が帰ってきて焼き鳥を食べる。
おんな酒場放浪記。
タモリ倶楽部で寝落ち。
 
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09/03(土)
 
7時起き。縄跳び、クッション腹筋。
コーヒー。芋たこなんきんを見る。
この土日は「大地の芸術祭」で越後妻有へ。
セブンイレブンにお金をおろしに行く。
 
10時前に家を出て、練馬ICから乗っていく。まっすぐ関越道。
上里SAで昼を食べて13時過ぎには十日町市に着いた。
「農舞台」というアートセンターで受け付け、
イリヤエミリア・カバコフなどのいくつか作品を見て
シャトルバスで坂の上にある松代城天守閣。
雨の中、ぬかるみの中、坂道をさらに下って
また田んぼや森の中の作品を。
 
16時過ぎまで見て、宿へ。
大雨、雷の露天風呂。
温泉卵のサービスがよかった。料理もうまかった。
向かいのバーでもう少し飲んだ。
何度か温泉に入って寝る。23時前。
 
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09/04(日)
 
7時までぐっすり寝て朝風呂。
朝食。こちらもまた手間暇かかっていてご飯を2回お代わり。
「みらい納豆」とそれに沿える藻塩を買ってチェックアウト。
 
中里エリアの清津峡渓谷トンネルの『Tunnel of Light』を見に行って
ひんやりと美しいアート、トンネルのライトアップと清津峡渓谷を堪能する。
インフォメーションセンターで『カクラ・クルクル・アット・ツマリ』がいいと聞いて次はそこへ。
その途中の『ポチョムキン』とこの3つがこの2日間のベストか。
 
塩沢石打ICから乗って赤城高原SAで昼を。
塩ホルモン焼ともつ煮込みの定食。
途中事故渋滞があったが、それ以外は順調で17時過ぎには帰ってきた。
 
笑点は蝶花楼桃花。
ポツンと一軒家、中川家のコントを見て寝る。
酒は飲むけど夜は食べず。
というかこの2日間、例によって食べ過ぎた。
 

『大地の芸術祭』へ(その5)

日曜の続き。
車に乗ってキャンプ場を目指す。
直線距離ではすぐなのに、川に橋を増やさないためか一度逆方向に向かって迂回する。
途中に「越後妻有清津倉庫美術館」という施設があって寄っていく。
磯部行久というアーティストの業績を記念して建てられたもののようだ。
2階でその常設展。
僕は知らなかったが、芸術を通して表す批評の目が鋭い。
抽象でもなく具体でもなく、これは一つの作品なのだという強い主張を感じる。
一連のワッペンの作品、ブランドを表すはずの記号としてのワッペンから
記号性を強引にはぎとられて木枠の中に乱雑にはめ込まれた様子の
知的な野蛮さに圧倒された。
吹き抜けの壁には世界地図にバックミンスター・フラーダイマキシオン・マップを重ね合わせて
パイプに流れる液体で海流の流れを表した『海流資源図』
2階の別室には以前の『大地の芸術祭』で行ったプロジェクトの一つ、
かつての信濃川の流れた位置を何百本もの黄色い旗を差すことで示した
『川はどこへ行った』などの写真やデッサンの展示。
 
1階の一部屋と体育館で
大地の芸術祭』に参加しているアーティストの他の作品を展示していた。
金氏徹平川俣正大岩オスカールエステル・ストッカーといった名前を覚えた。
前日土曜に見た『教室』の河口龍夫や、イリヤエミリア・カバコフの作品もあった。
各エリアの会場内に実際に設置している作品の写真も添えられていて、
イメージの近いもの、全然違うものとがあるのが興味深かった。
体育館の外にはプールがあった。かつては学校だったのだろうか。
その水の抜かれたプールがそのまま『プールの底に』という作品となっている。
黄色く塗られたピアノが置かれ、鍵盤を押すことができる。
自分が鍵盤を押したかどうかに関係なく、どこからか音楽が聞こえる。
周囲の民家の風景と相まってなんとも不思議な空間を作っていた。
 
ボランティア・ガイドの方から聞いた
『カクラ・クルクル・アット・ツマリ』を目指す。
小さな集落。温泉施設を通り過ぎる。
田んぼの中を走る。この日は晴れ。もくもくと入道雲
夏の雲もそろそろ見納めか。
途中、『ポチョムキン』という展示があった。名前に引かれて停まってみた。
ガイドブックを読むと廃棄物が不法投棄されていた場所を整備して
フィンランドの建築ユニットが公園に生まれ変わらせたといったことが書いてあった。
赤錆びた鋼板で囲まれた空間に古タイヤのブランコ。
片隅には巨大なトラクターと思われるものの部品。
鋼板の隙間から稲穂実る田んぼ、その奥で農家の方が一人作業を行っている。
反対側の開けた空間には小川。その向こうの夏空、夏雲。
元々あった木々の配置もうまく活かして、静かな美しい空間となっていた。
無骨な鋼板による壁もロシアフォルマリズムの残響のようで。
冬、雪に閉ざされたこのポチョムキン公園にまた来てみたいと思った。
 
そのすぐ先に『カクラ・クルクル・アット・ツマリ』があった。
道端に何台か停まっている。
さすがにここまでくると車がないと見に来ることができない。
田んぼの間の道。その両端に立てられた何十本もの高い高い竹竿。
その先に括りつけられた手作りの風車にはどれも農民と牛の人形が添えられている。
風が通るとカラカラ、カラカラカラと鳴る。
道をまっすぐ、竹竿に囲まれて歩いていく。
風が通るとそれに合わせて風車が回りだす。
風がなくなると音が止んで代わりに流れる水の音が。
田んぼのにおい、肌にあたる風。風車にトンボが止まる。
五感で感じることのできるアート。これが、「アート」なんだな。
バリ島と日本、自然とアート、いろんなものが重ね合わされて様々な新しい意味、体験を生む。
清津峡渓谷トンネルの『Tunnel of Light』を別格として、それ以外ではこの作品が僕の中でベスト。
その次が『ポチョムキン』となるか。
 
この日はもうこれ以上見るものはないだろう、と帰ることにした。
その途中にあった作品の『たくさんの失われた窓のために』を見て最後にする。
フォトジェニックで悪くはないのだが、『カクラ・クルクル・アット・ツマリ』の後だと
どうしても物足りなく感じてしまった。五感に訴えかけるものに乏しい。
 
あとは帰るだけ。
塩沢石打ICの手前のコンビニに寄った後で高速に乗る。
あとはひたすら飛ばす。
14時過ぎ、遅くなった昼は赤城高原SAで。
ここのフードは充実していてどこにするか迷う。
本格イタリアンの店もあったが、結局は豚肉・ホルモンの食堂に。
僕は塩ホルモン焼き、もつ煮込みの定食。妻はソースかつ丼
途中まで順調だったが、本庄小玉ICの辺りで事故渋滞。
追い越し車線で派手にぶつけていた。
それ以外は順調で、17時過ぎには帰ってきた。
 
新潟も暑かったが東京も暑い日でエアコンは入れず。
留守番のみみたには悪いことをした。
 
2日間で撮った写真は1200枚越え。
整理するのが大変そうだ……