忙しいのよ(11)

昨日、東京に雪が降った。
灰色の真っ暗な空から零れ落ちてくる大きな綿雪。
強い風にあおられてその一粒一粒が現れては消えていく。


午前中から降り始めて、夕方頃まで雪が降り続いた。

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同じく昨日の話。
プロジェクトはいよいよ佳境に入り、収拾がつかなくなってくる。
情報が入り乱れ、人の流れが錯綜するようになる。


会社の近くのホテルを年末年始押さえましたというメールがプロジェクト管理側より報知される。
「今日から誰でも利用できます」とある。
「ああ、だったら今昼寝に使いたいなあ」と関心を示すと
じゃあいつ誰がどの部屋に泊まるのか日々の取りまとめ役に任命されてしまう。とんだやぶ蛇。
終電で帰れないわけでもないんだけど、
取りまとめ役の特権で最初の1日目、部屋が空いてそうだったので泊まることにする。
ビジネスホテルではなく1泊1万円以上するような割と高級なホテル。
20階ぐらいの高さがあって、最上階には高級なレストランがあるような。
誰も泊まらないのはもったいない。


23時ごろチェックイン。
オーシャンビューの大浴場があったのに利用は22時まで。惜しいことをした。
シャワーを浴びた後、会社の納会でくすねてきた缶チューハイを飲みながら
チャールズ・ブコウスキーの晩年のエッセイを読む。
71歳となっても競馬場に通い、若い頃ほどではないにせよ酒浸りな毎日。
嫌でも日々出会うことになる、この世間をべったりと覆うくだらなさへの悪態。
・・・ブコウスキーならではで面白いんだけど、今この時間に読むものでもないなと思う。
テレビをつけてみる。
クイズ番組を1問見た後でBSのCNNへ。スマトラ島沖の地震の映像。
その後チャンネルを切り替えていたら「冬のソナタ」にぶつかった。
ヨン様と女の人が絶えず愛を語り合っているのだから「冬ソナ」に違いない。
初めて見た。
総集編だったようで、何の脈絡もなくあらゆる場所で2人の決めのセリフだけが延々と続く。
これが総集編じゃなくていつもこんな感じなのだとしたら怖いな。
ドラマとしての起承転結が一切なくてラブシーンの連続。


寝る。起きる。
せっかく会社の近くで寝たというのに、データセンターへと向かう。
東西線に乗ると30日とは思えないほどの混雑。茅場町でどっと人が降りる。
30日まで仕事する人たちの働いてる会社の多くが
大手町、日本橋茅場町に集まってんじゃないかって思う。


今日は簡単なテストと資料作成のためのデータ集めだけの予定でデータセンターに入り、
午前中はのんびりとした気分で過ごしていたものの、
午後のテストで見たことも聞いたこともないエラーにぶち当たって
たった1人しかいない場所で焦りまくる。
年末年始の休みに入っているのに開発者を呼び出せるのか、
呼び出せたらどういう対応を頼むべきか。
結局は開発したアプリケーションではなくて
データベースのパッチ当ての問題だとわかったものの
判明するまでの間気が気じゃなかった。
カットオーバまであと10日もない。


夕方会社に戻ると思いっきり修羅場。