ロス(9/7)その26 サンタモニカ

車に戻る。サンタモニカに向けて走り出す。
街路にはヤシの木。何もかもがゆったりとした雰囲気。
どこまでも続くウォークウェイは
ZUMA(とガイドの方が言っていた。ニール・ヤングの?)まで何十キロも延びている。
若者たちがスケートボードや自転車に乗って通り過ぎる。サーフボードを抱えて歩いている。
ビーチとヤシの木。サンサンと降り注ぐ陽射し。
こういう場所を自転車で走れたら気持ちいいだろうな。
運転しながらおじさんが「アパートメント」と指さす。
見ると広々とした家。1ヶ月滞在用に家具が用意されて貸し出している。
いいなあ。そういう休暇を取ってみたいもんだ。


ベニスの街に差し掛かる。
カスタム・メイド。家の形がそれぞれ違うのだという。
空港からマリナ・デル・レイまでの途中にも高級なレストランや邸宅の並ぶ一角があったが
それらの家もカスタム・メイド。
世界中のいろいろな建築家がロサンゼルスに集まっているから、様々な家が建っている。
ベニスの街も色鮮やかできれいた家ばかりだが、道路はなぜか狭い。
ここだけ家の密度が日本のよう。


サンタモニカの街へ。
「Big Blue Bus」というのが走っている。
「Speed」でバスジャックされたのはこのバスということで有名。
でも幅が広くて道路を塞ぐため、付近の住民には好まれていないようだ。
サンタモニカから UCLA までを結んでいる。


ここは若者の街。最も繁盛しているのはタトゥーを入れる店。
カフェやレストランに、古着屋らしきものも見えた。
ブティック、雑貨屋、買い物してるのも楽しいんだろうな。
椰子の木が植えられていて、南国な雰囲気。


マックの駐車場に車を停めて自由行動。
13時20分から14時まで40分。
駐車場には思いっきり、マックのお客様のみ、監視してますと書かれているが、ほんとなのだろうか。
横断歩道を渡り、サンタモニカピアへ。
ショッピングカートに全財産を積んで日々暮らしていると思われる
頭のおかしいおばあさんが信号待ちの観光客相手になにやらどなっている。
中国人がアメリカを脅かしているとかそんな内容だった。


アーチ型の橋を渡って、ピアへ。
ピアは木造の桟橋で、観光客相手のお土産屋やレストラン、小さな遊園地がある。
遊園地にはジェットコースターに、ゆっくりと回る観覧車。
なんかの映画で見たことある気がする。
観光客相手にネイルアートや似顔絵を描く商売の人たちが道行く人を笑顔で見つめている。
地元の人たちが釣りをしている。(何が釣れるのだろう?)
ピアの突端のレストランではスパニッシュ系の2人組がギターをかき鳴らしながらにぎやかに歌っている。
ビーチでは泳いだり、肌を焼いている人々。
砂はペンキで塗ったような淡い黄色で、そこに青と白の波が緩やかに押し寄せる。
眩しいぐらいの青空なのに、カラッとした暑さ。日本の蒸し暑い夏とは違う。
何もかもが心地よい。思い思いの時間を過ごして、誰もが幸福そうだ。
ロスに来てよかったと思う。
この半日観光の値段は40ドル。1人参加なので倍になって80ドル。
でもその価値はあったと思う。ここ、サンタモニカだけで。
この降り注ぐ日差しだけで。


周りを見ると日本人ばかり。カップルや夫婦、2・3人の女性のグループ。
(サングラスをしている人が多い)
僕のように1人で歩いている人は少ない。
夏休みの学生だろうか、「地球の歩き方」のアメリカの分厚いヤツを脇に抱えた
バックパッカーがピアの真ん中で「これがサンタモニカか!」と目を見開いていて、
親近感を感じた。アメリカを旅して回ってるのだろうか。


ビーチに下りていってサンダルを脱いで、柔らかな砂浜の上を歩く。
熱を帯びてるけど温めのお風呂のような温度。
カーゴパンツの裾を捲り上げて、波の中に足を浸す。アイスのように冷たい。
知らず知らずのうちに「ひゃー」と声に出している。
目の前には水平線が広がっている。どこまでも青い海。どこまでも、どこまでも。
太平洋の、ここは反対側なのか。そう思うと不思議な気がした。


車に戻ろうとして桟橋を引き返す。
交差点で信号待ちをしながら遊歩道にカメラを向けていると、
通りがかったおばさんが僕に向かって
「ピアを撮りなさいよ、夜になるとイルミネーションがきれいよ」と言う。


ガイドのおじさんは駐車場の端の木陰で、芝生に折り畳み式の椅子を置いて座っていた。
車に乗り込む。
サンタモニカの市警の建物の前を通り過ぎる。
日本は「県警」となるが、アメリカは「市警」
サンタモニカの市警、ハリウッドの市警、ロサンゼルスの市警。
アメリカの警察ものの小説を読んだり映画を見ると確かに「市警」と呼ばれていることを思い出す。
なお、僕は知らなかったが、ロサンゼルスと読んだとき、狭い範囲では「ロサンゼルス市」を指し、
サンタモニカやハリウッドは含まれない。


雇用の話になる。
アメリカでは一般的に65歳が定年だが、
80歳になっても元気にスーパーなどで働いている人がいる。
雇わないと逆に「年齢で差別されている」と訴訟を起こされるのだそうだ。