Basement Jaxx

カットオーバー後、システムが割と安定稼動している。
常日頃悲観的な僕は「悲惨な障害対応に明け暮れる毎日」を想像していたのだが、肩透かし。
出社してきてもこれと言ってすることがない。
水曜・木曜と夕食を社食で食べて定時で帰る。
・・・が、こんな早く帰っても家ですることがない。何かが貧しい状況にある。
何かをしようという意欲も無い。
水曜はサッカーワールドカップの予選(日本−イラン戦)を見てたのでそれでよかったが、
木曜は早くも手詰まり。目の前には見てない DVD の山があって、その一番上にあった
Basement Jaxx のベスト盤の初回限定盤に特典としてくっついていた DVD を見る。
ビデオクリップ集にライブの映像と太っ腹な内容。


音楽同様、ファンキーでユニークでカラフルなクリップが多く、見ていてなかなか飽きない。
特に秀逸だったクリップはスタイリッシュな戦争もの「Cish Cash」必見。
真夜中のスーパーモデル工場を舞台とした「Plug It In」や
とにかくハイテンションな「Flylife」もいい。(これだけの情報だと何も伝わらんが・・・)
サンバをキーワードに語られることが多いだけあって、
サンバダンサーがあちこちのクリップに出てくる。これがまたいい。
「Romeo」もよかった。
あれだけの名曲に添えられたクリップが手抜きでかっこ悪かったら泣きたくなるよ。


毎年毎年、ベスト1の作品を自分の中で選んでいるが、
2001年は Basement Jaxx「Rooty」ということになっている。
ロックばかり聴いている僕としては珍しくクラブ系ダンスミュージック。
冒頭の「Romeo」でやられた。画期的なポップチューンだったな。
今でも取り出してよく聞く。


基本はハウスのユニットだというのに、最近のライブは大所帯で行われるという。
シンガーにラッパーにダンサーにパーカッションにその他生楽器。
ライブ集も意図的なのか偶然なのか、
年を経るごとにステージの上の人数が増えていく過程が見て取れるようになっている。
最初は卓の前に立ったサイモンとフェリックスのDJプラス、
パーカッションとシンガーだけだったのが、
後になるとサイモンは自らギターを弾きまくっている。
最後に収録されていた曲「Where's Your Head At」では酩酊状態としか思えないフェリックスが
へべれけになりながら「Where's Your Head At!!」と叫んでいた。
これは一度生で見てみたいなあ。気持ちいいだろうなあ。


ギター・ベース・ドラムの研ぎ澄まされた3ピースのバンドも好きだけど、
大所帯の音楽集団のライブには別の意味での面白さがあって僕的にはもっと好き。
(その代表が渋さ知らズ
「音楽」とはその起源においてハレの日に祝祭として鳴らされたものであって、
古来より人々はブンチャカやっていたわけである。
難しい楽典であるとか批評理論よりも先行するものとして、
人々は音が出るものを持ち寄って演奏するという行為を楽しんできた。
人が集まれば集まるほど、音は大きくなって、豊かになって、もっと楽しくなる。
そういう快感原理を大事にするっていうのは素晴らしいことだ。


気持ちのいい音を求めて、
様々なジャンルの音楽を飲み込んで意外なゲストをたくさん呼んで、
ハッピーなダンスチューンをこの暗い世の中に次々と提供する。
Basement Jaxx の快進撃はまだまだ続くのかな。続いてほしいな。