パリを占領軍から解放した連合軍によって考案された

給料日。預金口座を見て驚く。ありえない額の入金。
1月の残業代200時間分がまるまるもらえるとこういうことになるのか。
3週間分のホテル代10万円分を立て替えてて
それも含まれてるってのもあるんだけど、
ついに給料が冬のボーナスを超えた。
怒涛の時期が過ぎ去った今、
「これなら残業地獄も悪くないな」なんて思ってしまう。


昼、後輩の女の子2人と近くのホテルの21階にてランチ。
レストランは夜ならフォーマルな服装でないと入れないような格調高さ。
ジーパンに首から社員証ぶら下げて小汚い格好をした僕らは
「オラオラ金持ってんだぞ」って気分で入っていく。
とはいってもたかだか1500円のランチですが。
いやー、いくら給料をたくさんもらったからとは言って夜は来れないな。。。


メニューを見るとどれもやたら名前が長い。
材料を何風にしたのかの説明で長いのではなく、
イメージを重要視したがゆえに長くなるのもいたし方あるまいというような長さ。
僕が頼んだのは確か
「パリを占領軍から解放した連合軍によって考案されたハンバーグステーキ」とかいうもの。
「フランスの人たちもハンバーグを食べるのかあ」と素朴な驚きを覚える。
真空調理法という耳慣れぬ調理法が使われているようで、ここまで来ると
高級なホテルの最上階のレストランにしてはなんだかちょっといかがわしい。
出てきたのはおいしいけどいたって普通のハンバーグだった。
真空調理法ってのがなんなのかはわからないけど
挽肉やその他の食材をさらにミキサーにかけて
ものすごく細かくして混ぜ合わせるような何かなんだろうな。
ファミレスで食べるハンバーグって今思うとものすごく粒子が粗い。
後でレシートを見たらただ単に
「ハンバーグステーキ」としか書かれてなくてがっかりした。


昼だというのにワインを飲んで、21階の眺めはよく。
少しばかりリッチな気分に浸ったところで仕事に戻る。
2月に入ってからはトラブルの発生がだいぶ落ち着いて
先週・先々週と割とのんびりした気持ちで過ごしていたのに
今週はなぜか1日1個のペースでトラブルが発生してその対応でおおわらわ。
本来ならば今日は休みを取るはずだったのにそれどころじゃなくなった。
昨日帰ったのが中央線の終電近くで
今日は終電はとっくに通り越して会社を出たのは午前3時半。


昼間雨が降っていたが、夜は雪になっていた。
タクシーを捕まえる。
真夜中の麻布十番、六本木、青山一丁目と洗練された街並みを
タクシーは静かに走り抜ける。
新宿に出て青梅街道を西に進む。
南阿佐ヶ谷を過ぎて天沼陸橋を降りたところでタクシーを止める。
完全な吹雪。
青森の乾いた重たい雪が風に吹かれて宙を待っているのではなく、
東京の半ば雨のような水気の多い雪。
黙々と家路を急ぐ。