これからのこと

朝早くフロアに到着する。
雨が降っているせいか、薄暗い。
今週一週間は雨だと天気予報では言っていた。
いつのまにか夏は終わっている。


4連休の間ずっと、「これからのこと」を考えていた。
このまま今の会社にいても自分にとってプラスになることなんてないよな、と思う。
これまではそれでも金のことを思うと辞める気にはならなかったが、
今後はいろんなことが厳しくなっていく。
仕事の内容であるとか、そもそもの会社の制度であるとか。
いいこと何もない。


このままここにいても小説は書けない。
書く時間も奪われるようになる。
ここはひとまず思い切ってフリーターで1年か2年、試してみた方がいいのではないか?
それでダメなら後はその先考える。
結局のところ小説家になれなかったとしたら、どういう状況にあろうとその人生は全て失敗だ。
そしてこのままだと確実に失敗へと突き進む。


30を前にして決断の時期だ。
自分を追い込まなければ。


フロアは今ものすごく静かだ。
ほとんど人がいない。
空は少しずつ明るくなっていく。


眠くなってくる。
このままずっと眠っていられればいいのに、と思う。
目が覚めたとき、何もかもが夢だったということになればいいのに。


どうしようかと思い悩んでいる時に母親から電話がかかってくる。
「仕事つらかったら辞めれば」と言う。
そこで吹っ切れる。


どうにかなるよな。