「嫌われ松子の一生」

(いわゆる「ネタバレ」系のことを書いてますが、
 この映画はストーリーがばれたところでビクともしないと思う)


昨日に引き続き。「嫌われ松子の一生
これはすごい。必見。★5つ級。


「腹抱えて」ってほどじゃないけど随所で笑えたし、
最後ほろっと泣けてきた。 つつーと涙が出てきた。
ビジュアルアートやストーリーが
上っ面で荒唐無稽なのは百も承知で、っつうか狙い通りで、
意に介さず「これでもか!」「これでもか!」「これでもか!!」と
突き進んで捻じ伏せていくパワーが圧倒的。
中谷美紀女優魂と中島監督の世界観ががっぷり四つ。


1人の人間の一生というか生き様をきっちり描いて
ここまでエンターテイメントとして成立した作品は
最近ないんじゃないかな。お薦めです。
今年No.1の邦画かもしれない


僕らの見た回の次の回は立ち見でした。
大ヒットっぽい。でも、単館上映か・・・?
だとしたらもったいないな。


客席の8割方が女性。カップルか、女性2人連れか。
中学校の先生だったはずがソープ嬢に刑務所にヤクザの情婦、
最後は引き篭もり(おまけに光GENJIのおっかけ)とどこまでも転落していく。
なのに主人公は男と愛し愛されることを明るく朗らかに求め続ける。
どんな不幸のどん底でも本人からしてみれば
ハッピーでお花畑が咲いていて、歌まで歌いだす始末。
自分の気持ちに正直過ぎ。自分に嘘をつかない。
そんな姿に女性たちはどこかしら自分と重ねあわせる?
自分には到底できそうにないことを映画の中の主人公に託す?


中島監督は前作「下妻物語」が話題になったわけですが。
それ以前の経歴としては
ドラマでは「世にも奇妙な物語」「私立探偵濱マイク」といった話題作を手がけ、
CMではサッポロの名作「LOVE BEER ?」を作ってるんですね。
なるほどなーと思った。


主人公松子が男のクズみたいなのと
くっついて同棲しては悲惨な目に遭うのを繰り返すのは
結局のところ満たされなかった家族からの愛の裏返しだったわけですが。
ラストで、その家族のところに戻っていくシーンはほんと素晴らしいです。
泣けました。今思い出しても、ほろっと来ます。


スカパラ谷中敦がギンギラギンの格好でソープ「白夜」の支配人として出てくる。
これがはまり役で、とてもかっこよかった。


中谷美紀は僕、「ケイゾク」が20代以後唯一全回見たドラマだ、
というぐらい好きだったりします。
いやー。よかった。
きれいだなー。この人は。
中谷美紀ソープ嬢やヤクザの情婦になるのだから、・・・