オハイオ隊、遠征(その13)5/5Rooster 〜 化石掘り

化石掘り


バッファロー・ウイングとはその名の通り
ニューヨーク州バッファローという街で生まれた手羽先の唐揚。
チリソースというかタバスコで味付けされていて、独特の酸味と辛さが特徴。
名古屋で言ったら「風来坊」並みにスパイシー。両雄並び立つね。うまい。
今いくつかサイトを検索してみたら
アメリカで唯一、おいしい食べ物だ」とする意見がちらほら。
そうかもね。現時点で僕もそう思う。
(ちなみに、このブログすごい。http://uswing.exblog.jp/m2005-09-01/
 日本人が「全米バッファローウイング選手権」に出場したときの記録)


行ったのは「Rooster」という店。
ここは辛さの段階を豊富なバリエーションの中から選べて、
最上級は何かというと
「Very Hot」とかそういうハンパな名前じゃなく、
なんと「Special Killer」(その下の段階が「Killer」)
もちろん僕は「Special Killer がいい!」と主張。
「えー・・・やめようよ」という声も上がるも、断固 Special で。
なお、最下級はなぜか、「Teriyaki」


店に入る前に、すぐ近くにあるボブの働いているオフィスをちょろっと見学。
と言っても敷地内に車で入って通り抜けるだけ。


店はアメリカの、ハイウェイ沿いの郊外でよく見かけるような、
いくつかの店が横一直線に連なった細長い建物の中。
この手の建物はチャイニーズであるとか、インド料理や日本料理、
(比較的)小さなスーパーやその他ファーストフードが一緒になっている。
シンシナティ近郊のどこに行ってもこういうのばかり。
恐らく、アメリカ中の「郊外」がみんなみんなこうなのではないか?


中に入っていくと薄暗く、赤い照明の中、どのテーブルもアメリカ人ばかり。
観光客が入る類の店ではなく、本物のアメリカ人が利用する店。
僕らが入っていったら人目を引いたようで、一瞬視線が集まった。


6人掛けの大きなテーブルに座る。
隣にはえらくガタイのいい男たちがマッチョな昼食。


真っ赤な壁にはネオンサイン、
ボクシングの試合や派手なアメ車の写真、女優のシールが貼り付けられた額、
映画「Easy Rider」のポスター、2台のハーレーにまたがった
ピーター・フォンダデニス・ホッパージャック・ニコルソン
これぞアメリカ。
僕のような日本人が思い描くような古きよき時代の、アメリカ。


まずは飲み物のオーダーってことで、僕とボブはミラー・ライト。
タクはコーラ、ジュンコはアセロラのジュース、コムギちゃんはウォーター。
出てきたのはどれもキングというかジャンボというか。
水までジャンボサイズって何・・・
「大きいことはいいことだ」
アメリカの第一原理は絶対これだろう。


そんでもって肝心のバッファローウィング
辛さ Medium を20本と Special Killer を5本。
一番喜んだ手前、僕は初めに Special Killer を食べてみる。


辛い!


でも食えない辛さじゃないね。日本のカレーの20倍だとか、ああいうのじゃない。
よかった。ほのかに酸っぱくてうまい。
ビールで辛さを拭った後、Medium へ。ボキャブラリーが貧弱でなんですが、劇ウマ!!
いい!最高!!
これはビールが進むなあ。本格的な店が日本に進出したら絶対受けると思う。
つーかケンタッキーも醤油味とかチンタラしたものを出してんじゃなくて
バッファロー・ウイングを出せばいいのに。
手羽ですよ、手羽。これからは。


「男は黙って Special Killer」という標語の元男性陣は1人1本ずつ食べる。
女性陣は当然のごとくパス。
結局僕1人で3本食べたような気がする・・・
Medium も少なく見積もって、5本か6本。
あー。次アメリカ行くことがあったら、また絶対食べよう。忘れられない味。


他食べたのは、ポテト、ブリロー、セロリのスティック。


店内が薄暗かったのでデジカメで写真撮るときにフラッシュをたいていたら
タクに「やめたほうがいいよ」と注意される。


食べ終わってタクはウェイトレスを呼び止めて灰皿をもらう。
「あるの?」とコムギちゃんが聞く。
「さっきどっかのテーブルで吸ってたよ」
店内で煙草が吸える店ってのはアメリカではかなり珍しいようだ。
この Rooster のように多少「荒くれ」てないと雰囲気的にそぐわないのかな。
裏を返すと、タバコというものは
日本以上に公共の場から締め出され、喫煙人口も少ないわけだ。たぶん。


トイレに行くと、男性用が「Rooster」で雄鶏、女性用が「Chic」で雌鳥と書かれていた。


店を出て、次に向かうは Caesar Creek の州立公園。
ハイウェイ71号線(75号線だったかな?)をデイトン目指して北上。その途中にある。


車の中でのコムギちゃんとジュンコの会話:
日本食って買えるの?」
「けっこう買えるよ。変なのばっかりだけど。高いし。普通の食べ物の3割増かな」
「えっ!高い〜。どこで買うの?スーパー?」
「うん。たいがい、スーパー。
 でもスーパーで売ってるものだと、野菜が新鮮じゃなかったりする」
「それヤだね」
「あと、賞味期限が日本の感覚と違うものも多い。牛乳が1ヶ月とか、豆腐も1ヶ月とか」
「えー!それおかしいよ」
「でしょ?」
「スーパーでしか買えないの?」
「ううん。近所の牧場で卵買ったり。コロンバスまで行けばアスパラ狩りのできるところがあるよ」
「アスパラ狩るの?アハハ。
 ・・・そういうどこそこで何が買えるって情報は日本人から仕入れるの?」
「うん。すごいよ。こっちの奥様ネットワーク。オハイオは日本人ばかり。
トヨタと、シンシナティに本拠地のある P&G が、日本人の多いベスト1&2となる)
 私も、こっち来て長くなる奥さんからあちこち連れてってもらった。
 今日スーパー行くけどどう?って電話かかってきて、行きます!って」
「どこからそういうネットワークに入ってくの?旦那さんの会社から?」
「どっちかって言うと、英会話教室から。こっちではみんな通ってる。
 でもいろんな人がいる。何年もいるのにちっとも話せない人とか。
 日本人同士の結びつきが強くて日々接してるから、困んないんだよね。
 全然英語話せなくても」


いつの間にか車は田舎を走っていて、
菜の花畑が一面に広がっていたり、
秋の収穫からそのまま放置されたトウモロコシ畑が茎だけを残していたり。
Caesar Park 到着。
化石を掘るには公園管理事務所にて手続きをするのが正しいようだが、
僕らはトイレに立ち寄っただけ。実際は手続きしようがしまいが現場に誰もいないのだそうな。
(確かにいなかった・・・)


休憩のため車から降りると、青々とした木々に、透き通った湖。
空気がきれい。肺いっぱいに吸い込む。
雲1つない青空から降り注ぐ日差しをいっぱいに浴びて、緑が眩しい。


再度車に乗って、ちょこっと行って化石の採掘場へ。
山の中の一本道を進んでいくと急に両側が開けて原っぱになる。
そしてその前方の端が断層になっている。


僕ら以外には道の反対に車が一台止まっているだけ。穴場?
さっそく断層にて化石を探す。
小さな貝殻が混じっている石ならばすぐに見つかり、
ものすごくラッキーならばアンモナイトを発見するとかしないとか。
恐竜の骨はさすがに無理か・・・
人によっては化石堀りにはまって、一日中でもいたいと。
土を払うための歯ブラシ片手に・・・


みんなして真剣になって斜面に落ちてたり、断層に挟まっている石をひっくり返す。
貝殻程度ならばすぐにも見つかる。
小さめので一個見つけて僕はよしとし、
その後見つけた巻貝っぽい化石はジュンコにあげた。


断層からはどこから沸いてくるのか、水が滴り落ちている。
それが地面にたまって水溜りになっている。
見るとおたまじゃくしが泳いでいた。
ボブが言う。「懐かしー。何年ぶりに見ただろ」