The Clash 「London Calling」

The Clash の名盤「London Calling」が「25th Anniversary Edition」ということで
CD2枚組+DVDという豪華版で再発される。
もちろん買う。そんで今日、聞いた。見た。


クラッシュと言えば誰がなんと言おうと1枚目だろう、
一番いい曲はその1曲目の「Janie Jones」だろう、
いまだにそんな価値観のままでいた僕ですら
「ああ、これってとんでもない名盤だったのだな」と猛省を促された。
最初聞いた高校1年生のとき、
音楽的には雑多だけど耳に残る曲が少なく、ピンと来なかった。
(今聞くとほんとありえない↑)


なんか感動的なんだよなー。聞いてると。
演奏がうまいわけではなく、まあそれなりのものでしかないんだけど、
地に足の着いた前向きさ加減が随所で感じられて。
恥ずかしさを一切感じさせない、等身大のポジティブさ。
素直にかっこいい。
どうしてこの良さが10代のときには分からなかったんだろう。
(1枚目のような闇雲な怒り、激情に貫かれてないからってだけで敬遠してた?)


今日のDVDにて実は初めて動くクラッシュを見た。
「London Calling」録音時のスタジオで撮影された年代ものの白黒のビデオと、
メンバー4人や関係者が当時を振り返るインタビューで構成されている。
(編集は Big Audio Dynamyte のメンバーだった、ドン・レッツ)
今は亡きジョー・ストラマーが話しているのを見てるとそれだけでもう感慨深いんだけど
なんと言っても見所は白黒ビデオの方。
プロデューサーであるガイ・スティーブンスがひたすら暴れてる。
クラッシュのメンバーによる演奏シーンが記憶に残らなくなるぐらいすごい。
梯子や椅子を叩き壊そうとしたり、演奏に合わせてデタラメに踊ったり。
(↑それでいてしっかりとそんな自分の姿を「撮れ」と冷静に指示している)
よくもまあこんなものを記録として残していたもんだ。
ほんとわがままし放題で演奏の邪魔しかしてなさそうなんだけど、
たぶんなんかすごいサムシングをもたらした人なんだろうな。
この映像を見ても解説を読んでもガイ・スティーブンスってどうもただのアル中のオヤジ。
でも彼でなければ今ある形の「London Calling」が生まれなかったのだから、
世の中不思議なもんである。

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今思い出したのだが、クラッシュに入れ込んでいた高校時代
僕は Joe Strummer の1枚目か2枚目のソロ
「Earthquake Weather」のCDを日本盤で持っていたのだが、
ちっともよさがわからなくて二束三文で売ってしまった。
ダラダラした演奏と起伏にかけるメロディー。
はっきり言って覇気のないヴォーカル。
「London's Burning !!」と叫んでた人と同一人物とは
到底思えないぐらいのレイドバックぶり。


あれって今聞くとちょうどいいのかもしれない。
でももう2度と手に入んないのかもなー。
残念だ。とっても残念だ。
ジャケットだけはかっこよかったのにな。


同じく、ポール・シムノンのバンド「Havana 3am」も売ってしまっている。