メキシコ(9/5)その10 ティオティワカンに向けて出発

今回の旅のハイライト。ティオティワカン遺跡を見に行く日。
待ち合わせの時間が決まっていてそれが気になっているせいか
とんでもなく早い時間に目が覚めてしまう。
午前3時半。時差ぼけか。寝たのは午後10時。
それから眠れなくなる。
村上龍の短編集「空港にて」を読み始める。
1個読み終えては明かりを消して布団に潜り込んでみる、というのを繰り返す。
途中でコニー・ウィリスの「航路」に切り替える。
結局眠れたのは6時過ぎのどこか。目覚ましが鳴ったのは7時半。


日焼けで剥けた皮がホテルの部屋の床のあちこちにボロボロと剥がれ落ちている。
背中の皮と腕の皮と腹の皮。部屋を掃除する人も「この人何なのだろう」と思っているだろう。
みっともないのでシャワーを浴びているときにこれらをゴシゴシこすって落とす。
これでもう大丈夫だろうと思っていたら今度は足の皮が剥けるようになった。
またボロボロと皮が落ちる。
「もー」と思いながら朝、シャワーを浴びてまたゴシゴシと洗う。


昨日・一昨日とそうしていたように Virgin の袋にガイドブックなど詰めて準備をする。
今日は一応虫除けスプレーを腕や足に振り掛ける。日焼け止めも念のため持っていく。
窓の外を見ると車の流れが激しい。昨日静かだったのは日曜だったから、ということか。


ホテルを出て、レフォルマ通りに出る。東に進んでいくと「独立記念塔」に出る。
南に曲がって集合場所のホテルへ。・・・行き過ぎて別の大通り(地下鉄に面している)に出てしまう。
引き返して歩いているうちに見つける。この界隈は軽食堂やレストランが多く、タコスの店もある。
いざとなったらここに来ればいいだろうと思う。
歩いていて気づいたんだけど、メキシコシティは自販機が少ない。というかない。
自転車に乗っている人というのも少ない。


集合場所のホテル「ガレリア・プラザ」のロビーに上がっていくと、
既に旅行会社のガイドの人が待っていた。
今回のオプショナルツアーは地元の、日本人が働いている旅行会社が主催するもの。
なのでガイドの女性(Nさん)も日本人だった。僕よりも年下か。ドライバーはメキシコ人。
僕は日本語を話すガイド兼ドライバーのメキシコ人が1人いるだけだろうと考えていた。
ロビーを見ると僕だけだが、もう1つ別なホテルに寄って、あと3人ピックアップすると言う。
ドライバーが到着してワゴン車に乗り込む。
途中、昨日訪れたチャプルテペック公園の中を通っていく。
古ぼけた乗合バスが乗客を大勢乗せて走っている。
リブレと呼ばれる小さなタクシーがちょこまかと走っている。フォルクスワーゲン
乗ってみたいが、外国人観光客には薦められないとガイドブックには書かれている。


ホテル「ニッコー・メキシコ」の前に停めてガイドの方が中に入っていく。
先ほどのと今のと、どちらのホテルも僕の泊まっているホテルよりも2つはランクが上だ。
目の前の車には同じようにどこかへ観光に出かける人たちの車が停まっていて、
ガイドに促されて車の中に入っていく。
30代前半と思われる女性の2人組。いいなあと思う。
旅先で知り合った人たちと仲良くなってムフフ、・・・ということを僕はどこか期待している。
そんな僕のところにまず2人乗り込んでくる。僕と同世代ぐらいの男女。
見るからにハネムーン。すぐわかる。妙に甘ったるい雰囲気を漂わせている。
あと、1人。僕のような1人でメキシコに来た男性か。。。
ところが入ってきたのは2人。僕と同世代か1つ上ぐらいの女性たち。総勢5名となる。
ティオティワカンに向けていざ、出発。


チャプルテペック公園の中へといったん戻る。Nさんの解説によれば
チャプルテペック公園とはアステカ語で「バッタのいる丘」を意味する。


車は北へと向かう。
反対車線はラッシュに巻き込まれている。
朝・昼・晩と通勤ラッシュになるのだそうだ。
なぜ昼も?と言うと家族とともに昼食を取る習慣がまだ根強いから。
会社が12時半に終わり、学校も13時に終わる。揃ってみんなで食事を取る。
人口2000万人の世界一の首都がそんなことをしていると排気ガスがとんでもないことになり、
排気ガスの排出量も世界一。
それでいてメキシコ政府はおおらかに「ま、いいか」という態度なのだという。
しかも月曜は土日に別荘から車で戻ってくる人たちも合流する。
中上流階級で別荘を構えている人たちは多い。3LDKで200万円から購入できる。安い。


後ろの座席に僕と、「同世代か1つ上ぐらいの女性たち2人」の3人が座る。手狭になる。
「1人で来てるんですか?出張ですか?」と聞かれる。
1人で旅行してると言うと驚かれる。すごいですね、1人ですか、と。
彼女たちは友人がいるから来てみた、とのこと。
まだまだメキシコシティーは旅行者が1人で来るような場所ではないのかもしれない。
カンクンのついでに立ち寄るとかそういうのかな、メジャーなのは。
彼女たちは土日はサンミゲル・デ・アジェンデに行ってきて、いいところだったという。


車のクラクションがひっきりなしにあちこちから鳴らされている。
そしてそれが微妙に音の調子が異なるのを彼女たちは聞き取って、
「会話してるみたいだ」と言う。