「21g」

この日休むことにしたので4連休。その2日目。
ぴあを見たら池袋の新文芸座にて「21g」をやっていることがわかり、見に行く。
渋谷の Bunkamura に行くたびに「東京にいてよかったなあ」と思うが
新文芸座のような場所に行ってもまた、そう思う。
最近の話題作を2本立てで上映している。
今週は「21g」と「ロスト・イン・トランスレーション
来週は「スクール・オブ・ロック」と「ブラザーフッド
再来週は「デイ・アフター・トゥモロー」と「トロイ」
見逃した作品があったらここで見れるかもしれないので便利だ。
入ってるビルがソープやヘルスの立ち並ぶ通りなのでかなりなんですが。
それでも若い女性やお年寄りが結構入ってた。


2本立てなんて珍しいなあ。
僕の小さい頃青森では2本立てだったが普通だった。
だいたいは似た傾向の作品が組み合わさっていたが、覚えているところでは
黒沢明の「夢」とケビン・コスナー出世作フィールド・オブ・ドリームス」とか
ブロブ」という超B級作(未知の生物が地球を襲撃するやつ)と
爆風スランプ主演の「バトル・ヒーター」とか。
今では青森でも2本立てはやってない。各回入替制になってる。
映画料金一般1800円って、2本立てならちょうどいい額だけど、
1本だけでこの値段ならやっぱ高いよな。

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「21g」は「アモーレス・ペロス」のアレハンドロ・イニャリトゥ監督の最新作。
ショーン・ペン、ベネチオ・デル・トロ、ナオミ・ワッツの3人が主演。
ポスターではこの3人がデカデカと大きく扱われていた。
もうその通りでこの映画は3人の演技を見るためだけの映画と言ってもいい。
ショーン・ペン、ベネチオ・デル・トロは今一番脂の乗り切った2大俳優であり、
この2人の静かなバトルを見てるだけでおなかいっぱいになる。
そこにナオミ・ワッツも割って入り、2人に負けないだけの存在感を放つ。
過去と現在がめまぐるしく行き来する筋書きは途中からどうでもよくなる。
正直、この3人の鬼気迫る演技力に筋書きが負けていたように思う。


ショーン・ペンは「ミスティック・リバー」の方がいいし、
ベネチオ・デル・トロは「トラフィック」の方が断然いい。
作品もしくは監督とがっちり対峙して、
その作品を大きく羽ばたかせるための原動力になっていた。
「21g」は役者同士のバトルで終わってしまっている。
つまり、作品が役者を存分に活かしきれていない。もったいないもんだ。
でも才能やセンスや経験のない監督がこの3人で映画を撮ろうとしたら
惨憺たるものになっちゃうんだろうから
1つの作品として「おさまりのいい」ものに仕上げたってことで
この監督の力量はそれなりにあるってことなのだろう。


編集のスティーブン・ミリオンはソダーバーグ監督と組んでいた人で、
トラフィック」や「オーシャンズ11」も手がけた人。
後でプログラムを見てこのことを知って、なるほどね、と思った。
なおさら「トラフィック」の方がいい。


結局のところ「21g」は
「よくできてるんだけどなあ・・・」という感じのほどよい佳作。


ベネチオ・デル・トロ、ショーン・ペンの出てる最新作なら今何だって見たい気分。
男ならどちらかには惚れるはずだ。

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せっかく池袋に来たのでラーメンを食べようと「無敵家」に入る。
いつ来ても行列ができている。
4時ごろ行ったら並ばず入れた。


池袋なら「光麺」かなあ。
山頭火」も「ばんから」も入ったけど。
総じて研究しすぎ。
どこで食べてもサイボーグっぽい雰囲気がどこかしらある。