カットオーバー

5月の頭から加わったプロジェクトが今日カットオーバーだった。
なんのかんの言いつつもスケジュールが間に合って、どうにかなった。


昨日は昼まで寝て、少し小説を書いて、昼食の後に昼寝して、
夜の9時から会社に出掛けて、そこから先は一睡もしてないで今に至る。
日付が変わってから夜明けまで
有楽町の顧客のオフィスで本番リリース後の動作確認とかしたりして。
19時間半勤務。21時までいなきゃいけないことになっているので、
24時間連続勤務達成。
眠くて眠くてたまらなくてどうしようもなくなっているはずが、意外とそうでもない。
この僕のどこにそんな力があったのか。


大勢いた協力会社の方たちが荷造りをして引き揚げて行った。
ただそれだけでなんだか寂しい気持ちになる。
何度か会話を交わした人がこぞっていなくなる、僕はこの場所に取り残される、というわけだ。
カットオーバーしたという達成感・満足感は無し。
何かが終わってしまったという寂しさ・空しさだけ。
心の中にぽっかりと穴が空いて、寂寥感が漂う。


することもない月曜の午後、会社の外に出て竹芝桟橋でぼんやりする。
蒸し暑いのに空は灰色に曇っている。
隅田川の川面もぐったりとして輝きを失っている。
ベンチには僕以上にもっとすることのない人たちが
何とはなしに1人か2人で東京湾を眺めていた。
バタバタバタバタと音がして、見上げるとヘリコプターが空を横切るところだった。


何もする気が起きず、無駄な時間を過ごす。
何も起きない。トラブルの連絡もない。
これまでの日々で時間は一瞬にして過ぎ行くものだったのに、
今日はいつもよりも10倍・20倍の遅さとなっている。まるで鉛のようだ。


終わってしまって、何かがまた始まるだけ。
同じような何かが始まるだけ。
そしてそれがまたいつの日か終わって、その繰り返し。


こんなとき僕は死にたくなる。いろんなことを諦めてしまいたくなる。