カーネーション「夜の煙突」「からまわる世界」

最近の若い人は知らないと思うけど、

カーネーションってバンドがあって僕は昔から好きだ。
一番大好きなお気に入りってことではないんだけど、なぜかよく聞く。
学生時代から知っててもあんまり熱心には聞かず、
身近に聞くようになったのは社会人になってから。


家に帰ってきて、気がつくとベストアルバムをCDのトレイに乗せている。
忙しい時期に夜遅く疲れきって帰ってきて、
シャワーを浴びて寝る前に1曲しか聞く時間がないってときも
そのベストアルバムの中のどれかの曲を選んで聞いている。
そして、布団の中に潜り込んで眠る。


そんな時期が年に何回か訪れる。
今、またそういう時期に入ったようだ。
今回は「夜の煙突」ばかり聞いている。
いろんなバージョンのを日替わりで。
いくつかあるライブアルバムの中で、必ず取り上げられている。
名曲、とされる。


歌の中で主人公は、
煙突にまつわるなんらかの工事みたいな仕事についている。


サビの部分でこんなふうに歌われる:


「はしごをのぼる途中で
 ふりかえると僕の家の灯りが見える」


なんてことない一節なんだけど、
このところ、僕の心を捕らえて放さない。
美しい光景だと思う。
夜の町並み。
いまどき煙突があるぐらいなのだから、
どこか時代に取り残されたような、
昭和の時代の暖かさが残されたような、
そんなのどかな町なのだろう。
にぎやかだけど眠りにつくのが早く、
まだ一家団欒というものの名残が残されてそうな。


そんな町で、なぜか、主人公は真夜中に煙突をのぼっている。
いったい、なんのために?
誰に会うために?
君に会うために?


平日は仕事して仕事して仕事して、一瞬で一週間が過ぎ去って、
そして今、土曜の昼。東京は雨が降っている。
部屋の中で、またしても「夜の煙突」が入っているライブアルバムを聞いた。
1曲目は「からまわる世界」
こういう歌詞だった。

                                                              • -

何もかもがいやになる時もあるのさ
ある日 国道ぞいをただ歩いていたら
意味もなく君に会いたくなったよ
何時に電話しても
僕の話 聞いてくれるかい
君が欲しい
どうかしている


(中略)


いつまでも会えない
このままじゃ会えない
からまわる世界で
からまわる世界で


意味もなく君に会いたくなったよ






505~Five Oh! Five~

505~Five Oh! Five~