アニメの主題歌、というかアニメそのものへの興味がたぶん小学校5年生ぐらいに無くなる。
この頃「ベストテン」や「トップテン」といった番組を見始める。
こういうのって鶏が先か卵が先かという話に近い。
アニメに興味が無くなったから見始めたのか、
それとも歌番組に興味を持ち始めてアニメから卒業したのか。
見始めたきっかけはご多分に漏れず、クラスで話題になり始めたため。
今の小学生たちにとってはどうなのかわからないけど
歌番組を見るのが一般的になって、話題として大きな位置を示し始めるっていうのは
1つの境界線を超える行為だったように思う。
純朴な子供から、思春期への入口というか。
誰それが誰それのことを好きになってどうこうという1番の話題に双璧を為すものとして
歌や歌手、特にアイドル的な歌手・グループの話題があったように思う。
表裏一体。分析してみれば絡み合うものがあるはず。
(それはまた別途)
「トップテン」は日本テレビで月曜の午後8時から、
「ベストテン」はTBSで木曜の午後9時から。
「トップテン」は放送時間帯にリアルタイムに見ていて、「ベストテン」は見ていなかった。
たぶん9時にはベッドに入る健全な子供だったからだと思う。
(とにかく夜更かしさせない方針の家だったので今でも深夜は弱い)
中学校に入るか入らないかの頃にようやく我が家でもビデオを買ってからは
89年の放送終了まで欠かさず、録画した「ベストテン」を毎週見た。
確か「ベストテン」が終わった直後になぜか
「トップテン」の方も引き摺られるようにして放送終了したんだよな。
これはこれで1つの時代の終わりを表わしていたように思う。
この手のランキング形式の番組は例えば「カウントダウンTV」に引き継がれていったわけだけど
やはり何かが大きく違うと思う。
なんというかバブリーな盛り上げ方というか。やらせでもなんでもありの。
毎週が一種の祭りだったように今となっては感じられる。
受け取る側もそりゃ大変なもので、
今週の1位は○○だろうか、それとも××だろうかと結構ハラハラさせられていた。
4週連続1位とか5週連続1位の曲が出てくると「うわーすごいなー」と素直に感動していた。
そう言えばどちらの番組もランキングってのは実は厳密なものではなくて、
レコードの売上枚数や番組に寄せられたハガキの数や有線でのリクエストが元にはなっているものの
割と恣意的なものだったと解説されているのをつい2・3年前にどこかで読んで、
「そうだったのか・・・」とほろ苦い思いをしたことを覚えている。
一喜一憂していた僕ってなんだったのだろう。
小泉今日子の曲が1位に返り咲いて「すげー」と思ったとか、
光GENJIがそれまでほとんどなかった初登場1位を成し遂げたとか。
そんなわけで僕も歌番組を見始めたわけなのだが、
1番最初にはまったのは恥ずかしながら「C-C-B」
最初に買ったレコードというかカセットテープは「C-C-B」のアルバムで
「Romanticが止まらない」と「スクールガール」が入っているやつ。タイトルは「すてきなビート」
クリーム色がバックのジャケットでメンバー5人がなぜか組み体操をしているというもの。
ただ単純にきっかけは「ベストテン」を見始めたその日に
「Romanticが止まらない」が出てきたというだけのことなのだと思う。
卵から孵ったばかりのヒヨコが目の前に合ったものを親だと信じ込んでしまう
「刷り込み」のようなものか。
そこから先は寝ても冷めても「C-C-B」だったねえ。
「C-C-B」の新曲が何位になるかってのは一大事だった。
親戚に会った時にお小遣いやお年玉をもらったりすると即行で C-C-B のカセットテープを買いに行ってた。
(そんで親からも親戚からも呆れられていた)
写真集を買ったりもしたなあ。で、学校に持っていて女の子たちに見せて。
「Lucky Chanceをもう一度」「空想Kiss」とか
歌謡曲としてはなかなかよかったと思う。
ブレイクする前にロート製薬かどこかの目薬かなんかのコマーシャルで使われた「瞳少女」もいい。
「僕たち NO-NO-NO」って今聞いてもいいアルバムなのではないかと僕は思っていて、
「ジェラシー」という曲はシングルになってないけど名曲だと思う。
C-C-Bのラジオを当時聞いていたらファン投票で並み居るシングル曲を差し置いて1位になっていた。
「トップテン」に登場するたびに毎回その演奏をラジカセで録音していた。
こういう番組では口パクで実際には演奏してないどころか
歌ってもいないのが常識ということは露知らず・・・。
中学校に入った時にそのテープを友人に聞かれてしまって思いっきり笑われてしまった。
正月に親戚が集まっているときにテレビを見ていて、
C-C-B が出る番組があるとわかると泣いたり拗ねたりまでしてチャンネルを変えてもらった。
思い出したくないというか、思い出されたくない過去だ。
-
- -
C-C-B 以外に当時を振り返って思い出すとなるとやっぱチェッカーズかな。
世を挙げて空前のチェッカーズ・ブームだった。
出すシングルは全て1位になって、主演映画が作られて。
1つ上の従姉妹が非常にはまっていた影響で
僕もそのアルバムを何枚かテープに落としてもらって聞いた。
親戚の家に行くともうそればかりかかっていた。
僕らの世代の人なら誰だってあの当時の曲はそらで歌えるはず。
この間もカラオケで「ジュリアに傷心」が大合唱になった。
後は中森明菜かなあ。
「飾りじゃないのよな涙は」「ミ・アモーレ」「Desire」とヒット曲を連発していた頃は
それこそ「歌姫」の称号にふさわしく、
それがその後ああいう、なんつうか有為転変を迎えるとは。
小学生の頃の僕には予想もつかなかった。
今の若い人には想像もつかないだろうな。絶頂期の中森明菜の凄さっていうのは。
-
- -
今、amazon で調べてみたら今から10年前にボーナストラック追加で再発されたCDが
中古でプレミアがついていて、
「すてきなビート」¥5,478
「僕たちNO-NO-NO」¥6,138
となっていた!
それにしても、ベストテンやトップテンではチェッカーズや中森明菜の陰に隠れていて
「あんまり売れてない」という印象を当時は持っていたけど、
あれだけ売れれば十分立派だよな。今思えば。