「ナウカ」倒産

昨日 Yahoo ! News にこんな記事が載ってた。


ナウカ書店 老舗のロシア語専門書店が破産 神田神保町
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/economy/publishing/?1156235289


学生時代第二外国語でロシア語を取っていて、
大学院でロシア文学を専攻していた僕はもちろん、行ったことがある。
上京して初めて神保町に行ったのはこの店を探すためだったように思う。


どこまで本気だったのかわからないが、
卒業後就職して1年目だった頃か、ゼミでお世話になった教授から
ナウカが人を募集してるんだけどオカムラ君行く気ないか?」と聞かれたことがある。
仕事で使えるほどロシア語ができるわけではないので即座に断った。
就職活動中だったら受けに行ったかもしれないが・・・


それにしても、こういう本屋が破産してしまうってのは寂しい世の中だ。
ロシアやロシア語に興味を持つ学生も少なくなってんだろうな。
冷戦の時代、そして90年代の融和の時代までは
強力な存在感を発していた旧ソ連・現ロシアも
今となってはヨーロッパの地味で巨大なワン・オブ・ゼムだもんな。
卒業後もロシア・ロシア語に関心を持ち続けている人も少なくなってそうな気がする。
ロシアに関するニュースもそういえば最近ほとんど聞かない。
プーチン大統領の発言や動向が話題となることもない。
テロと石油とチェルノブイリかな、去年・今年のニュースで覚えているのは。
庶民の暮らしがどうなっているのかなんて、もう誰も注意を払ってないかのようだ。


僕は今、学生時代にロシア関係で出会った様々な人々を思い浮かべる。
学生もいれば社会人もいた。
そのほとんどが音信普通となった。
あの人たちは今でもロシア語を続けているのだろうか?


僕はもう完全に縁がなくなり、忘れてしまった。
1から10まで言えるだろうか?と試してみたら
アジン(1)、ドゥヴァ(2)、トゥリ(3)、チェトゥイリェ(4)
ここまでしか思い出せず愕然とした。
ああ、なんのために大学に行ったのだろう。
まあ、第一にロシア語のため、ってわけではなかったけど。


いつかまた行ってみたいな、と思う。
ロシアという国に。モスクワに。
赤の広場はどうなっているのだろうか?
Гум(グム:国営デパート)はまだあるのだろうか?
ゴーリキーパークの遊園地はまだあるのだろうか?
イズマイロフスキーパークの蚤の市に行きたい。
ネヴァ側下りをもう1度したい。

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僕はいつの日か、カザフスタン共和国にある
バイコヌール宇宙基地について小説を書きたいと思っていた。
旧ソ連の時代から今に至るまで全ての有人宇宙船はここから打ち上げられている。
その中には1961年のユーリ・ガガーリンを乗せたボストーク1号も含まれている。
もし、小説家になっていたら40ぐらいにライフワークとして書くつもりでいた。
ロシアの宇宙開発の歴史について、本格的に調べて。
そのための資料漁りを趣味ベースで始めようかなと思っていたところだった。


そんなとき、「ナウカ」のような書店がなくなるのはほんと、痛い。
とりあえず行ってみて、なんか探してみようかと思った。