ネットとリアルと

研修の課題の一環として、昨日今日と
総務省が出している『情報通信白書』の平成30年度版を読んだ。
「IoT」(Internet of Things)や「AI」(人工知能)は来る、じゃなくて既に来てるんですね。
いろいろと不勉強というか乗り遅れ感を感じる。


「IoT」とはインターネットで人と人がつながるのではなく、モノとモノがつながること。
電気のメーターや冷蔵庫、スニーカー、身の周りのあれこれがネットでつながる。
自動運転なんてのもそうですね。
何百億というデバイスがセンサーで拾った情報をネットにアップロードするので
今とは比べ物にならない量になる。
それに耐えうる高速・大容量のネットワークの仕組みを可能にするのが
2020年にサービス開始される「5G」(第5世代ネットワーク)であったり、
大過ぎて人間が判断している暇のないほど大量のデータ(いわゆる「Big Data」)から
有用な情報を選別するのが「AI」ということになる。


そこではオンラインとオフライン、リアルとネットとがシームレスにつながる。
それは僕らの生活、つまり生産と消費の在り方を大きく変えるだろうということで
第4次産業革命と呼ばれている。


リアルとネット、どちらのデータ量が多いのか。
もしかしたら既にしてネットのデータ量はリアルを超えてしまったのではないか。
AIの知性が人類を超えてしまう日がくるのを「シンギュラリティ」と呼び、
それは2045年とされていたけど、
ネットのデータ量がリアルを超える日がそのスタートなんじゃないかと僕は思っていて、
それは案外近いかもう過ぎ去っていたりして。


リアルよりもネットの方のバーチャルな質量が大きいとなると
ネットの中にリアルがあるということになる。
というか、リアルとネットが逆転する。
ネットの中の方がリアルで存在感の濃い空間ということになる。
リアルがネットを支えるのではなく、ネットがリアルを支える。0と1に還元される。
そこではもはや現実の肉体とかそういうのは邪魔なものになってしまうのかもしれない。
そういうSFってよくありますよね。


どうなるんだろう、悩ましいと思うが、
よくよく考えたら犬や猫はネットとリアルの違いに思い悩むことはなくてリアルしかない。
いや、そうだ、ネットはどこまで行ってもバーチャルであって実体のないものだ。
世界中の電源がオフになってしまえばそれは消えてしまう。
儚いものなのだ。