大名古屋旅行 その8(ひつまぶし)

以前オーヤマさん・ヤンマが「マウンテン」を訪れた際に
帰りに寄った漫画喫茶「らいぶらりぃ」に今回も行く。
実は僕、漫画喫茶なるものに足を踏み入れるのはこれが生まれて初めてだったりする。
(1度でも1人で入ったら漫画を読み続けて土日もそれ以外何もしなくなりそうだから
 これまでずっと避けてきた)
でもここは、いかにも漫画喫茶な雰囲気はなく(実際は分からんけど、イメージとして)
漫画もインターネットもその一部でしかなくて、面白そうなもの、
1人で、2人で、3人や4人でその時間を楽しめそうなものは何でも置いてあって
好きにしていい、何でも読んでいいという感じの店だった。
東京にこういう店があって、しかも近くだったら気軽に利用できそうだなあと思う。
Village Vanguard みたいな雰囲気で、オタクっぽさが無いと言えばわかりやすいか。
(逆に分かりにくいか。オタクっぽいんじゃないかと思うところもあって僕は漫画喫茶を避けてきた)
そういえば、漫画喫茶も今では全国に店を構える Village Vanguard もどちらも名古屋が発祥の地だ。


ゲームをやっている人やインターネットで何かをしている人たちばかりで、
漫画を読んでいる人の方が少ない。
ここでコーラを飲みながら、ヤンマがどこかからか持ってきた黒ひげ危機一髪やオセロをやって遊ぶ。
観光そっちのけで。
前来たときは「生き残りゲーム」をやって大盛り上がりだったんだけど、今回は見つからないようだ。
(あまりにはしゃいでしまってうるさかったからなくなったのかもしれないとヤンマが語る。
 なんか今、無性に「生き残りゲーム」がやりたくなった。買おうかな。ネットに一人用がないかな)
オセロはヤンマ・タツジンさんとオーヤマさん・僕のペアで対戦。
パートナーにヒントを絶対出さないことという決まりにする。
とりあえずこっちが勝つ。


こういうことに時間をかけすぎたのか、
午後2時を過ぎていて遠出するには時間がなくなっている。帰りの新幹線は午後5時名古屋発。
まあ、こういう行き当たりばったりなのもたまにはいいですよね。
普段の僕だとあれを見なきゃこれを見なきゃ、何もかもフルに観光に当てなきゃと
時間に追われて慌しくなってしまう。
熱田神宮に行って、蓬莱軒という有名な店でひつまぶしを食うことになっていたけど
手軽に済まそうと名古屋城へ。
ヤンマに大須はどうかと聞かれて「どういうとこ?それ」と聞いたら
「浅草みたいなおじいちゃんおばあちゃんの町」というのでそれはパス。


地下鉄に乗って、丸の内へ。
(名古屋は全国各地の有名な地名が集まっているように僕には思える)
この辺が名古屋のビジネスの中心地なのだろうか、大型のビルがニョキニョキ建っている。
中日新聞の本社がある。
テクテク歩いて、城へと向かう。
歩道橋の上から加藤清正像と名古屋城が一直線に並ぶ形で写真を撮る。
市役所や県庁も見える。


名古屋城天守閣の中へ。
10年前とはいえ前にも来たことがあるのでどういうものかは知っている。
展望台があって、途中の階は江戸時代の名古屋における
庶民や武家の生活や文化、歴史的事柄に関する博物館となっている。
今回は時間が無くて急遽「5階でしゃちほこにまたがった写真を撮る」ことが目的となったので
途中の階はすっとばし気味。ほとんど見ない。
藩主(だったか)が食べた食事の復元を見て「食べてみてー」と思ったり
(「マウンテン」直後で腹いっぱいなのに)
長さ249cmの火縄銃を見て「でけー」と思ったり。
掛け軸の類はほぼ全部パス。
そんでしゃちほこ撮影コーナーへ。
行列ってほどでもないけど観光客が集まっていて、ちょっと待つ。
僕はしゃちほこに「またがる」では満足せず、てっぺんにまで上り詰めて写真を撮る。
警備員に見つかったらたぶん怒られた。
その後展望台に上がって「まあ、こんなもんか」「あれが名古屋ドームか」と眺めて終わり。
そそくさと下に下りていく。
3人は先に行って広場にて休憩してて、トイレに行くために遅れた僕は3人を見つけられない。
オーヤマさんが僕に向かって大きく手を振ったら、
僕の前を歩いていた外人がにこやかに手を振り替えしていた。


名古屋城は拡張計画(?)というか本丸御殿の再建に向けて寄付を募っている。
その予定地にてみんなで写真を撮る。
お堀に鹿(野生?)がいた。
城に入る前、ヤンマがいるって聞いたと言い張る。「ほんとだ」とみんな驚く。
名古屋出身のオーヤマさんであっても、見るのは初めて。
名古屋のご当地ビールとして「赤味噌ラガー」があるということでお土産屋に行ったものの
その場で飲むためのものではなかったので、諦める。持って帰るには重いし。
赤味噌で作られたトンカツソースってのがあってこれは欲しいと思う。
でも帰りに駅で変えるのではないかと考えてやめておく。これは裏目に出る。
(後で名古屋駅高島屋で「つけてみそ かけてみそ」というチューブ入りの味噌と
 赤味噌のドレッシングを買った)


蓬莱軒諦められず。タクシーに乗って、栄の松坂屋にある支店へと向かう。
栄に近付く。時間があったらこの界隈を、そして地下街をブラブラと歩いてみたかった。
デパートに観覧車がくっついているのを見て、普通に回ってて、「すげー」と思う。


タクシーを降りて蓬莱軒のある南館10階へと急ぐ。
午後1時半頃「らいぶらりぃ」を出た後に
ヤンマが店に電話して聞いてみたら1時間20分待ち。
今は3時半近く。中途半端な時間だから空いてるんじゃないかと思って行ってみたら
さらに行列が大きくなって1時間50分近く待ちとなっていた。泣く泣く諦める。
松坂屋はさすがに大きくてゴージャスで1階ではファッションショーが行われていた。


またタクシーを捕まえて今度は名古屋駅へ。
新幹線の時間が近付いてるし、名古屋駅の地下ならばひつまぶしの店があるだろうということで。
ここで乗ったタクシーの運転手も気さくな人で
(今回乗った4回の運転手とも礼儀正しくて話し好きで、名古屋のタクシーはいいねえと思った)
蓬莱軒って他にありますかと聞くと名古屋駅のツインタワーにあると教えてくれて、
万博に昨日行ったとヤンマが言うと万博のあれこれを語ってくれる。
昨日の日立館は8時間待ちだったとか。気が遠くなる。
8月末の時点で44回通った人がいるとか。
(でも、後日ニュースで取り上げられてたけど、185日間皆勤賞の主婦がいるみたいね)
乗ってる途中、100m道路や名鉄のナナちゃん大名古屋ビルヂングなど
名古屋の名所をつまみ食いのように見ることができた。
それにしてもなんであんなでかいだけのマネキンを「ナナちゃん」という可愛らしい名前で呼ぶのか?
僕は等身大のリカちゃん人形のようなものを想像していた。


今回の運転手はメーターを上げるのを忘れてしまい、初乗りでいいですということになる。
いい人だったのになんだか悪いことをした。


まずは高島屋の地下でお土産を買う。
上述の赤味噌系の自分用のものと、会社の身の回りの人たちの分として
えびせんで有名な坂角の「ゆかり」を買う。
ヤンマがタツジンさんと僕に栗きんとんとオリエンタルの「男のカレー」をお土産としてくれる。
その後急いでエスカの地下にてうなぎ屋を見つけてひつまぶしを食べる。
おなかはすいてないけど、4人とも食べる気満々。
出来るまでの間「金鯱ビール」の青ラベル、ピルスナータイプを飲む。
ジャパンビアグランプリにて2003年のグランプリとのこと。
なかなかいける味。東京では手に入るのか。
赤ラベルのアルトタイプってのもあって「赤味噌ラガー」と共にいつか飲んでみたい。
ひつまぶしはうまかった・・・。蓬莱軒じゃなくても十分うまい。
ちゃんと3回に分けて、うなぎとご飯だけで、次に薬味を乗せて、そして茶漬けにして食べた。
「うまうま」と頬張りながら考える。
名古屋人はある意味、食の天才だ。
本当の意味でのオリジナルってないんだろうけど、
あれこれ組み合わせてものすごくインパクトのある食べ物を生み出す。
いつのまにかそれが全国区になっている。
果たしてこれからはいったい何が出てくるのだろう?
いやーそれにしても
「あれが食べたかった」「これが食べたかった」「マウンテンはまた行きたい」と
思うことは食べ物ばかり。もっともっと名古屋を味わいたい。
手始めには銀座の矢場とんに入って雰囲気を楽しむとするか。
新幹線が安かったらもっと手軽に名古屋に行けるのにな。


食べ終わった後には残り時間わずか。
新幹線の改札で手を振り合って、急いでホームへと向かう。
アサヒの富士山ビールが飲みたかったのに、なぜか肝心のJR東海のホームでは見つからず。
残念に思う。


空が暗くなる。
神奈川県に入った頃だろうか、夕焼けになるんだけどこれが年に1度見れるかどうかの
空の端がオレンジ色を通り越して黄金に染まった夕焼け。
タツジンさんと「これはすごいね」「絵になるね」と言い合う。


東京は雨だった。台風が来るって話もあったけど、それはまだだった。
家に帰りつくと疲れきってすぐにも眠ってしまった。
名古屋、また行きたいねえ。