丸の内オアゾ / コレド日本橋

3連休初日。
(プロジェクトはいまだに大変な状態が続いているのだが、
 誰も僕に出社しろと要求しないので「じゃあええか」と休むことにする)


叔父と会って飲むことになっている。
約束の時間は午後3時で、これまで同様待ち合わせの場所は東京駅丸の内北口
「あー、だったら」と早めに出て丸の内オアゾに行ってみることにする。
これまで行ったことがない。ついでにコレド日本橋も見てみたい。

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会社の後輩から誕生日のプレゼントにもらった
タイのインスタントラーメンを茹でて食べる。
嫁さんがタイに旅行したときのお土産だという。
ビーフンをきし麺にしたような半透明で平べったい麺が入っている。
乾燥しているため固くてプラスチックのなんかの部品のようだ。
粉末スープと液体のスープが入っている。
袋には「即席河粉」「牛肉河粉」と書かれていて、
恐らくタイ風のヌードルのことを「河粉」と言うのではないか。
で、僕がもらったのは牛肉味。
400cc の沸騰したお湯を注いで待つこと3分。
意外と(と言ったら失礼か)おいしい。

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丸の内線に乗って東京駅へ。
国書刊行会から出版が開始されたスタニスワフ・レムのシリーズのうち、
エッセイ集を読み始める。(シリーズにはかの有名な「ソラリス」も含まれる)
前半1/3部分は自伝的文章で後半2/3は書評や評論を集めたもの。
ボルヘスストルガツキー兄弟ドストエフスキー、ディックなど。
幼少時代の思い出を綴ったページを少しずつ読み進めていく。
1920年代のポーランドという普段なじみのない地域・時代のことが描かれていて興味深い。


東京駅に到着。出口がよくわかってなくて丸ビルに出てしまう。
地上を歩いて地下街に入って、また地上に出てとややこしい経路を経て
ようやくオアゾに到着する。さらにまた地下に戻る。
迷った割にオアゾは丸ビルのすぐ近くで「あれれれ?」と不思議に思う。


吹き抜けを利用した広々とした空間の中にショップ&レストラン、そして丸善
さっそく丸善の中に入っていく。
オアゾ全体が白っぽいデザインで、丸善の中も白っぽいイメージで統一されている。
オアゾの中に調和して溶け込んでるんだけど、多少無理してるような感じがしなくも無い。
「えー?これが丸善?」と思いたくなるような21世紀的モダンさ。
丸善は野暮ったい本屋だった」と言うことではない。(でもまあ確かに固くはあった)
今から7年近く前、入社当時のオフィスが日本橋にあって、丸善はすぐ向かいにあった。
会社をサボってよく高島屋の屋上か丸善で時間をつぶしていた。
あの頃の丸善は土地柄かビジネス書ばかりで小説の類は少なかった。
4階に行けば洋書のコーナーがあって、芸術系もそれなりに置かれてたんだけど
そこに行く途中の3階は紳士服やゴルフ用品を扱っていて、なんだか不思議な本屋だった。
さらに上の階には洋食屋があって、ハヤシライスで有名だったことを
オアゾに移るってことでいったん営業を終了した後になって知った。
もったいないことをした。1度ぐらい食べときたかった。
オアゾにもあるのだろうか?
初代の丸善の経営者がハヤシライス生みの親らしいんだけど。


なんにしても梶井基次郎が「檸檬」で書いたようなハイカラな「日本橋丸善」は
僕が会社に勤めだした頃の丸善には影も形も無くなっていて、
オアゾに至っては、もう、という感じ。
洗練されたきれいな本屋になったが、「うーむこれでいいのだろうか」と思わなくもない。
でも大きな本屋ができるというのはいいことだ。とてもいいことだ。
とはいえ丸善のためだけに丸の内オアゾに来ることはなさそう。
僕なら八重洲ブックセンターの方を選ぶ。
ごちゃっとしていて一時代前の大きな本屋なんだけどあの雰囲気は割と心地いい。


それにしても「オアゾ」ってどういう意味なんだ?

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コレド日本橋に行ってみる。
コレドは確か「CORE」+「EDO」の造語だというのをどこかで読んだことがある。
最近のああいう都市型複合施設はどうしてその名前に
語感だけで決めたような摩訶不思議なカタカナをつけたがるのだろう?


こっちはファッションと雑貨ばかりで、僕としてはあんまり用無し。
「GARAGE」という雑貨屋があって、この店はよかった。
多種多様な様々な雑貨(スツール・駄菓子・ピンボール・手品用品 etc.)が置いてあって
洗練された Village Vanguard ってとこか。これはいいかも。
宇宙旅行をテーマにしたスペースがあって、宇宙食が売られていた。
きな粉もち、アイス、エビグラタンなど。
オリエンタルカレーのレトルトがあったので「おー。これは食べてみなきゃ」と買うことにした。
パッケージからして昭和30年代そのままのを復刻したもの。
上の階には「Serendipity」というコレド特別仕様のソニープラザがあった。
高級化したソニプラなのだが、客の入りはそんなになくて
「儲かってるのだろうか」「やってけてるのだろうか」と他人事ながら心配してしまう。
コレド自体、人が入ってる感じがしなかったし。
立地条件がよくないのかな。
日本橋高島屋三越の間にあってどっちとも集客力ありそうだけど、客層が全然違いそう。
オアゾからコレドへ向かう途中、永代通りを歩いていたら人通りが全く無かった。
休日のビジネス街だから仕方ないとはいえ、
この辺が閑散としているうちは土日にコレドが人がわんさか入るってことはないのではないか。
Serendipity」のフードコーナーは
「ああこれ食べてみたい」「これも食べてみたい」というものばかりだった。
チリソースを思わず買いそうになった。
バレンタインデーが近いのでチョコレートのコーナーに女性客が群がっていた。
活気があったのはここぐらいか。

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昔働いていたオフィスの入っているビルまで行ってみる。
もちろん今は別な会社が入っている。
僕がいたフロアには明かりがついている。休日出勤で仕事しているようだ。
そういえばここの地下にドトールが入っていたよなあと入って一休みする。

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東京駅の地下街をブラブラと歩き、
(顧客から電話がかかってくる)
名古屋から来ましたって感じの味噌煮込みうどんの専門店を見つけて入ってみたくなる。
いつか行ってみよう。


八重洲ブックセンターにも足を伸ばす。

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時間が来て、叔父に会う。
東京駅地下街の店にてすき焼きを食べる。
1人前5000円近くするのを2人で3人前食べる。
熱く熱した鍋に牛脂で霜降り肉を焼き、甘辛いタレをジュワッとかける。
生卵をつけて食べる。


酒屋で見つけたからと「田酒」の「山廃仕込み」を一瓶もらう。
こんなのもらっていいのだろうか。
1人で飲むにはもったいない。いつ誰とどんなときに飲もう?


叔父と取りとめの無い話をする。
本のこと、仕事のこと、青森のこと、羽田空港のことなどなど。
(ピーク時には1時間に79本も飛び立つらしい。
 滑走路が2つあって1分に1機のペース。
 1機飛び立った後は滑走路に乱気流が残っているため
 必ず1分以上間隔をあけなくてはならないのだそうだ)

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食べ終わってジョッキで5杯ずつ飲んでもまだ16時半。
もう一軒行こうということになって叔父が今仕事の関係で利用しているという品川駅へ。
品川駅の外ではなく構内に焼酎をたくさん置いてある居酒屋があってそこに入る。
店内は広く、土曜の17時という時間なのに大勢の客でいっぱい。
確かに焼酎が充実している。
何がいいと聞かれて、「百年の孤独」を見つけたのでそれにする。
元(現?)文学青年としてはほっとけない名前なので
店で見つけたときは必ずこれを頼んでしまう。
ガルシア・マルケスの名作。20世紀を代表する文学作品。
マジック・リアリズムで書かれた、コロンビアの小さな村を舞台にした一族の壮大な年代記


JRの駅の中にこういう店ができるとは。
時代は変わった(進んだ?)ものである。