メキシコ(9/5)その14 お土産屋に立ち寄る

ティオティワカン終了。
車でちょっと行ったところにある土産物屋に立ち寄る。
ここでリュウゼツランから作った蒸留酒プルケを試飲できる。
店のオヤジが出てきて解説を始める。
曰く、リュウゼツランは10年で枯れる植物である。
茎?を1本切り取るとナイフで削っていく。
甘い水が取れ、それがアルコールとなり、やがてプルケとなる。
それだけでなく昔は紙として使われ(剥いだ薄手の皮に「MEXICO」と書く)、
樹液はシャンプーや石鹸の替わりとなり、残りの繊維は染色され織物に利用される。
続けて黒曜石を磨いた玉や飾り物の解説となる。渡されたのを僕が眺めてると
他の人たちから「1個や2個勝手に持ってってもわかんないんじゃない?」と言われる。
そしてようやくプルケ試飲へ。
小さなプラスチックの容器に注がれる。
飲んでみると白菜っぽくて正直あんまりおいしくない。
まだまだあるよと今度はテキーラを注いでもらう。
飲む前に「待った」がかかり、ライムを渡され、その上に塩を振りかけられる。
このライムをかじりながら飲めということ。
さすがにこれはうまい。これぞテキーラ
これで終わりかと思ったら3番目に出てきたのは甘いテキーラ
でもこれは子供のシロップというか養命酒っぽくてそんなにおいしくはない。
うーんと思っているととっておきが出る。
虫入りのテキーラ。丸々とした白い芋虫がプカプカと浮いている。
ゲゲッという雰囲気が広がり、まあ冗談ですよって感じだったのだが、
ガイドのNさんが誰か飲みますか?と聞いてくるので
「じゃあ僕」と手を上げる。虫テキーラが注がれる。
手の甲、親指の付け根にライムをこすり、その上に塩を振りかける。これを舐めながら飲む。
飲んでみる。実はこれが最高の味わい。手の甲のライムも含めて。
きりっとしていて飲みやすく、それでいてテキーラ特有の胃の中で燃えるような「強さ」が
今まで飲んだ中で1番はっきりしている。これは種類としても上の方に入るものではないか?
買って帰りたかったが、・・・やめておく。
飛行機の中で瓶が割れてしまったら大変な目に遭う。


お土産物屋の中で後はご自由にとなるが、欲しいもの・買いたいものは特になし。
マグカップであるとか、麦藁帽子であるとか、黒曜石で作られたチェスの駒であるとか、
ペーパーナイフ、バレッタ、ブレスレット、首飾り、ネックレス、フォトスタンド、
メキシコのお土産になりそうなものは何でも揃っている。
無理やり買わなくてもよいようで助かった。
外に出てサボテンを眺める。
牧場で放牧しているかのように、サボテンがニョキニョキ生えている。
店の屋根の下には機織機も置かれている。


これで半日観光のメニューは終了。
友人を訪ねてメキシコに来た女性2人組のうちの1人が
「雷お越し」みたいなお菓子を買ったというので分けてもらう。
「雷お越し」そのもの。非常に甘い。ひまわりの種やピーナッツが入っている。
メキシコ人にとっては非常にポピュラーなお菓子らしい。
彼女たちは午後も引き続き同じガイド・車で観光をするというので、
僕も一緒に入れてもらうことにする。
メキシコシティの中心地ソカロを見て回る。
月曜だとメキシコシティはどこもかしこもしまってしまうので実は何も見て回れない。
(ドバイの金曜日のようだ)
それがあって僕はティオティワカンに行くのを月曜にした。
しかし、午前中にこれが終わってしまうと午後することがなくなる。
毎日開いている国民宮殿に行くぐらいか。これもソカロにあるんだけど。


ドライバーはメキシコ民謡のテープをかける。「メキシコ!メキシコ!」と愛国的?な内容。
疲れた観光客は車の中で眠り始める。プルケやテキーラも飲んだことだし。


新婚旅行の2人をホテルに下ろして、午後の部開始。
僕はティオティワカン観光に日本で2人分の代金を支払っていたので、
1人分の代金をこちらの午後観光の追加代金に相殺させることにする。
日本で申し込んでいるとこういうことになる。
1人参加がそのまま1人催行になるのかどうかわからないので、
最低料金としてとりあえず2人分払わざるを得なくなる。
で、他に参加者がいた場合には後で1人分を返却する。
日本に戻ってから1人分4000円が戻ってきてもあんまり嬉しくないし
こっちで使ったほうがいいと考える。
つうかそれ以前に1人で過ごしているととにかく味気ない。これが本音。


旅慣れた人に聞くと、こういうオプショナルツアーは現地の旅行会社に直接頼んだ方が断然いい。
そもそも往復の航空券だけ日本で買って後は現地で、とするべき。
僕も今度からそうしようと思った。


レフォルマ通りに出て、「独立記念塔」へ。
朝、集合場所のホテルに行く前にもこの前を通った。
そのときは「ふーん、こういうものか」ぐらいにしか思わなかったのが、ガイドによる解説がつくと違う。
メモし忘れたんだけど、この人物は誰であり、その下のライオンは何を表していて(希望・平和?)、
というのを聞くと「ほお、そうか」という気分になる。
メモを判別すると何かの300周年ということで1910年に作られたということになるのだが、
メキシコ独立は19世紀だしなあ。
とにかく、これだけは確か。
独立記念日9月16日にはメキシコシティの街はお祭り騒ぎとなるが、
そのときここ独立記念塔を大統領が上ることになっている。
そしてここに上ってもよいことになっているのは大統領だけである。


女性たち2人はガイドのNさんに写真を撮ってもらう。
今日ずっと僕は撮ってもらわなくていいのかと何度も聞かれたが、「いや、いいっす」と断る。
1人で観光地で写真に写っているのってなんとなく嫌。


レフォルマ通りに沿って車が進んでいく。
前にも書いたが、1ブロック進むごとに記念像や記念塔が出てくる。下車せず、車窓から観光。
「クアウテモック記念像」
アステカ最後の王にして、メキシコの英雄の1人。
スペイン人に両足を焼かれるという拷問を受けても、財宝のありかを口にしなかったという。


コロンブス記念像」
南も含めて「アメリカ」大陸を発見したからということで像が一応建てられているが、
反米感情を持つメキシコ人ははっきり言ってコロンブスのことも嫌いらしい。


「カルロス四世の馬」
現代芸術の賜物としか言いようがない摩訶不思議な黄色いどでかいオブジェ。
タイトルを言われて初めて、「ああ、馬に見えなくもないな」と。


そもそもレフォルマ通りは1864−67年のフランス領だった時代に、
シャンゼリゼ通りを意識して作られたものだという。全長36kmとなる。


「アメルダ公園」
メキシコシティ最古の公園とされている。
作られたのはチャプルテペック公園の方が先だが、開放されたのがアメルダ公園の方が先だということで。
19世紀の大統領ベニート・フアレスの記念碑が立っている。
フアレスは貧しい生まれでありながら立身出世を果たした人で、今でもメキシコ人に人気がある。


「ベジャス・アルデス宮殿」
メキシコで最も格式のある劇場。1903−33年と30年かけて建てられた。
水曜・日曜はメキシコの民族舞踏が全て見れる日ということで人気がある。