夏を取り戻す、海水浴に行く(その2)

御宿町は「月の砂漠」ゆかりの地として、記念館や記念像が建てられている。
僕らは砂浜の近くにあった記念像へと裸足で歩いていく。
2頭のラクダに乗った男女の像。砂漠の隊商をイメージしているのだろうか。
アラジンの魔法のランプとお姫様という言い方をしたらわかりやすいだろう。
僕らは像によじ登って写真を取った。
(後で見たところ、みんな同じようなことをしていた)


砂浜に戻ってきて、ビーチバレー、もといビーチボールでバレー。
男女のペアに分かれて、砂の上に大雑把な線を引いて、
すごい適当にイン/アウト、「入った!」「入らない!」を決める。
ふわりと浮かぶボールを追いかけて砂の中にダイブ。
ものすごく盛り上がる。
ペアを変えて、負けたときの罰ゲームを変えて、
その後何度も何度も飽きることなくビーチバレーを繰り返す。


10時・11時と昼が近付くに連れて砂浜も人が多くなってくる。
サーファーたちはいなくなり、海水浴客ばかりとなる。
2・3人の女性だけのグループと、同じく2.3人の男性だけのグループ。
非常にわかりやすくナンパされに来ました!ナンパしに来ました!という雰囲気を醸し出している。
でも、声を掛けたり掛けられたりという光景はついぞ見なかった。
その2・3人ずつ肌を焼いたり、波間に戯れたり。
女性の水着は、もう、ビキニばかり。
ビキニにあらずんば水着にあらずっていうぐらいに。
僕はビキニを着る人ってのはごく少数で、こういう海水浴場では
スクール水着を高級にして多少肌を露出させてるような水着を着ている人ばかりだと思っていた。
日本も素晴らしい国になったもんだ。
目の前のあちこちにビキニの女性がうようよ歩いているわけですよ。どこもかしこも、四方八方。
たまらないです。何もしてないときはじっと、というか、それとなく見とれていた。最高です。
幸福なひと時だった。これなら来年は毎週海に出かけようぐらいに思った。
あと、カップルたち。多かったなあ。
2人して並んで寝てるとか、ボディボードやってるとか。正直な話、うらやましい。
女性は白い人も多かったけど、男性はほとんど真っ黒になっている。
8月も終わりで、何回か海に着ていたりするのだろうか。
なんか僕が一番肌が白い。場違いなくらいに。いかんなあ、と思った。


昼前ぐらいだったろうか。高校生の集団が現われた。
どこかの高校のバスケットボール部の生徒と、顧問の先生と、母親たち。
大きなテントを立て、前方のは生徒たちと先生たち、後ろのは母親たち。
子供たちは我が物顔にはしゃぎまわり、暴れまわり、
砂を掘ってばかでかい山を作って、ビーチフラッグ大会を繰り広げて。


ライフガードの人たちも現われだす。
赤い旗竿を砂浜に立てて、スピーカーからは砂浜いっぱいに放送が。
「赤の旗の間は引き潮が強いため、遊泳を禁止します」
ライフガードの人たちは中に入ってきた人たち(主に↑の高校生)を優しく追い払う。
なお、御宿ではライフガードの大会が、一般と学生とシーズン中に2回行われるようだ。


ビールを飲んだり、ビーチバレーも一段落すると、僕は浮き輪を持って海の中へ。
浮き輪の中でプカプカと波間を漂う。
波が高く引き潮も強いせいもあって、どんどんどんどん沖に沖に流されだす。
気が付くと足がつかなくなっている。
これって一瞬ひやっとさせられる。
僕よりも沖に出ている人は大勢いる。だけど怖くなって、
何食わぬ顔をして、浮き輪から抜け出て浮き輪片手にバタバタと泳いで砂浜に戻る。
浮き輪で言えば、PIZZA-LA のエビマヨマットを持ってた人が結構いた。
5匹(?)ぐらいみかけた。「あれ、ほしいねえ」という話になる。


4人で棒倒しに熱中する。
罰ゲームは際どいものにしないとね、と出てきたお題目は:
「初恋の人の名前、どういう人だったか、どういう状況だったか」
「初めてのチュウ」
「部門の中の人で、実はこの人が嫌い」
「部門の中の人で、実はこの人だったら付き合ってもいい」