ムルギーでカレー

3連休の2日目。
昨日は丸の内線の終電を逃すほどがっつり仕事をしていた。さすがに今日は休む。
渋谷の HMV に行ったついでに、前から気になっていたカレー屋「ムルギー」に行ってみる。
カレーの会でゴールデンウィークに下北沢の「マジック・スパイス」で食べたときにカレーの話をしていたら
僕以外のみんなが「ムルギー」で食べたことがあることが分かり、
「君はカレーの会を主宰しておきながらムルギーに行ったことがないのか!?」と説教をくらった。
店のおばさんもかなりの年だからいつ店じまいするかわからない、早めに行った方がいいと言われる。


店は百軒店の通りにある。
ここはいつ来てもなんとなく不思議な場所だ。
キャバクラ、ヘルス、アダルトグッズの店やいかがわしいパブと並んですし屋やトンカツ屋がある。
おしゃれな感じのバーもある。
昼間の時間に来ると閑散としていて、街全体が夜に備えて眠っているかのようだ。
その一角に古めかしいレンガ造りっぽい建物があり、「ムルギー」と書かれている。
最初見たとき、会員制のパブのようなものかと思ってしまった。
「・・・これだよな?」入ろうかどうしようか迷う。
メニューの張り出しを見て「あ、やっぱりここなんだ」と意を決して入ってみる。


内装は昭和の時代の喫茶店のよう。
どこの国ともいつの時代とも「今となっては思い出せない」音楽が流れていた。
(ある種のムード音楽だったように思う)
中では時間が止まっていた。
カレーのメニューは玉子入りか無しを選ぶだけ。
その他にあるのは、サラダ、サッテ(焼いたチキン)、ハヤシライスといくつかのドリンクとアイスだけ。
通っぽく「玉子入り」とだけ言うとすぐにもカレーが運ばれてきた。
ご飯は山盛り。本当に、山。
東京カリ〜番長の「神様カレー」というガイドブックの「ムルギー」の項を参照すると、
先代の店長が山好きで、ご飯をエレベストに見立てているのだという。
ルーはこげ茶色。野菜は完全に溶け切っていて、柔らかくほぐれたチキンがごろっと転がっている。
一口食べてみる。「ほー」と思う。
確かにこれはうまいです。
輪切りのゆで卵、ライス、カレーのコンビネーションがここにしかない味。極めてる。
皿の端にちょこんとチャツネが乗っかっていて、ご飯に乗せながら食べると甘くておいしい。
山を掘り崩しつつあっという間に食べきった。


でも、これ、どこにカテゴライズされるべきカレーなのだろう?
店を出て百軒店を歩きながら考えた。
インド風でもなく、欧風でもなく。その中間のようでいて、うーん、なんなんだろう。
ルーもスープのように薄くはなく、かといってねっとりとしているのでもなく。
何よりも、カレーそのものの辛さの向こうにあるコク。芳醇な味わい。
ムルギーのカレー」としか言いようがない。
お薦めです。

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道玄坂に入った途端、通りはウジャウジャと人ばかり。
肌もあらわな女性たちでムンムンとしている。
ハチ公口からセンター街までが世界的レベルで得体の知れない若者の街「渋谷」の表の顔だとしたら、
その側で口をぽっかりと開けている百軒店は裏の顔か。
僕にとって渋谷という街はいつも上っ面を通り過ぎるだけなのでよくわからないことばかりだ。
いつまでたってもディープな部分に踏み込めない。
風俗街?その手の店がたくさんあるんだけど、そのように呼ぶことがためらわれる何かがある。
ここでしか買えないCDを買いに来たり、ここでしか見られない映画を見に来たりしているからか。
それだけじゃないはず。
それにしても日曜の午後、この大勢の若者たちはどこから来て何のために時間を過ごしているのか?

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中野ブロードウェイレコミンツに行こうとサンモールを歩いていたら、
沖縄音楽が聞こえ、通路は通行制限がかかっていた。
先に進んでみると三線と太鼓の音に合わせて揃いの衣装を着た若い女の子たちが踊りながら練り歩いていた。
エイサーってやつ?(僕はこの言葉が踊りそのものを指すのか音楽を指すのかよくわかっていない)
「町田琉」と書かれているのを思い出し、今検索してみると町田市を中心とした市民のグループらしい。
今日は「中野チャンプルーフェスタ」ということで
都内のいくつかのグループにたくさん来てもらって時間ごとに音楽と踊りを披露しているようだ。
祭りに出くわすっていいなあ。


阿佐ヶ谷の七夕祭りは確か8月の頭だったか。
高円寺の阿波踊りも一度ぐらいは見てみたい。

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家に帰ってきて、ふと思い立ちエアコンのフィルターの掃除をした。
動かしているとギシギシと不穏な音が鳴って怖くてたまらなくなったからだ。
恥ずかしながら実に×年ぶりにフィルターを取り出してみると埃がびっしりと固まっていて、
開けなきゃよかった・・・と思われた。正にパンドラの箱
ここ何年か、フィルターの掃除なんて言葉思い出しもしなかった。