考えたこと

教えると学ぶ

教えている講座での指導陣の集まりが先日あって、こんな話になった。 「作品の質は全体的に上がっていて、平均点は高い。 だけど昔と違って突き抜ける人がいない。 その分、変なのもいない。 上と下の開きがどんどんなくなってきている。 書いていることが当…

フィクションを読むということ

しばらく言葉を交わしていなかった友人と久しぶりにやりとりする。 以前からの病気がここ数年思わしくなくて、長い文章が読めなくなったという。 リハビリを続けることで少しずつまた本が読めるようになったけれども 小説はまだ難しい、ノンフィクションなら…

最近考えたことのいくつか

・アンケートは「はい」「いいえ」や「A」「B」といった 必ず答えを指定する選択肢だけが回答欄にあるものと 「どちらでもない」や未回答が選べるものとで どれぐらい確度は変わるものなのだろうか? 例えば、会社から送られてくる働き甲斐やストレスに関…

SNS時代の物語

今日は物語講座の講習会。 「SNS時代の物語とは?」というお題が出る。 例えば。 受け取るメディアはスマホのように 画面が小さく、持ち運び可能で、いつでもアクセスできる。 逆を言うと、同じインターネット接続環境であっても 大型のデスクトップでダイヤ…

死後の世界はあるか

昨日の続き。 幽霊はいるのかどうかで言えば、いるんだろうな、と思う。 でも、霊界はあるのかどうか、と聞かれるとあんまりそんな気がしない。 天国や地獄があるのかというのと一緒。 結局のところ死後の世界というものはなくて 人は死んだら消滅する。 し…

ダウンロードはCDを駆逐するか '2015

「電子書籍が本を駆逐する」 「ダウンロードがCDを駆逐する」 と00年代、脅威として語られた。 実際音楽の方は聴く・買う環境が若い世代を中心に大きく変わったけど まあそこまではいってなくて、本屋は電子書籍との共存を図りだしたように見える。 このまま…

問いかけるということ

会社で仕事していて、学校で教えていて、 「なぜそうなったのか、背景を考えてみましょう」 「なぜそうしたいのか、理由を掘り下げてみましょう」 ということをよく言っている。 「なぜ?」っていう視点がとても大事で、 でないと何事も漠然とした気分となっ…

物語は必要とされているか?

世の中、物語が求められている。 駅の壁面広告や車両の中吊り広告を見ると ここ数年更にその傾向が強まったように感じられる。 しかし、実際そうなのだろうか? 逆なのではないか、と時々思う。 ・広告の中だけで、物語が必要とされている。 ・世の中が物語…

ディスコミュニケーションというもの

先日、facebook に書いたところ反響があったので こちらにも残しておく。 - コミュニケーションが取りにくく、仕事しにくい人の共通点を考えてみた。 文脈に関係なく、無意識のうちに、あるいは思いつきで ・ひとつの物事をいろんな言葉で言い換えている ・…

インストール

今日のネタ帖より。 人類の「意識」というもの実際のところどこにどう存在するのか解明されていない。 脳の中にありそうだ、神経線維の間にありそうだ、というだけ。 「意識」は実は身体を持たない地球外生物なのかもしれない。 それが動物的な本能しか本来…

メイド・イン・ジャパン

このところ訳あって 「メイド・イン・ジャパン」関係の本をまとめて読んでいる。 そういう視点で見てるとほんと携帯/ケータイってすごいなと改めて思う。 なんでこんな小さいものの中にたくさんの機能が入っているんだろう? 例えばシャープに代表される電…

日出ずる国

日本という国はアジアの東の果てに位置する島国として 弥生時代に稲や鉄やその他あれこれを 北方や南方や西方から海伝い・島伝いに受け入れて その後飛鳥時代には交易の途上で 中国・朝鮮半島から伝えられた漢字や仏教を取り入れる。 それが中国から来たその…

夢の断層

ここ最近のニュースで最も気になったのは 「「夢解読」に成功 脳活動から夢の内容を読み取る技術がついに実現」 http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130405-00010000-newton-sctch&1365099198 とは言っても詳細に映像というか 夢の中のイベントのつ…

『物語論の位相』メモ

朝晩、行き帰りにジェラルド・プリンス『物語論の位相』を読んでいる。 難しい内容も多く、帰りは途中のどこかで居眠りしている。全然進まない。 以下、メモ。 登場人物、語り手、作者、読者。 それぞれの距離感。それぞれの関係性。それぞれに流れる時間。 …

キャンペーンというもの

マーケティングの教科書を読めば たぶんすぐ書いてるようなことなんだろうけど、 恥ずかしながらこの年にしてようやくわかったこと。 『クイズに答えてもらおう! ノドごしググッとさわやか。 これまでにない飲みごたえが特徴の新しいビールは? 「○ルトラ …

保留期間

死んだら無に帰るのだとずっと思っていた。 そこから何億年経過しようと永遠の無。 天国も地獄もない。生まれ変わりもない。 最近別の可能性を考え始めた。 意識の残骸のようなものがどこかに残るのならば、 それが漂っている異空間もあるのではないか。 し…

物語論続き

最近学んだことなど。 1) ワールドモデル(世界観)とキャラクターがしっかりしていれば シーンやストーリー(プロット)はどんどん転がっていく。 結局のところ読者が読みたいのはその作品の世界観と キャラクターなのだと思う。ストーリーはその軌跡に過…

言葉と視点

その歴史や社会や文化について何も語れないけど、 日本・中国・韓国・台湾の関係のことを時々考える。 尖閣諸島や竹島に絡んで、不穏なニュースばかり目にする。 旅先で、とか。 個々人で向かい合っているとどこか理解し合えるのに 楽しいひと時も過ごせるの…

私という世界という私

「自分が死んだとき、世界は消えてなくなる」という考え方がある。 さすがに消えて無になるってことはないし この世界はいくらでも僕やあなたに関係なく続いていくんだろうけど、 この考え方、なんかどこか気になって、惹かれる。 自分が生まれた瞬間パラレ…

笑い袋

人間の感情の総量はあらかじめ決まっているのかもしれない。 一方的に与えられていて、自分から増やすことはできない。 もちろんその総量は人によって異なる。 極端に多い人もいれば、極端に少ない人もいる。 悲しみに打ちひしがれて大きく減って、 心の底か…

共通地盤を介した物語分析とでも呼ぶべきもの

宇宙ステーションに住んだら、四季はなく、 毎日同じ時刻に朝が来て夜が来るんだったか。 雨の降る時間帯も固定。 その設定ってSF作品ごとに違うのか。 人体というか精神に与える計り知れない影響のことを考える。 特にずっとそこで生まれ育って他を知らない…

変身願望について考えるメモ

変身願望について考えるメモ。 人間の根源的な欲望のうちのひとつ。 宝探しをしたい、世界の果てを見たい、この3つが究極じゃないかと思う。 (大金持ちになりたい、世界を征服したい、などというのはどこか浅い) 変身、あるいは変容。その物語的バリエー…

子供のいない大人というもの

昨日読んでいて、そうか、と思った。 Rockin' on 7月号より、Kevin Shields のインタビュー。 (My Bloody Valentaine) 「子供のいない大人って、ある年齢を過ぎたら、 周りの世界との繋がりがほとんどなくなってしまうんだよね。 なくなってしまうというか…

歴史と物語(再訪)

今回も某所に書いたことを。 これまで何度か話題にしてきたことですが。 - 歴史と物語とは対になっています。切り離せないですね。 物語というメディアが口伝えに、そしてあるときから文字となって、 さらに近代では「小説」という形式をも生み出して 歴史と…

老子というもの

先週から、『バカボンのパパと読む「老子」』という ドリアン助川の書いた本を読んでいる。 1章ごとに原文と口語訳と「バカボンのパパ語」訳とが載っている。 もちろん3つ目がポイントで、もちろん「これでいいのだ」で結ばれる。 http://www.amazon.co.jp…

文字コードというもの

WEB上の学校で教えていると、時々文字化けに出会う。 昨日もあった。送り直してもらうのが手っ取り早いんだけど、 コンピューターに詳しくない人だとまた文字化けかも。 応急処置的に復元してみる。 こういうサイトがある。「もじばけらった」 http://lab.ki…

物語論、続き

AさんからBさんへと容易に、かつ正確に伝えたいことを伝えることができたならば、 人類に文化というものは生まれなかった。 欠落したものをどうやって埋めるかという方法に、その可能性の幅に文化は生まれる。 これまで僕は物語というものは個人から個人へ…

周辺というもの

メモ。 「好きなようにやっていい」と言われて、 本当に好き勝手にやったら頓珍漢なことになる。 その場における文法や文脈を無視してはならない。 これが最低限の約束事。 しかし、それらをただトレースするだけだとつまらない。 動きが無くなって色褪せて…

恋というもの

初恋の人は今、どこでどうしているのだろうか? とあることをきっかけにそんなことをふと思う。 しかしまあ本気で気になるってこともなく、無理して知りたいとも思わない。 どこかで普通に結婚して、普通に子供がいるのだろう。働いているかもしれない。 結…

最上階から

高層ビル。分厚い窓の側に立って、外を見下ろす。 地面の上、小さく動く人たちを眺める。 表情が分からなくて、仕草も見えず。 服装の大雑把な色彩にわずかに個性が残るだけ。 どこに向かって、どんな調子で歩いているかという行動−動向だけになる。 そうい…