笑顔の行方

笑うということが苦手。
「表情が顔に出ない」と時々言われる。
お客さんとの打ち合わせにてぎこちなく笑ったり、
気の置けない人たちとの会話にて笑ったりはあるものの、
基本的にあんまり笑わない。その他の表情にも乏しい(はず)。


中学生・高校生の青春真っ盛り・自意識過剰な多感な時期に
いったん自分の笑顔は変だと思ってしまうとそこから先、
笑わないように笑わないようにと気をつけている自分がいた。
笑うことが下手になっておかしな顔になって、
それで大人になってそれっきり。
素直な自然な笑顔ではないと思う。人と比べて。
(ま、そんなおかしな表情ではないけど)


社会人として何年も過ごしていると、
余計なことは何も言わないほうがいいということを学ぶ。
僕はそう学んだ。
表情も一緒。余計なことは語らないほうがいい。
社交性あふれる営業として食って生きたいわけでもないし。

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こういう自分なので
「女性のどういうところが好きになりますか?」みたいな質問を受けると
何の迷いもなく「笑顔」と答えることになる。
美人だけど笑わない人とそんなに美人じゃないけどよく笑う人とだったら、
絶対後者のほうがいい。
話してて楽しいだろうし。


この人はいい笑顔だなあというと僕はそれだけで惚れる。


男性であっても、「いい人だなあ」と思ってしまう。
人間、自分にないモノに憧れてしまうものなのである。

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これらの話とどこかで理論的につながっているんだろうけど、
極力周りの人たちは笑わせていたいと思う。
どっちかと言えば人を笑わせているほうだと思う。会社の人たちであるとか。
周りの人たちには笑っていてほしい。
楽しい気分でいてほしい。
そうすると僕も嬉しくなる。
素直に笑えそうな気になってくる。

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今更笑顔は取り戻せない。
あるいは、20年か30年かけて少しずつ取り戻すことになるのだと思う。


訓練やトレーニングを繰り返すのではなく、
今よりもさらにぎこちない上っ面だけの笑顔を身にまとうのではなく、
何もせずとも笑えるようになること。


僕のこれからの人生が幸福なものとなるかどうかは
ここにかかっているのだと思う。


幸福だから笑うのではなく、
笑えるから幸福なのだということ。