結婚式で富山へ その3(12月23日)

そして披露宴。
会場が無茶苦茶広い。というか天井が高い。
たぶん富山市内でも一番の場所なんだろうな。
オカムラさんも撮ってよ」ってことになり、
新郎・新婦入場からノザキ先生のスピーチまでをビデオで撮る。
後輩たちが撮ってるのを見て、いてもたってもいられなくなった。
「撮る撮る俺も撮る!!」ってな勢いで。
でもなかなかうまく撮れなくてしょぼーんとする。
5分間に渡って人が話しているのをズームしてみたり、会場に向けてみたり、
少し移動してみたりカメラを低い位置に持っていったり
あれこれやってみるもののどうしても画面が単調となってしまう。
好きなように動き回っていいならまだなんとかなったろうけど、
そんなの周りの人にとってはうざいだけだし。
難しいもんだな。
後で編集されるんだけど、僕の部分は怖くて見れないな。
つうか編集してるときに「オカムラさんのとこ下手だな」と言われるのが目に見えてる・・・。
今更ながら自分の才能の無さを思い知らされた。
(僕の映画は、仲間内では「才能ないけど好きだよ」という扱い方をされている。
 今回も飲んでてそういう話になった。
 30過ぎたしいいかげんやめればいいんだけどね・・・)


お世辞じゃないけど披露宴はとてもいいものだった。
ノザキ先生はじめ、みんないいスピーチをしていた。
最後の新郎のお父さんのスピーチは後々語り草となりそうなぐらい素晴らしかった。
というかその後飲んでて夜も次の日もずっとみんなその話ばかり。
内容についていろんな事情の説明が必要になってくるのでここには書けないけど。
サイノウさんという今も昔も10年以上に渡って僕らの映画仲間での中心にいた、
早い話がカリスマな人のさらにそのお父さんって言ったら僕らにしてみれば
ゴッドファーザー」のマーロン・ブランドみたいなもんで。
まあ早い話が人間の大きさというか器ってのは自然と滲み出るものなんだねえということ。


料理は高級。
(披露宴の料理について描くのはなんかさもしい気がするが)
メニューに書いてあるものが理解できず。素材も調理方法も。
名前がどれもこれも100文字超えるようなやつ。
食べても「うーん?たぶんうまいんだろうねえ」って感じ。
次の日、サイノウパパは開口一言、
「昨日の料理たいしたことなかったろ」と一刀両断。
「あれはみんなに不評だった。みなさまには
 遠いところからわざわざお越しいただいたのに申し訳ないことをした」


披露宴が終わって、会場を移動して、2次会。
その前にホテルにチェックインして荷物を置く。
15時半ぐらいだったのに既に空は暗い。雪も降り続けている。
2次会の始まる前にもビデオを回す。
「新郎新婦に対して一言お願いします」ってやつ。
酔ってて気の大きくなった僕は知らない人たちばかりの集団に入っていって
「どうも!一言お願いしたいんすけど!!」とカメラを構えて1人1人聞いて回る。
これも途中でバッテリーが切れてあえなく終了。
僕がカメラなど用意したわけじゃないんでなんとも言えないんだけど、
あれはサイノウさんに悪いことをした。
この辺の手配、僕が段取っとけばよかったと思った。でしゃばりかな。


2次会の司会はサイノウさんの高校の同級生2人で、
1人は猪木の格好でもう1人はHG。エロサンタ系の格好をした。
この冬、忘年会でHGの格好をした人が大勢いるんだろうな。


飲んでて話し込んでいるうちに
すぐ目の前で始まってたチーム対抗のゲームが始まってることに気がつかないまま過ごす。
途中から参加したものの、たぶん最下位で終わる。


最後に新婦の高校時代の友達ってことで地元の音楽グループ?が演奏する。
(バンドというとまたなんか違う)
スチールパンを持ち込んだりしてかなり本格的。
ボンゴにマラカス。演奏されたのは The Boom の「風になりたい」
ケンの2次会でも「風になりたい」が演奏された。
最近はやりなのだろうか?
たった2回出くわしただけではやってるように感じる僕もなんだけど。
プロ、セミプロ、アマチュアが入り混じって演奏するのにはいい曲なのかもしれない。


この2次会が終わった時点でまだ20時にもなってない。
僕ら映画グループは町をフラフラ歩いてよさげな店を探していたら
サイノウさんの妹と出くわし、「富山といえばここ」って店に案内してもらう。
「秋吉」とかいう名前で、「きよし」と呼ばれてたな。この略し方が地元っぽい。
焼き鳥屋。中に入ってみると高校生に水商売のお姉さんに
小さな子供を連れた親子と大勢の人でにぎわっていた。そういう正に地元の店。最高。
席待ちで並んでいたらウーロンハイが5秒で作られたのを見た。
2階の大きな座敷に入ってテーブルを一列占領する。
隣のテーブルに座ったのが新婦の高校時代の友人たちで、「おー!」って感じで即入り乱れる。
青森出身の子が向こうのテーブルにいて、「じゃあこっち来なよ」ってことで話したりした。
なんでだかわからないが富山では猫ひろしが(局地的に?それともたまたま?)はやっているようで
向こうのテーブルでは「猫ひろし!」「猫ひろし!!」とコールがかかって
「ニャー!」「ニャー!!」と乾杯してた。僕らもニャーニャー言ってた。
新郎新婦不在のままなのに盛り上がる。いいねえ地元は。
僕らのような初対面の人たちが一緒になっても何も構わず。一緒に盛り上がる。
「いいねえ富山の人は!!」と僕らはいいあう。
いや、ほんとみんな人がいいね。純朴で、素直で。


どうでもいいけど、店を出た後で雪に足を滑らせて思いっきり転んだ。
俺としたことが。恥ずかしい。
会社に履いていってる革靴が完全に雪道仕様じゃないんだよな。
スニーカーじゃなきゃいいってもんじゃなかった。


そこからさらに4次会へ。
サイノウさんと合流し、サイノウさんの弟におしゃれ系の店に連れてってもらう。
ヴィレッジヴァンガードをバーにしたような薄暗い店。
アメンバーだけとなってひたすら文学と映画と音楽の話をする。


雪の降る人気のないアーケードを歩いてホテルに戻る。
午前1時を回っていただろうか?
後輩たちは部屋でさらに飲んだという。
疲れ切った僕は風呂の中で寝てた。