酔っ払って道端で寝るという行為

昨日の夜、あれは10時頃か。
会社から帰ってきて荻窪の駅を出て、青梅街道から小さな通りに入ったところで
ふと見ると酔っ払った女性が道端にうずくまっていた。
パーマをかけた髪は茶色。ハイヒール。
いまどきどこでも見かけるような普通の女性。20代半ばか。
COACHのバッグを右手につかんで傘を放り投げていた。


どこかで飲んでたのだろう。
そしてその後、家に帰ろうとしたのに酔っ払って歩けなくなったのだろう。
恋人と飲んでいたというのなら普通こんなになるまで酔っ払うことってないだろうし
(すごく酔っ払う人だとわかっているのなら普通恋人は飲ませないか、家まで送っていく)
まあ何かあって友人と飲んでいたのだろう。
そういうことにしておく。


こういうとき、見かけた人はどうするべきか?


もちろん僕は、迷わず通り過ぎた。
何て声をかけるべきかわからないし、何をしてあげるべきなのかもわからない。
コンビニで evian か volvic のペットボトルを買って手渡す?
肩に寄りかからせながら家までついていく?
隣に座り込んで話し込む?


通常、どうするものなんだろう?


・・・ほっとくんだろうな。


通り過ぎた一瞬の間に、
その子のアパートまで送ってってそのままやっちゃうことから、
話しかけたのに「いやよ!触らないで!」と拒否られることまで様々思い浮かんだ。
たぶん、酔っ払い特有の意味不明なことをボソボソ言われるのがオチなのだろう。
そして僕は首を振ってそのまま歩き去る。


僕と彼女の人生は、普通に考えれば、交差することはありえない。

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そういえば昨日の朝、田町駅を出て歩いていたら
20代後半ぐらいのサラリーマンが橋の上で寝転がってた。
前日飲み過ぎて一緒に飲んでた人からほっとかれたのだろう。
スーツのまま寝てヨレヨレになっていをて、靴の片方が脱げていた。
鞄はなし。たぶん夜の間に盗まれて、財布を抜いた後、川に捨てられたと思われる。
書類や社員証の類は紛失して、このセキュリティにうるさいご時世、
社会的・会社的信用の失墜は免れない。
通り過ぎて眺めながら「あーあ」という気分になる。
道行く人は「ああ、また酔っ払いが寝てる」ぐらいの気持ちで眺め、
誰も何もしようとしない。
朝、この時間は、近くの高層マンションの建築作業で
大勢の現場労働者たちが行き交いする。

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その後どうなったのだろう?と昼間仕事しながら考える。


僕もこれまでの人生で酒の席で飲み過ぎていろいろなことをしでかしてきたが、
幸いなことに道端で寝てたってことはただの1度もなかった。
意外としっかりしている。記憶をなくしても、ちゃんと振舞っている。
屋外とか、知らない場所で目を覚ましたということはない。
心の奥底でガードが固いんだろうな。

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それにしても、女の子が前後不覚になるまでお酒を飲む理由って
いったいなんなのだろう?