本を出した出版社が倒産した その4

※以下、メモに書き綴ったものを、その順番で記していきます。
 回答は断りのない限り、代理弁護人によるものです。


 僕の聞き間違いや記憶違いがあった場合には大変申し訳ありません。
(この文章を見つけて指摘された方がいましたら、修正します)


 また、全てをメモしきれて、ここに書けたわけでもないです。


 整理して構成を変えたほうが読みやすいかなとも思ったのですが、
 記録として生々しく残しておいた方がいいと考え、このままにしておきます。
 ただし、明らかに似通った発言は割愛しました。

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□発言(1)
「3月20日に発売予定となっていたが、3月14日から連絡が取れなくなった。
 製本されていることは確認した。出版者の名前を削ってなんとかして販売したい。
 出版社に預けたCD−Rや完成した版下用のPDFファイルを返却してほしい」


【回答】
「私物に関しては管財人で判断することになる」

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□発言(2)
「1・2年前から今の経営状態だったとしたら、なぜ我々と契約したのか?」

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ここで、倉庫に在庫として眠っている本は
差し当たり作者に戻ることはないという話が代理弁護人より出てくる。
倉庫業者は債権者の1人として「留置権」を主張しているので、
やはり破産管財人の今後の動きに期待するしかないが、
倉庫の代金を支払う立場の人間がいないので在庫の本は裁断される可能性がある、
あるいは、商品として価値のある本は二束三文で
神田のゾッキ本市場に売りに出されるかもしれない、ということだった。
ゾッキ本市場とは倒産した出版社の書籍が売りに出される市場)

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□発言(3)
「1月27日に契約を行った。そしてそれっきりになっている。これは詐欺だ。


 振り込む額が175万と大きかったので、一度は契約を延期することにした。
 しかし、原稿を読んだ友人がこれはいいほんだからと100万出してくれた。
 そしてようやく契約することができた。
 なのにこういう状態になって、本も出ず、私は友人に100万を返す手立てがない。
 この100万を返してほしい」

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□発言(4)
「3月31日に破産の手続きを行ったということだったが、
 その後も3月3日締め切りのコンテストや出版相談会の告知が
 ホームページ上で行われていたが、これはなんなのか?
 経営状態が悪化していたのならやめるべきではなかったのか?


 ※3日に東京地方裁判所から通知が来たとき、気になって僕も碧天舎のホームページを見た。
  確かにトップページには普通に3月3日締め切りのコンテストが書かれていた。
 「どうなっているのだろう??」と不思議に思った。


【回答】
「4月5日にホームページ製作業者がトップページの差し替えを行った」


□これに関して、発言(5)
「トップページだけでは意味がない。他のページにはこれまで通りアクセスできる」


【回答】
「(代理弁護人である)私はサイトの閉鎖を勧めたが、
 破産管財人である弁護士の方がこのような方法を取られた」


 ※4月8日現在で、他のページへもアクセスできなくなっている。

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□発言(6)
「出した本を他の出版社に引き継げないものだろうか?
 原稿から新たに本を作り直す、あるいは製本された本から碧天舎の名前を削って」


【回答】
「管財人が現在、何社か交渉中である。
 最終的な手段であるが、製本された本のページを写真に撮って
 そこから落として新しくページを組み直していく技術もあると聞いている」

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□発言(7)
「倉庫から自分の本を取り返したい、あなたたち(出版社側)は
 あてにしてないから自分で倉庫と交渉したい」


【回答】
倉庫業者との和解交渉は原則可能で、金額が折り合えば出庫できるのではないか」


 ※しかし代理弁護人はどの倉庫の名前を知らないと言う。
  すかさず「社長なら知ってるだろ!」との声が上がる。
  社長が立ち上がり倉庫業者の名前を言うと、
 「じゃあ連絡先を教えろ!」ということになる。
  知らないとなると、「だったら今すぐ調べろ!」
  最初以外発言のなかった取締役が立ち上がり、携帯片手に外に出る。
  しばらくした後、取締役が戻ってきて倉庫業者の住所と電話番号を読み上げる。
  みな熱心にメモを取る。
  すぐにも若い男性が携帯を握り締めて席を立って外に出て行く。
  さっそくその倉庫業者に連絡をとってみようとしたわけだ。

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□発言(8)
「書店に置いてもらった本はどうなるのか?」


【回答】
「本屋としては返本したいが、取次業者が拒否することになる。
 amazon は独自に倉庫を持っている」

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□発言(9)
「以前、賞金百万円の出版コンテストに応募した。
 1636人もの応募者がいたのに、該当作なしとのことだった。
 これはおかしいと思って私は直接出版社を訪問して社長と面会をした。
 そしたら『共創出版』を勧められた。
 そのとき私は社長に、この会社は潰れないかと聞いた。
 社長はそのとき大丈夫だと言った。


 この1年だけの貸借対照表を見せるのはおかしい。
 少なくとも3年分のをここに持ってきて説明するのが筋ではないか」

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□発言(10)
「先ほど従業員は全て解雇されたので
 どれが誰の原稿なのか分からないと話があったが、
 残務整理は誰もしていないのか?


 あなたのところの元社員には、
 手弁当でも著者の私物を返そうという人が出てこないのか!?」(場内拍手)


□関連して、発言(11)
「普通、進行管理を表で管理していると思うが、これは残っていないのか?」


【回答】
「進行管理表はPCの中にあるが、これは今差し押さえられて
 誰もアクセスできない状態にある。パスワードもわからない。
 従業員には退職前に進捗管理表のステータスを最新にしてはもらっている」

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□発言(12)
「印税の支払われ方がおかしい。契約内容と違う。
 規定通りの月に印税が支払われたのはいいが、
 まだ全部売り切ったわけではないのに
 出版した500部全ての印税が支払われた。これはおかしい」


 ※この人の場合どうなのかわからないけど、
  僕の契約書ではそうなるのが正しくて、
  僕の場合きちんと銀行口座に振り込まれていた。
  出版印税とかいって、実売動向による印税とは別なのだそうな。


 ※なおこの人は「社長はかかる事態に関してどういう対策を取ったのか」
  ということを問いかけたかったようなのだが、
  話が長くて要点がわからない、
 「出せたからいいじゃないか」というムードに押し切られてマイクを奪われた。。

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□発言(13)
ビブロス碧天舎の関係はどうなっているのか?
 先ほど碧天舎は何年も赤字経営だったと聞いたが、
 社員の給与はどのように支払っていたのか?

 
 出版費用を用意できないため出版の時期を先延ばししようとしたら、
 担当の方に早く出しましょうと6月20日の発売日を設定された。
 契約の締結を急ぐように求めている雰囲気が伺えた。
 なお、契約に当たっては、銀行振り込みではなく現金で持ってきてほしいと言われた」


 関連して、発言(14)
「独自に調査したところ、2月3月分については支払われていないと聞いた」

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□発言(15)
「3月20日に発売予定であったが、3月14日に手紙が届いてそこには
 『編集予定の変更を余儀なくされました』とあって、
 担当の編集者とはその後連絡が取れなくなった。
 3月31日に破産したとしても、3月20日の時点ならば倒産していないのだし、
 少なくとも電子書籍のダウンロードはできてしかるべきだ。なぜできないのか。


 もう一冊以前出した本については『増刷の遅れ』の連絡が一通来ただけだった。


 碧天舎はつぶれないのかと、私は再三確認してその都度大丈夫だと言われてきた。
 母は今回出来上がる本を楽しみにしていた。


 不眠が続くなど今回の件で心身ともにダメージを受けた。
 精神的苦痛を与えられたということで裁判を起こすつもりだ」


【回答】
「裁判については、あなたの弁護士と相談してください」
「3月20日ダウンロード開始の電子書籍については、
 3月半ばより実質的に社員が出社していないため作業できなかった」

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□発言(16)
集団訴訟を起こすべきだ!被害者の会を結成すべきだ!!」(場内拍手)



(続く)