東京カレー屋巡り その1

9月最終週より、新しいPJにて仕事を始める。
最近のハヤリということで当然のごとく客先常駐を言い渡される。
場所は神保町。
神保町と言ったらもう、あれですよ。
古本屋とカレー。中古CD屋もチラホラとある。
僕みたいな人間からすれば最高の街の1つ。
初日、これまで何度か訪れたことのある古本屋を一通り回って
昔の Studio Voice で映画の特集をしているのや
ハヤカワ文庫の絶版になったのを買いまくっていきなり7千円も使ってしまった。
(ティム・パワーズ「奇人宮の宴」とトーマス・M・ディッシュ「虚像のエコー」)
名古屋のオーヤマさんの家で見せてもらった「夜想」の
マーク・ポーリンのインタビューが載っている第18号も運良く見つけることができた。


そんなわけで、これまで回ったカレー屋の記録。
「神保町でカレー!!」が勢いづいて
土日はその他の地域のカレーも食べるようになる。
東京中の有名店を制覇したい、と思いつつ。

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9月27日(火) 神保町「まんてん
カツカレー ¥550 ★★☆☆☆


裏通りにある、寂れた定食屋っぽい風情の店。
学生と金のなさそうなサラリーマンばかりで行列ができる。
カウンターだけ。空いたらさっさと席について食べたらすぐに出て行く。


隣が同名のトンかつ屋だけあってカツは揚げたて。
シュウマイカレーが有名なのだろうか。衣をつけてカツっぽくなっている。
食後にはデミタスコーヒー(アイス)が付く。


トッピングはソーセージ、カツ、コロッケ、シュウマイとあって、
これを全て大盛りのカレーに乗せた「ジャンボカレー全部乗せ」という裏メニューがあると
散歩の達人」の神保町特集号に載っていた。


カレーそのものは古きよき時代の定食屋のカレー。
どろっとしていて好き嫌い分かれると思う。
ボリューミーな食い物が好きな僕でも、個人的に今ひとつだった。

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9月29日(木) 御茶ノ水エチオピア
チキンカレー ¥880 ★★★★☆


東京を代表する有名店の1つ。
2階建てのようなんだけど、1階はカウンターと小さなテーブルだけ。
みんなもくもくとカレーを待ってたり食べてたりする。


ジャズがかかっていた。壁にはアナログのジャケットが飾られている。
70年代のソウルとかファンクと思われるものがいくつか。
ロックでは The Flaming Lips 「Transmissions From The Satellite Heart」
David BowieZiggy Stardust」この2つとジャズでは
Wes Montgomery 「Incredible Jazz Guitar」(だったような)があった。
カレーだけの店かと思いきや、意外。
経営者の趣味なのだろうか?どれぐらいの年の人なのだろう?
David Bowie はいいとして、
Flaming Lips って90年代以後で思いっきりグランジ以後の音じゃないか。
というかこれって、90年代USインディーズの壊れたポップとしてものすごく名盤。
カレーよりも気になった。


付け合せにふかしたアツアツのじゃがいもとバターが出てくる。
神保町の流儀らしいんだけど、
どういう理由から誰が始めたことなのだろうといつも不思議に思う。
もしかしたら昭和30年代・40年代にまで遡るものなのではないか?


辛さが選べる。店員からは0から3を薦められる。3が辛口となる。
ちょっと辛いぐらいがいいかなと僕は1にする。
そこに隣に座った30代男性が平然と「25倍」と口にして、
店員は何事もなかったかのように「かしこまりました」と去っていく。
25倍・・・。どんななんだろう?
男性は僕の隣で普通に食ってたけど・・・。


一皿ずつ作っているようで出てくるまで時間がかかる。
昼の時間で混んでたこともあって、結構待たされる。
ようやく出てきたカレーはさすがにうまい。
「ふーむ、これが名だたるエチオピアインドカレーか」と思いながら食す。
でもうまいんだけど、心がときめくほどのものでもない。僕にとっては。
なんでだかわからないんだけど。
スパイスとチキンの組み合わせも
カレーとしては完成度の高いものだってわかるんだけど。


ランチの時間はアイスクリームが付く。こういうのって嬉しい。
カレーの後のアイスはたまらなくおいしい。


エチオピア恵比寿ガーデンプレイス三越の中に支店があるようで、
今度ガーデンシネマで映画を見るときはまた食べてみようと思う。
神保町で食べるのとでは印象がだいぶ変わるはず。
また、エチオピアのカレーはレトルトにもなって売られている。

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9月30日(金) 銀座「ジャポネ」
ポークカレー(ジャンボ) ¥650 ★★☆☆☆


常駐から一時的に竹芝に戻ってきて、帰りに銀座でカレーを食うかと
「銀座 カレー」で検索したら引っかかった店。
有名らしいんだけどどっちかというと大盛り系で有名な店で、
しかもカレーじゃなくてスパゲティーがメインの店ということだった。
安いし「ま、いいか」と思って行ってみる。


銀座INZ3の中。どこもかしこも改修中で壁で覆われていたりして、
館内全面改装でもしかしたら「ジャポネ」も閉店?と不安になるが
端の方まで歩いていったら普通に営業していた。
小さなカウンターだけの店で、
常連と思われるサラリーマンやなんの職業かわからない人たちで満席。
安くてボリュームのあるものに引かれる人たち特有のオーラを放っている。


メニューはスパゲティーの方はナポリタン、バジリコ、明太子などなど豊富にあって
どれも「横綱」とされる特大サイズが頼めるようになっている。
名古屋の「マウンテン」みたいに太麺でそこに油っぽい具材が絡み合う。
あるものはうんざりとした様子で麺をかき集め、あるものはただ黙々とこなれた感じで平らげている。


カレーは粉っぽい、普通の喫茶店のカレー。
うまいってことはないがまずくもない。
もそもそと口に運んでいって淡々と完食。
これで普通サイズ500円で食べれるのなら、
銀座で映画見て金も時間もないときにちょうどいいか。


このカレーをさらに煮詰めると
近くにある有名な店「ニューキャッスル」のカレーが出来上がるように思う。