出版社倒産、その後(その1)

碧天舎倒産、その後。
日々は淡々と過ぎて行き、「ああ、そんなこともあったなあ」ぐらいのものとなる。
もう何年か先には本を出したことすら忘れてるかもしれない。
事件は風化していく。
一時期あれほど 盛り上がっていた mixi のコミュニティも沈静化。
在庫の本を倉庫から取り戻すことが出来たとか、
じゃあその本をどうやって売ろうかってのと
出せずに終わった本をどこか他の出版社と交渉中だとか
(でも、結局は似たような自費出版系のようだ・・・)
そういうのがちょこちょこと話されるぐらい。
「被害者の会」とか「集団訴訟」とか最初のうちは血気盛んな人もいたけど、
いつのまにかそういうムードも消えていった。
積極的にいろんな人と意見交換をしていた人が
ある日突然 mixi から退会していたりする。
なにかあったのだと思う。


結局この件は、この国で日々生まれては消えていく
様々なニュースのうちの1つに過ぎなかったわけだ。
本を出すことに生きがいを見出していた
大勢のお年寄りの方たちはどうしているのだろう?
完全に泣き寝入りなのだろうか?
この国の片隅のどこかで、ひっそりと。1人きりで。


それでもまだ、自費出版でいいから本を出したいという人がいるんだろうな。
もしかしたら今回のささやかな騒ぎを知らないまま、という人も多いのかもしれない。
いいことなのかどうか、今の僕にはわからない。
出したければ出せばいいのだし、お金があるのならその人の自由だ。
ただし夢は見ないこと、リスクは自分で追うこと。
何事もそういうものなんだよな・・・


事件の真相については日経ビジネス6月に詳しい記事が載っている。
決定版だと思う。
マスコミで取り上げられるのも、これが最後だろう。


碧天舎で本を出して、倒産騒ぎの混乱の中、
どうにかならないものかと情報を求めているうちにたまたま僕のブログを見つけて、
連絡を取ってきた何人かの方々。
その後どうしているだろうか?
幸あらんことを。


僕はなんの役にも立てませんでした。