忙しいのよ(1)

今週が忙しさのピークなのではといつだったか書いたが、実際そうなった。
殺人的。死ぬ。死にます。死なせてください。死んでいいですか。死んだら化けて出ます。
いろんな調整ごとやテストを一気に片付けようとしている。
「やれ」と言われたから「やります」とは答えたものの、無謀だった。
あちこちから電話かかってきてあちこちに電話かけて
トラブルが起こるとあちこちに泣きついて侘びのメールを書いて。


火曜の夜は24時までセンターで作業、水曜の朝もセンターで作業だったためホテルを取った。
終電逃してタクシーで帰って早起きしてまたセンターに戻るのもあほらしい。
その分往復の2時間眠っていたい。同じだけの料金がかかるのなら。
それに、仕事で忙しいだけの毎日が際限なく続きかけていて、
なにかしらのアクセントをつけないことにはとてもじゃないけどやっていけない。


そんなわけでビジネスホテルの予約を取って泊まった。
気が付いたら1時まで仕事していて、寝たのは2時だった。8時まで寝てセンターに戻る。
部屋の中はものすごく侘しいつくりで、ものの見事に暗い気持ちになった。
ホテルに泊まるというだけでそれなりにワクワクするものだが、打ち消されてしまうぐらいに。
疲れてもいたし。


夜中の1時にセンターからホテルまでトボトボと歩く。
重い荷物を両手に持って。
オフィスの行き先を書く掲示板にはしばらくセンターに「こもる」と書置きを残し、
作業やテストで使いそうな資料のファイル全部持ってきている。
川が流れていて、橋を渡る。
川面には町の明かりがキラキラと反射している。
なんだか、吸い込まれそうになる。
立ち止まって揺れている白い光を眺める。


真夜中、風呂に入ってベッドに潜り込んで寝た。
別の階には自販機のコーナーがあって、カップラーメンが売られていた。
見本の容器が色あせかけていた。
テレビにくっついた機械に差し込んでアダルトビデオを見るためのカードも売られていた。
部屋に戻るとこの週のこの日のこの時間帯はこれを流していますという表があった。
裸の女の子たちがにこやかに笑っていた。
ああ、僕はいつのまにかこういう女優たちよりもはるかに年上になってしまったのだ。
そんなこと思いながら、目を閉じて寝た。