ロス(9/7)その24 再び、ロス

搭乗のアナウンスがあって、列の後ろの方に並んで、乗り込む。
席は前と全く一緒で「8C」前方の通路側。
隣にはメキシコを出ることがもしかして初めてかもしれない老夫婦が座る。
(パーサーに出国カードの聞き方を何度も聞いて、結局書いてもらってた)


乗ってる間もひたすら「航路」を読む。第2部を終えて衝撃の展開。
「え?え?え?」そうなるの?と。目が離せない。
機内食はオムレツ、パンケーキ、フルーツ。
昼のフライトなのでアルコールは出ない。コーラを飲む。
なぜか「リステリン」(歯磨き系のやつ)がトレイに乗っている。


出入国カードと税関の申告書が配られる。
パーサーに何かを早口の英語で聞かれた僕は聞き取れず、とりあえず「ノー?」と答える。
そうすると出国カードが配られず、税関の申告書だけが手渡される。
「その白いのも欲しい」と主張しても「あなたには必要ない」と言われる。
僕はアメリカ合衆国市民ということになったのか?
他の日本人の席をそれとなく見てみると白の出入国カードが席のところにあったりする。
スチュワーデスが通りかかったときに「地球の歩き方」の出入国カードのページを指さして、
「これが必要なんだけど」と言うと、後ほど席まで持ってきてくれた。
あーよかったと思いながら記入していくのだが、
書いてるうちに「地球の歩き方」のサンプルと内容が違うことに気付く。
気のせいということで片付けていいのだろうか、それとも違う書式のものを受け取っているのか。
本来は「I−94W」という書式のカードに記入しなきゃいけないのに、
よく見たら「I−94」というものだった。前者は「査証免除用」というもの。ヴィザ不要。
後者はヴィザ取得日時なんて項目があって、「これって必要?」と疑問に思う。
英語が話せないとこういうときに細かいやりとりができなくて困る。
向こうが差し出すものを黙って受け取るしかない。


着陸後、入国審査に進んでから案の定引っかかる。
他の日本人はみな緑色の用紙を手に持っている。い、いつのまに・・・。
パーサーもスチュワーデスも機内で持ってなかったぞ。
審査待ちの列に並んでいると警官が現れて1人ずつ出入国カードの書式を事前にチェックし始めた。
僕のところで止まって、しげしげと眺めて、日本語で「シゴトデスカ?」と質問してくる。
僕は「カンコウデス」と答える。
「じゃあ、こっち来てくれ」と列を外れて後方の机に呼ばれる。
こっちの用紙に書いてくれと例の緑色の用紙を渡される。ボールペンと一緒に。
見てみると「地球の歩き方」のサンプルと同じ書式だった。色が違うだけ。
世の中の仕組みはどうなってるのかよくわからん・・・。
というかアエロメヒコが不親切なのか。ま、全ては僕の語学力だよな・・・。
書き終えてボールペンを返そうと先ほどの警官に近付くと
「じゃあ元の列に戻れ」と指示される。
最後尾に戻れと言われていたら長蛇の列で大変なことになっていた。


入国審査を通過し、
(メキシコから来たということで最初スペイン語で話し掛けられた)
手荷物受け取りを素通りし、税関へ。
「申告なし」と日本語で書かれている方のブースに進む。
あれこれ英語で言われるが、なんとなく察してイエス・ノーを使い分け、無事切り抜ける。
タバコのこともあるから怖くてたまらん。


ようやく自由の身へ。
ロス半日観光ということで現地の旅行会社の人が待っていることになっているが、見つからず。
しばらく待ってみる。・・・来ない。
どうなっているのだろうと申し込み時のメールのプリントアウトを引っ張り出す。
恐らく日本語のそれほど得意でないアメリカ人が応答していて、
やりとりがなんかおかしな文章になっている。
「○○○(旅行会社の名前)と赤い字で書かれたボードをガイドが
 てにもつて出迎えますのでみつけてください」
もしかしてこれって「手に持って」ではなくて「手荷物(受け取り)」のことか?
1度出てしまったら「No Entry」となる。
あちこちに「進入禁止」と書かれているのを
ノコノコと引き返そうとすると女性の係員に「ノー!!ノー!!」と遮られる。
「戻りたいんだけど・・・」「ノー!ユーキャント!!」
困った。「忘れ物?」「いや、人に会うことになっていて」「だめです。入れません」
強く詰問口調で言われるので落ち着いてたら言える英語も、
単語も構文もしどろもどろになってしまう。
じゃあってことで、ここに電話したいとプリントアウトに記載された番号を指さすと
「そんなの私の知ったことではない」という感じで、
「上の階に行け(Go Upstairs : なぜかはっきりと覚えている)」と言われそれでおしまい。
取り付くシマがない。
でもそれが決まりで、それが仕事で、それが従うべき法律なのだから仕方がない。


すごすごと引き返し、2階へ。1階にも電話があるのになぜ?と思う。
2階の誰かに相談しろということか。
とりあえず電話をかけてみる。
アメリカで電話をかけるというか海外で電話をかけるのは生まれて2回目。
1回目は上海で会社の先輩に掛けるだけだったからなんてことなかった。
電話ってどうやって掛けたらいいんだろう・・・?
書いてある電話番号の通りにボタンを押してみる。
だめなら「地球の歩き方」を参考にあれこれ試してみて、
それでもだめなら「Tourist Information」みたいなところに泣きつく。
ボタンを押してから、呼び出し音が何度も何度も繰り返される。出ない。
やはり頓珍漢なところに掛かっているのか。
カチャッと音がして「ハロー?ゴニョゴニョゴニョ」という声が。
「アーユー○○○?」そう言った途端向こうは日本語で話し出す。
僕の発音がどこをどう切り取っても日本人っぽいからだろう。
話してみるとなんかの手違いがあって、
向こうは僕がいるターミナルを間違えていたことがわかる。
自分がいる場所を告げてそこから先しばらくの間待って、ようやくガイドの方と出会う。
50歳ぐらいの日系人?と思われる男性だった。


近くの駐車場に停めようとしたが、空いてなかったので遠くに停めなくてはいけなかった、
そこからシャトルバスに乗ってここまで来たからとても時間がかかった、と謝られる。
まずはその駐車場への無料シャトルバスに乗る。Cの駐車場行き。
韓国人と思われる団体が入ってきて「Cで行き先はあってるのか?」と運転手に聞かれる。
なにやら韓国語?が飛び交って「Cで合っている」と返答がなされる。バスが出発する。
途中から各国の旅行者や空港職員が乗り込んでくる。


メキシコシティに行ってきたと僕が言うと、メキシコの話になる。
スペイン人は歴史上最も残虐なことをした、アステカ人たちを(以下、書けない)とか。
その後も何かにつけてメキシコが話題に上る。


バスに乗ってみてわかったが、ほんとこの空港広い。お化けのような広さ。
東京ドーム何個分?
東京ドームがどれぐらいの広さなのか感覚的に分かってないけど、換算してみたくなる。
そしてその周りにある駐車場がこれまたとんでもなく広い。笑っちゃうぐらい広い。
駐車場のB行き、C行きというようにバスの目的地まで分かれている。
バスから降りて旅行会社の大型のワゴン車に乗って、ガイドの方が言う。
「広いでしょう?ロサンゼルスはとにかくだだっ広くて
東京都と神奈川県をあわせたぐらいあります。
カリフォルニア州は日本がすっぽり入るぐらい広いです」