今年を振り返る(本の出版)

今年を振り返る、の続き。春先から夏ごろを中心に。
と思ったんだけど、今回は以下の2点に話を絞ります。
・モロッコ本の出版
・会社に映画部を作った


どちらも4月5月の話。


どうも長くなりそうなので、まずは本の話だけとなるか。
タイトルは「突然ですが、僕モロッコ行ってきます」

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改めて、本を買っていただいた皆様、ありがとうございました。
身の回りの非常に多くの方々に「買ったよー」と声をかけられて嬉しかったです。


今年一番の出来事ってこれなんだろうな。
とりあえず何か形あるものを残すことができたわけで。


会社の近くの本屋に平積みになってたり
荻窪の LUMINE の中の本屋に並んでたり
お台場の本屋で見かけたり。
新聞の広告の隅っこに載ってたり。
自分でも「すげー」って思った。
見知らぬ人が手に取ってるのを目にしたら感極まって気を失ってただろうな。
さすがにそれはなかったけど。


amazon では今でもちょこちょこと売れているみたいで
ロッコで検索して買うのか
それとも最近だと Gazz ! で知り合った人が買ってくれたか。
(10月11月にまとめて売れたので Gazz ! 効果はあったと思う)


いや、ほんとありがとうございます。
何度も何度も繰り返しになりますが。
何人かの方には自分のホームページやブログで紹介してもらったりして。
それもまたありがとうございました。


でもどれだけ売れたんだろうな。
出版社に問い合わせれば答えてくれるはずなんだけど、怖くて聞けない。
再版となれば連絡が来ることになっていて、
それが来ないうちは何部売れようがたかが知れてる。
たぶん絶版になる方が早いだろうな。
初版を売り切ったとしてもペースが遅かったら再版なんて冒険はしないだろうし。

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で、その後となるんだけど。
本を出したことにより何かが変わったかといえば何も変わらない。
大手出版社から出したわけでもないし。
空前のモロッコブームが起きてたら
ロッコ旅行の達人扱いされてエッセイの依頼なんかがあったかもしれないけど。
結局自費出版で本を出した人と大差ない。実際そういう出し方だったわけだし。


小説家になったかといえばなったとは到底思えない。
大きな一歩を進んだとは思うけど、まだまだ道は遠い。
本を出した後、リュックサックに詰めて担いで全国行脚でもすればよかったか。
こういう本出したんですけど読んでくれませんか、何か仕事ありませんかと
配って歩くような地道な営業活動。
同じように本を出して、そういうことした人もいるんだろうな。
職業として小説家になれる人なれない人の差ってのは
そういうバイタリティーも1つあるはず。僕にはなかった。

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小説を書く、で言えば今年は250枚の長編を書いた。
4月から9月にかけて半年かかった。土日にこつこつと。
忙しいプロジェクトにいたのに。パワーがあったな。
「このままじゃいけない!!」と思ってたからだ。
初めて自分の望むレベルで書けたのでとても満足している。
日本文学界における売れる作品とはなんぞやってものを一切無視して書いたので
好き放題できたというのも満足の一因。まあ自己満足だけど。
しばらく寝かして読み返してどこか応募しようかと思っていたら
仕事が忙しくなってしまった。
やばい。なんとかしないと。
今のままでいいから出そうかな。
とりあえず2人の人に読んでもらって賛否両論。
(否ってほどでもなかったけど)


コンテストに応募して結果が出るまでの間ってのは、
「もしかしたらいけるんじゃないのかな」っていう前向きな気持ちがあって
日々の暮らしも明るくなるんだよね。
だからそのためだけにも応募したい。
結果がわかるとものすごく落ち込むことになるけど。


今年はあと、 Yahoo! 文学賞に応募して結局だめ。
いけると思ってたんだけどな。珍しく自信があった。
ノミネート作品10本って言ってたのがふたを開けると5本になってた。
もしこれが10本のままだったらいけてたかな。
どれぐらいの選考まで残っただろうか。
第1次の選考は余裕で通過したはず。
怖くてその5本のノミネート作品は読めなかった。
自分が井の中の蛙だとわかって落ち込みそうで。
落ち込むだけだったら、知らないほうが身のためだと思った。
(最近思うに、いくらプロとなったところで
 自分の中ではどこまでも井の中の蛙が続くのではないか。
 井戸がもっともっと広くなる。
 そこから脱出したいと思う気持ちが、書き続ける意欲となるのではないか)


結局、自分が「こうだ!」と思ったものを書いていくしかないんだよね。
そしてそれを周りの人に読んでもらって客観的な意見をもらう。
素人が「自らの商品性」みたいなことをあれこれ余計なことを思い悩んでもしょうがないし。
それはプロの編集者がどうこうすることだ。


才能がないとは思わない。いくらなんでも。
でもそれはものすごく小さなものでしかない。僕の場合。それはとっくの昔に諦めがついた。
後はずっとひたすらそれを磨き続けるのみ。
ニッチなところでいいんで隙間を見つけてなんとか入り込む。
まあ少なくとも来年は磨き続けます。