「Always 三丁目の夕日」

昨日は昼まで寝て、そこから先ずっと映画の編集。
やばい。PFF の締め切りまで時間が足りない。というか土日が足りない。
追い込まなきゃならない状況なのに
朝起きたときから急に原因不明の肩凝り。だるくて痛くてたまらない。
江古田バディに渋さ知らズのライブを見に行くつもりでいたんだけど、
痛みと編集佳境ってことで断念する。
それにしてもこの肩凝りなんなのだろう。椎間板ヘルニア再発だろうか。
昨日は右肩を中心に痛くて、今日は左肩を中心に痛い。
1日ごとにバランスを取ろうとしているのだろうか?


今日の朝起きて編集。切って切ってきりまくる。
最初繋いだとき30分近くあったのが
1日ごとに1分か2分ずつ短くなっていって今は21分。かなりいい感じになってきた。
どんどん無駄が削ぎ落とされていく。

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午後は会社の映画部の鑑賞会で銀座へ。
Always 三丁目の夕日」と「Takeshis'」


これまで鑑賞会のセレクションは僕がほぼ独断で決めてたけど
今回はリクエストがあったので
Always 三丁目の夕日」を見に行くことにした。


どちらも有楽町マリオン近辺。
日曜ってこともあって映画を見に来た人たちでどちらの窓口も大混雑だった。


Always 三丁目の夕日
これは思わぬ拾いものだった。
4人で見て、見た後でみんな口々に「よかった」「よかった」といい合った。
西岸良平の同名漫画を実写で映画化。
舞台は昭和33年、東京。東京タワーの建設真っ最中。
自動車修理を営む堤真一薬師丸ひろ子の夫婦、
小説家志望のまま中年になって駄菓子屋を仕方なくやってる吉岡秀隆
思いを寄せる飲み屋の若女将が小雪を中心に、
タバコ屋のおばちゃんハイカラなをもたいまさこ
戦争で妻と娘を亡くした町医者が三浦友和
冷蔵庫の普及に伴い仕事がなくなる氷屋がピエール滝。
なんていう布陣。マギーや小日向文世も出ていた。


しょせん作り物。セットにCGでリアルな「魂」などひとかけらもない。
作り手からすれば30年代の昭和なんて単なる、イミテーションなノスタルジア
だけどそんなこと意に介さず、ひょうひょうと
いい役者がいい演技をして普通にいい映画になってしまった。
自分の身の丈をちゃんとわかっていて、そこに素直になって
できるだけの事を楽しんでやり通したというか。
これはこれでありだな。
日本映画に名を残す不朽の名作には足元にも及ばないけど、
冬の近付く日曜の午後、映画館で「なんか見てみるか」ってときには申し分ない。
実際、混んでた。ヒットしてるようだ。よかった。


記憶に残るいいシーンが多かったな。
タイトルに「夕日」が出てくるだけあって、
最後に出てくる夕日は映画としては非常に正統派の
バーーン!って感じの夕焼けで爽快。
吉岡秀隆がらみの泣けるシーンもことごとくよし。
若かりし頃の「北の国から」や「寅さん」のイメージが強いけど、
この人とてもいい役者なんだなというのを実感した。
がっぷり四つに組む堤真一も一連のサブの映画とは違って
30年代のお父さんになりきってて違和感何もなし。
薬師丸ひろ子は相変わらず薬師丸ひろ子でもうそれだけで十分。


あと、小雪。テレビドラマを全く見ない人間なので演技してるとこ見たことなくて
広告の写真だけ見てるとあのタイプの顔はこれまで好きじゃなかったんだけど、
それでもあの映画に収まってるのを見てると「いいね」と思ってしまった。
役者がみな、名演技とまではいかなくても等身大の好感の持てる演技だった。
昭和30年代の人そのままだったってことはなくて
「昭和30年代の映画を今作ったらこういうタイプのキャラクターが描かれるんだろうな」
っていうものなんだけど、それでもみんな自然に演じていた。
青森から集団就職で上京してきて住み込みで働く女の子役の堀北真希って子もよかった。
出てくる子役は言うに及ばず。


こういう映画を見ると、「なんだ日本映画もちゃんとしてるじゃないか」と思う。


とにかく優しい映画でした。
出てくる役者の名前だけでもそれが分かりやすく伝わってくる。


西岸良平の原作は一度も呼んだことない。
SF作品なら買い揃えていたのに。
実は長寿漫画で人気がある、と知ったのはつい最近アニメ化されたときのこと。
それまで西岸良平ってマニアックな
一部の人しか知らない漫画家なのだと思っていた。
いかにも売れなさそうな内容だし。
学生時代にビッグコミックで見かけたとき、何かの間違いかと思った。
でも、あの絵大好きです。
心の中の微妙な部分をくすぐるんですよね。