メキシコ(9/5)その15 レストランで食事

ここまで車で来て、ソカロの通りに入ったところで下りて昼食。ここから先の観光は徒歩となる。
「Sanborns」というレストラン。メキシコ各地に店舗があって有名らしい。
ここの店舗の建物は以前は貴族のお屋敷だったという。壁が青いタイルでできている。格式ありすぎ。
入口にはきれいにデコレーションされたチョコレートが売られている。
急遽午後ツアーに参加してよかったのは、こういうちゃんとしたレストランに入れることだ。
さすがにサンダル履きで1人で入るにはためらわれる。
参加してなかったら屋台とかファーストフードやセブンイレブンで食べて終わりになっていた可能性もある。
中は広く、2階は吹き抜け。
赤・白・緑のメキシコ国旗カラーの大きな風船が天井から吊り下げられている。
そして天井は白いガラスで覆われていて、採光できるようになっている。
メニューを見てもよくわからず、全てスペイン語
Nさんに「とにかくメキシコっぽくて辛いもの」を選んでもらう。
結果、コースとして野菜スープと、「チチャロン」という豚肉の皮に
緑のサルサソースっぽいものをかけて煮込んだものと、アイスクリーム。コロナビールを追加。
ようやくここでコロナを飲むことができる。専用のジョッキとライムも出てくる。
「コロナコロナ」と喜んでいると、みなに「日本で飲めないんですか?」と驚かれる。
日本から来ているのは僕だけで、女性たち2人はなんとバンクーバーから来ていた。
乗り継ぎという意味ではなくて、在住。
(お互い、仕事のこととかそういうプライベートはは聞かずに終わった。名前すら知らず。
 1日だけのオプショナルツアーで出会うとそういうところが微妙なまま進んでいく)


出てきたのは、大きな皿いっぱいにヒタヒタにかけられたサルサソースと
その中に豚の皮(初めて食った)とチョリソー、
付け合せにレバーペーストのようななんらかの肉のペーストとトルティージャのチップス。
豚の皮は赤のサルサソースをかけて激辛にする。コロナが進む、進む。
テーブルにはオーダーした料理とは別に最初からオードブルが乗っている。
「ワカモーレ」というアボガドのペーストとトルティージャチップス、
名前はわからなかったが、カリフラワーやニンジンのピクルスのようなもの。
(単純にピクルスなのかもしれない)どちらもうまかった。
デザートのアイスクリームはバニラなんだけどモチッとした食感があった。
トルコのアイスってモチッとしてるという話を聞いたことがあって、
メキシコもそうなのかと思ったら特にそういうわけでもないとのこと。
ただ単にメキシコに入ってくる(恐らく)ネッスルのアイスがモチッとしているだけ。


ガイドのNさんの話を聞く。
1ヶ月にどれぐらいあればメキシコに住めますか?という質問に対しては6万もあれば十分とのこと。
今住んでいるアパートは1LDKで1万5千円。
もう4年も日本に帰ってない。
語学学校を辞めて(?)メキシコをフラフラしている間に、
知り合いに頼まれてメキシコシティの旅行会社で働き出した。
ひっきりなしにタバコを吸う。マルボロ。日本の方がうまいと思うが、アメリカのしか手に入らない。
前は一箱2、30円だったのが、今は190円ぐらい。かなり値上がりした。
日本のタバコは手に入らない。
バンクーバーシスターズ(ガールズと言った方がいいか)の1人がタバコを吸う。
バンクーバーでは7、800円ぐらいして、しかも吸える場所は限られている。
屋内はだめで屋外でしか吸えないとか。
「今、日本は吸ったらいけない場所が増えてるんですよね」と言われて僕は頷く。
「名古屋がそうらしいですね、万博で」とNさんは言う。
日本に住んでいる僕ですら、そんなこと知らなかった。
「そもそも日本って今、暑いんでしょうね」
暑いですよ、と僕は答える。


治安の話になる。Nさんはこれまで特に危ない目には遭ったことがないという。
夜はタクシーに乗る、などなど自衛の手段を講じていれば大丈夫。
むしろ財布を落としたら「落としたよ」と周りが声を掛けてくれるぐらい。
メキシコの人たちは基本的に人がいいという結論に至る。
ただ、観光客っぽい雰囲気丸出しで無防備でいると、危ない人をひきつけてしまう。
昨年はデジカメをひったくられる人が多かった。
首からデジカメをぶら下げているととにかくだめ。
デジカメじゃなく、何かを首からぶら下げていてもだめ。
デジカメは闇に売られ、市場に出回る。
とにかく高額であるため、一般庶民の手には届かない。
Nさんもバンクーバーガールズの2人も、
日本の方が絶対に危険だ、「戻れない、日本で生活できない」と声を揃えて言う。


国立人類学博物館で携帯を持っている学生たちが多かった、
携帯の普及率ってどんなもんなのかと聞くとかなりあるという。
しかし若い人で持っているのは富裕層となる。
あと、日曜だと国立人類学博物館などの施設が無料になるという「地球の歩き方」の記述は間違い。
ヴィザがないことには外国人は無料とならない。


タクシーのことを思い出して聞いてみた。
空港内に見つからなかったと言うと、そういえば最近確かに空港内のレイアウトが変わった。
奥の方にあったタクシーチケットのブースが2社とも空だったのは、メキシコではまあ、よくあること。
そんで見つけたタクシー会社のが450ペソだったと言うと高いと驚かれる。
でも8人乗りに1人だったと言うとそれはそうかもしれないということになる。
ぼられたわけではなく、僕のタイミングがものすごく悪かった。


いろいろと話はしていたんだけど、なかなか会話を転がすことができず。
質問されたらそれに答える、こちらから質問をしてそれに答えが返ってくる。
それはできるがそれをうまいこと発展させることができない。
気心の知れた人になら言えるような気の利いたことも言えない。
社交下手というか人見知りする性格というか。
なんだかもどかしくなんだかもったいない。
パーティーでたまたま一緒のテーブルになって会話してるかのようだった。
これまでどこに旅行しているかという話になったときに
去年はモロッコとドバイに行ったと僕は言った。
「モロッコですか!行ってみたいんですよね」
「ドバイですか!高級リゾートですよね」
という反応が返ってくる。でもそこから先ぱっとしない。
旅行記を出したことを話すべきだったか?
話せば話したでその後大きく展開が変わったのかもしれないのだが。


食べ終わってチップをテーブルの上に置く。
(Nさんに何ドル払えばいいですか?と聞いて10ドルと判定してもらう。食事代の10%)
入り口で支払いをする。コースが84ペソでコロナが22ペソ。
バンクーバーシスターズのもう1人が僕が1日手ぶらで過ごしているのを見て、
「荷物なくて大丈夫なんですか?」と聞く。
僕は「ガイドの人がいればガイドブックいらないし、暑くないから水もいらないし・・・」
女性じゃないしメキシコに1人で来ているぐらいだから財布さえあればなんとかなる。
一応パスポートもボタンのかかるポケットに持ってはいるが。
そもそも日本にいてもなんだかんだ持って歩いてないからなあ。
本と携帯と部屋の鍵と、それぐらい。