兵役に就く

先週の日曜、WBCの準決勝対韓国戦を見ていて、
試合の経過とか内容とか選手のこととか以外に考えていたのは
韓国の徴兵制のことだった。
WBCで準決勝まで進んだため、
該当する何人かの選手の兵役が免除されることになったとか
そういうことをアナウンサーが言っていた。
サッカーのワールドカップでも前回確かそうだったような。
日本でもヒットした「猟奇的な彼女」を見ていたら
主人公は兵役を終えて帰ってきたところから始まる。
韓国では当たり前というか普通のことなのだろう。


詳しいことはうろ覚えなんだけど、
兵役は19歳から20代末のどこかで2年半ぐらい。
高校卒業か、大学2年を終えてからが多いようだ。
ベトナム戦争のときのような「良心的兵役拒否」は認められず。
身体検査を受けて合格したらよほどの事情がない限り全員兵役を経験する。
そうだ、前回のワールドカップを見たときに思ったのは
「兵役のある国には勝てんな、というか兵役のある国のほうが強そうだ。
 なんつうか闘志が違う」ということだった。今思い出した。
単にイメージの問題でしかないですが。


徴兵制がいいかどうかなんて僕にはわからない。
韓国にとって。日本にあったとして、日本にとって。


日本に徴兵制があったらどうなっていただろう。
僕は何も考えず、兵役に就いただろうな。
「みんな行ってるし」ぐらいの感覚で。
(僕は基本的に長いものには、かなり余裕で巻かれるほうだ)
「すぐには就職したくないし、ちょうどいい」
「まだ社会には出たくないし・・・」とすら思うかもしれない。
もしかしたら、全員じゃなくて任意だったとしても、行ったかもしれない。


聞かれたら、
「そりゃ戦争はないほうがいいよ」
「この地上からなくなればいいよ」と答えると思う。というか答える。
だけどそれを「聞かれなくても自ら発言する」ということはない。
そういうどことなくなんとなく反戦なスタンスのまま、
みんなが行くから、僕も軍隊に入る。
訓練を受けて、野営して、行進して、銃を磨く。
それが日常になってしまえば
「疲れたなあ」「風呂入りたいなあ」「早く帰りたいなあ」なんて日々思いながら。
「兵役ったって僕らプロの軍人じゃないから、人を殺すわけじゃないでしょ?」
そんな割り切りを早いうちに覚えて。
サボり方やごまかし方がうまくなって。
だけど時には仲間たちと熱いことを語り合って。
そして除隊の日が来ると「じゃあ」って感じで兵舎を去る。
仲間の肩を叩きながら。「向こうで飲もうぜ」とか約束し合いながら。
そして一緒の連隊にいた人とその後たまに会って飲んだりするのだろう。


そつなくこなして戻ってくる姿が想像つく。
他の人に出来るのなら、僕だって、
どんなにきつくても耐え忍ぶことができるだろう。


だからと言って「あってもいいね」ということにはならない。
やっぱ、ないほうがいい。
と、思う。