「広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由 フェルミのパラドックス」

2番目の計算には元ネタがある。


先日、
「広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由 フェルミパラドックス
という本を見つけて読んだ。
ものすごく面白かった。
どういう本かは明日また書くとしてとして、1つだけ前もってエピソードを紹介しておきたい。


エンリコ・フェルミは今世紀初めローマに生まれた物理学者であり、
第2次大戦の時期にマンハッタン計画にて重要な役割を果たした。


以下、長くなるけど引用する。

                                                                                                                  1. +

フェルミの同業者たちは、物理学の問題についてその核心をまっすぐ見通し、
それを簡単な言葉で述べるフェルミの恐ろしいほどの能力を讃えていた。
みんなフェルミのことを法王と呼んでいた。
間違うことがないように見えたからだ。
それと同様に印象的だったのが、答えの大きさを推定する方法だった。
フェルミはこの能力を学生にも教え込もうとした。(中略)
世界中の海岸にある砂粒の数はいくらかとか、
カラスは止まらないでどのくらいの距離飛べるかとか、
ジュリアス・シーザーが最後に吐いた息の中にある原子のうち
何個を呼吸していることになるかとかの問題である。(中略)


フェルミ推定の典型とも言うべきものは、アメリカの学生に聞いた、
「シカゴにはピアノの調律師が何人いるか」という問題だった。
お定まりの当てずっぽうではなく、こんな推論をして、そこそこの推定値を出すことができる。
仮定1:シカゴの人口を三百万人としよう。
仮定2:ピアノを所有するのは世帯であって個人ではないとし、
    学校やオーケストラなどの団体に所属するピアノは無視しよう。
仮定3:普通、一世帯には五人いるとすれば、シカゴには六十万世帯あると推定できる。
    全世帯がピアノを所有しているわけではないことはわかっている。そこで、
仮定4:二十世帯に一世帯がピアノを所有しているとしてみよう。
    こうするとシカゴには三万台のピアノがあることになる。
    そこで問題となる。三万台のピアノは一年にのべ何回の調律を必要とするだろう。そこで、
仮定5:普通、ピアノは一年に1度調律を必要とすると仮定しよう
    −−−したがってシカゴでは毎年、ピアノの調律は三万回行われていることになる。
仮定6:ピアノ調律師は一日に二台の調律ができて、年に二百日働くとする。
    したがって、一人の調律師が調律するのは一年に四百台である。


必要な調律回数を満たすためには、
シカゴには 30,000/400 = 75人のピアノ調律師が必要ということになる。
(後略)

                                                                                                                  1. +


なるほど、という気持ちにもなり、
だまされてる?という気持ちにもなり。