深夜、デニーズ

昨日の夜、日付が変わって今日となるわけであるが
上司がふらりとデータセンターにいる僕のところを訪れる。
トラブルに見舞われ続けている僕の状況を伺いにきたというわけだ。
泣き言を言ったり慌てふためいたり自嘲したり、
そんなメールばかりPJ関係者に送っているのでやばいと思われたのかもしれない。


「おまえメシ食ったか?」ということになって
居合わせた先輩と3人で深夜、近くのデニーズに入る。
上司のおごりで鍋焼きうどんを食べる。
世間話をする。
トラブルの影響度というかお客さんがどれだけ怒ってるか聞いてみる。
昨日はもうそればかり気になっていた。
どんなふうに詫びるべきなのか。


真夜中のファミレス、喫煙席。
向こうのテーブルにはヤンママ10年後みたいなおばさん連中が
携帯を見ながらけたたましく話していた。
子供が寝た後に集まってきているのだろう。
おかしな格好をしている。サラリーマンの僕からしてみればおかしな格好をしている。
ヤンキー時代の趣味から抜け出てないようなダラッとしたジャージ。
金色に光るネックレス。
煙草をひっきりなしに吸ってブクブクと太っている。
明らかに僕の住む世界とは違っていて、
僕のとは全然リンクすることのない生活がそこでは営まれているのだということ。
そのことについて思い巡らす。
旦那の職業はなんでどれだけの収入があるのだろう。
どんな家に住んでいるのだろう。


深夜のファミレスで食事している人たちのほとんどが
それが1人だろうと2人だろうとグループだろうと
みんな訳ありに思えるのはなぜなのだろう?
僕が普段全く利用することがないからそう思えるのか。
でも昔からそんなふうに感じていた。
「深夜のファミレス」という独特の雰囲気。独特の空気。
客が訳ありなら、バイトで働いている店員たちもまた奇妙な存在だ。
彼ら/彼女たちの目には何が映っていて、何を思うのだろう。
そのうち何も思わなくなるのか。
中途半端に夜を生きている人たち。


デニーズを出てデータセンターに戻る。
夜中の作業をする。
終わってホテルに戻る。
寝る。起きる。仕事の続きをする。
僕は今日1人きりなのでデニーズには行かない。