メキシコ(9/5)その16 国立宮殿

食事の後、歩いてソカロの広場へ。
大蔵省、最高裁判所、大統領の執務室などの建物が集まっている、メキシコのほんと中心部。
それがどの建物も9月16日の独立記念日に備えて2・3階分も覆うような電飾が貼り付けられている。
(↑どの建物も低い。国立宮殿より高くあってはならないということか。
 僕の泊まっているホテルのあるソナ・ロッサ地区は高層ビル・ホテルなど多々あり)
広場の中心部には何十mもの高さのポールが建てられ、人間よりも大きな国旗が翻っている。
9月以外は朝晩軍隊が下ろし上げを行う。
なお、メキシコの国旗の赤・白・緑は宗教・自由・統一を表している。(順番は忘れた)
そして蛇を加えたワシとサボテンの図柄。アステカ人がこのメキシコの地に最初に見つけたものだという。
広場の敷石は神殿を壊して敷いたもの。
メキシコシティ、特にソカロ地区には52もの教会がある。
これらの教会は神殿を壊した石で造られている。


広場には大勢の人が集まっている。日曜かと錯覚する。
花束を売っている人、日用雑貨を売っている人。
地下鉄の階段ではお菓子を売っている人やなぜか定規を売っている人。
人々が何もせず花壇の縁に座ってブラブラしている。
彼らは何をしているのかと言えばただ、ブラブラしているだけ。休憩。のどかだ。
そんな人たちが大勢いる。


地下鉄がどんなもんか説明を受けた後で国立宮殿へ。
いきなりかなり大きな中庭が広がっている。
スペイン人の好みで、中庭が大きければ大きいほど、裕福さの象徴であるため。
ここには世界3大壁画家(メキシコには様々な世界3大・・・があるようだ)
ディエゴ・リベラの壁画「メキシコの歴史」が2階に飾られている。
これは一見の価値がある。文字通りメキシコの歴史の全てを大きな壁一面に描いている。
様々な争いと数々の権力者と様々なか弱き人々が描かれている。
先住民族への洗礼が行われる一方で別な場所では宗教裁判が行われる。
アステカ人は熊の毛皮をかぶってスペイン人に槍を突き、
アステカの最期を示すときに太陽は逆さまとなる。
マルクスユートピアを示す一方で(ディエゴ・リベラマルクス主義者だった)
地方から出てきた農民が首吊りに遭う。
彼らの賃金を求めて警官に抗議する労働者は銃を突きつけられ、
一部の上流階級は何もせず狭い場所に閉じこもっている。
ディエゴ・リベラはこの2階の壁を全て自らの壁画で埋めつくすことになっていたのだが、
彼の死により中断された。


次は「テンプル・マヨール」
アステカの神殿跡。以前から遺跡が発掘されていたが、
70年代にビルを建てようとしたところ巨大な石版(アステカ・カレンダーの一種)が見つかり、
開発を断念したとのこと。
これまで普通に一般公開されていたが、痛みが激しいため公開が制限されるようになった。
「テンプル・マヨール」の前にはアステカの神殿を再現した模型が飾られている。
アステカの神殿では毎日8−10人の成人男性が生贄として捧げられた。
そのせいもあってか?20世紀のある頃までは男性と女性の割合は3:7であったという。
(なので愛人の習慣があった)


最期に、「メトロポリタン・カテドラル」
ラテンアメリカ最大の教会とされる。
1563年に着工して1681年に完成。100年以上かかっている。
時代が長いだけあってバロックだったり様々な様式の折衷的に取り入れている。
中のパイプオルガンは世界でも5本の指に入る古さだという。
世界中のパイプオルガンマニアがはるばるメキシコシティーまで見に来る。
あちこちが工事中で、どうしてかと聞いてみると
独立記念日が近いから毎年この時期になると化粧直しとしてやっているのだとのこと。
一番奥の最も大事なレリーフは修復作業中に組み上げた足場が地盤沈下によって外せなくなってしまった。
おおらかなメキシコ人は「ま、いいか」とそのままにしている。
その脇には往時の写真が飾られている。


そこから先は車に乗って車窓観光。
「三文化広場」アステカの神殿と、カトリックの教会と、近現代の建物と。
3つの文化が1つの場所に集まってるがゆえにこの名前が付けられた。
アステカ人がスペイン人に対して最後の戦闘を繰り広げた場所でもある。
(もちろん、敗れた・・・)


ガリバルディ広場」
マリアッチが大勢集まっている。
人々は結婚式や誕生日のお祝いのパーティーに彼らを呼ぶための交渉をする。
1時間10曲で2万円が相場とのこと。
僕らが見ていた時間帯ではまだ相方たちの集まりが悪く、
手持ち無沙汰にしている1人マリアッチが大勢いた。
シュールな光景だった。


ここまで見ると本日の観光は終了。
ホテルの近くまで送ってもらう。
車の中からメキシコシティを眺める。
サーカスのテントを見かけた。
日本のように壁という壁がグラフィティが描かれていた。
ポツリポツリと雨が降り出した。


車を降りてホテルに戻る。16時半。
ティオティワカンの遺跡も見たし、グアダルーペ寺院も見たし、ディエゴ・リベラの壁画も見たしと
見たいものは全部見た1日。
おなかもいっぱいになって夜は何も食べなくていいかと思う。