本の話

文庫の解説というもの

文庫の巻末の解説、いらないと思う。 というかいらないものが多すぎると思う。 読んでて参考になった、面白かったという解説に出会うことは 1/5 あるかないか。 9割方の解説はその内容の大半が要約とか引用で、 その要約の仕方が鮮やか、視点に唸るというの…

秘密基地というもの

坂口恭平『TOKYO 0円ハウス 0円生活』を日曜の夕方読み始めたら 思いがけなく面白く、月曜のうちに読み終えてしまった。 http://amzn.asia/9OwDleD 多摩川や隅田川につくられたホームレスの「家」を訪ねて行ったもの。 ブルーシートの中は汚れたゴミ捨て場…

『はじめての編集』

はじめての編集 [単行本]作者: 菅付雅信出版社/メーカー: アルテスパブリッシング発売日: 2012/01/12メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 119回この商品を含むブログ (20件) を見る 『はじめての編集』という本を読んだ。 http://amzn.asia/41Z2ihE 下北沢…

『ザ・ゴール』

ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か作者: エリヤフ・ゴールドラット,三本木亮出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2001/05/18メディア: ペーパーバック購入: 32人 クリック: 373回この商品を含むブログ (391件) を見る 昨日『ザ・ゴール』を読み終え…

『ウルトラマンの東京』

先日の落語と日本酒の会でお会いした方がウルトラマンの生みの親で、 昨年はウルトラマン50周年、一年後の今年はウルトラセブンが50周年という話になった。 そういえば昨年神保町の古本祭りで筑摩書房のワゴンで買った文庫の中に 実相寺昭雄監督の『ウルトラ…

『物質と心』

ちょいと近況報告というか宣伝というか。 2年ほど前に編集をお手伝いした本、 (一時お蔵入りかと思われましたが)このたび無事刊行されました。 『物質と心 脳と内なる心の関係を探す、二人のノーベル賞受賞者による対話』 http://amzn.asia/4GQPSr4 ダラ…

エマ・ワトソンのブッククロッシング

昨日のドライブの間、InterFMで ジョージさんの番組「Ready Steady George!!」を聞いていたら エマ・ワトソンに関するニュースが話題として上がった。 いい話だと思ったけどその後検索してみても出てこない。 なので、いくつか補足しながら書いておこうと思…

神保町ブックフェスティバル '2016

予定のない日曜日、妻の運転で神保町へ。 この土日がすずらん通りで『神保町ブックフェスティバル』 神保町全体でも来週まで『神田古本まつり』 すずらん通りに各種出版社がテントを出して 汚れて難ありの本や、デッドストックの本が半額で売られている。 友…

神保町で過ごす

秋分の日。7時起き。雨。 荻窪の床屋へ。最近雨ばかりで寒いですね、という話をする。 10時過ぎに終わって移動。丸の内線に乗って御茶ノ水へ。 『無門関』を読み終える。 鞄に入れたつもりが雨にぬれてページがふやけてしまった。 駅前の丸善で新品に買い換…

下北沢

今日は今期担当している2教室の汁講(オフ会) 昼が下北沢となったので早めに出て久しぶりに歩く。 小田急線のホームが深くなって 構内が新しくなってから初めて下りるかもしれない。 (それにしてもこの駅は永遠に工事中?)南口を出てそのまま南に下りて…

『百物語』

百物語 (新潮文庫)作者: 杉浦日向子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1995/11/30メディア: 文庫購入: 14人 クリック: 56回この商品を含むブログ (99件) を見る 先日の『百日紅』に引き続き、杉浦日向子『百物語』を読む。 その名の通り、江戸時代の怪異譚を99…

杉浦日向子『百日紅』

百日紅 (上) (ちくま文庫)作者: 杉浦日向子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1996/12/01メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 49回この商品を含むブログ (124件) を見る 例によって頼まれ事で取りとめもなくあれこれ調べている。 今は葛飾北斎。 図書館から…

『ドミトリーともきんす』

ドミトリーともきんす作者: 高野文子出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2014/09/24メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (80件) を見る 『いちえふ』に引き続き、 一昨年の発売からずっと話題だった高野文子『ドミトリーともきんす』を…

『いちえふ』

いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(1) いちえふ 福島第一原子力発電所労働記 (モーニングコミックス)作者: 竜田一人出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/04/23メディア: Kindle版この商品を含むブログ (13件) を見る 前から気になっていた『いちえふ …

SFベスト30

先日はしばらく漫画から選ぶというのを続けていたけど、 それがひと段落して文庫へ。 SFが回ってくる。何百冊か。 ひゃっほう! 久しぶりに得意分野。 20代後半から30代前半までの ハヤカワ文庫の水色のSFしか読まなかった時期がようやく報われた。 ほんの一…

読みたいマンガをリストにしてみた。

昨日ホラーについて書いたけど、ここ1ヶ月漫画を調べる仕事をしていて。 毎週テーマが変わる。 タイトルに目を通したのは4,000冊ぐらいになるだろうか。 そのうち、気になったもの、読んでみたくなったものを どんどん Amazon に入れていったらこんな感じに…

ホラーというもの

最近訳あってホラーマンガについて調べている。 というか amazon などで検索している。 いくつか気になったものがあったけど、特に今読みたいものはない。 読んでる暇もない。 ただ、今も昔も若者たちにすごい人気なんだな、ということがよくわかった。 なん…

『猫熊』

国分寺の居酒屋の話が、いつのまにか南方熊楠の話になる。 数年前、熊野古道を歩いた後に立ち寄った紀伊田辺には 「南方熊楠顕彰館」というのがあって、入ってみた。 http://www.minakata.org/ 友人が企画展に「熊楠と猫」というのをやっていたと見つける。 …

青森の漫画

わけあって青森ゆかりの漫画を集めてみた。 青森を描いた漫画、青森出身の漫画家。 けっこうあるもんです。 知らなかったものばかり。 青森市ないしは青森県内でのみ流通している 地方出版の漫画もあるんじゃないかな。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− …

サミュエル・ベケットについて考える

サミュエル・ベケットについて考える。 ・ダブリンに生まれ、パリに移住。 最初は英語で書いた。後にフランス語で書くようになった。 母国語とは違う言語で作品を書いた作家の系譜。 ジョーゼフ・コンラッドやウラジーミル・ナボコフ。 ・『ゴドーを待ちなが…

好きな物語ベスト10

先日某所に書いた「私の好きな『物語』ベスト10」 入院している間に考え始めて、いろいろ考えているうちにこうなった。 そのとき寄せた文章も合わせて。 - 1 : アーサー王伝説 2 :「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」 ポール…

『ONE PIECE』というもの

今更だけど『ONE PIECE』を読んでいる。 会社の後輩から春先にまとめて借りて、 しばらくほったらかしていたんだけど 退院後の自宅療養の間に読み始めて、 すぐにもはまってこの1ヶ月の間に51巻まで読んだ。 今は79巻? その気になれば年内に読み終わるか。…

『SAPEURS THE GENTLEMEN OF BACONGO』

SAPEURS - Gentlemen of Bacongo作者: Daniele Tamagni出版社/メーカー: 青幻舎発売日: 2015/06/13メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (3件) を見る 最近話題の写真集、『SAPEURS THE GENTLEMEN OF BACONGO』を買ってみた。 http://gqjapan.jp/en…

『安井かずみがいた時代』

安井かずみがいた時代 (集英社文庫)作者: 島崎今日子出版社/メーカー: 集英社発売日: 2015/03/20メディア: 文庫この商品を含むブログ (5件) を見る 『安井かずみがいた時代』(島崎今日子)という本を月曜から読んでいる。 だいぶ前に本屋で見かけてビビッと…

太宰の記念館

太宰治が佐藤春夫に送った書簡が見つかったというニュースを昨日見かけた。 昭和11年。まだ20代後半になったばかりで文壇デビューしたばかり。 薬物中毒に悩み、お金に困っていた。 書簡では芥川賞をなんとかもらえないものかと切々と綴っていた。 facebook …

東京、都市

昨日からレム・コールハースを読んでいる。 ちくま文庫の翻訳。 有名な『錯乱のニューヨーク』ではなく『S, M, L, XL+』の方。 1990年代前半の著述を集めたもの。 アムステルダム出身の建築家なんだけど、 建築の学校に入る前はジャーナリストとして活動して…

絵本と出会う

昨晩は塚田さんの「温室」にてイベント「TERRAIN VAGUE」の4回目。 (フランス後で都市の中の「空き地」を指す) http://terrainvague2015.blogspot.jp/2015/07/terrain-vague-vol4.html 今回のテーマは「絵本」 参加者は各自持ち寄ることになっていたけど…

『強烈なオヤジが高校も塾も通わせずに3人の息子を京都大学に放り込んだ話』

強烈なオヤジが高校も塾も通わせずに3人の息子を京都大学に放り込んだ話 (一般書)作者: 宝槻泰伸出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2014/08/23メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (2件) を見る 今から半年前。僕の関わっている学校のイベ…

カレーライスかライスカレーか

アンソロジー カレーライス!!作者: 阿川佐和子,阿川弘之,獅子文六,東海林さだお,安西水丸,滝田ゆう,寺山修司,中島らも,林真理子,藤原新也,古山高麗雄,町田康,色川武大,向田邦子,村松友視,山口瞳,池波正太郎,吉本隆明,よしもとばなな,吉行淳之介,伊集院静,泉…

小さな出版社

昨晩は塚田さんの「温室」にてマチュピチュについて語るイベント。 聞きにいくつもりだったのが、風邪で咳が止まらなくて断念。 http://onshitsu.com/2015/06/22-175651.php メールでドタキャンを伝えるのもなんだからとオフィスから近いし、 直接伝えに行っ…