ブログというもの

最近また、ブログというものについて考えだしている。
WEB2.0 という観点で何がどうあるべき?という業界動向的なものではなくて。
草の根レベルの話として。


ブログというものが広く世の中に浸透して、一般的になった昨今、
猫も杓子もブログを書くようになった。
ここに同じく浸透した SNS が加わったとき、こういうことを始める人がいる。


例えば、Yahoo ! を開いたときにトップページに並んでいるニュースのリンクを
手当たり次第個別のエントリーとして貼っていって、そこに一言コメントを載せる。
例)「こういう悲惨な事件は二度と起きないでほしいですね」


僕は最初、これっていいのだろうか?と思った。
安易過ぎないか?
こんなの、誰だってできるじゃないか。こういうのをブログと呼んでいいのか?


ブログというものを、僕は「表現」とか「発信」に重きを置く行為だと捉えていた。
別に長々と文章を書く必要はなく、確かにリンクを貼るだけでもいい。
ブログって元々は WEB LOG のことであって、
広い広いインターネット上のどこかで見つけたものを残しておく備忘録だったのだから。
でも、そこには取捨選択を行なうに当たっての「視野」「視点」「視線」が必ず必要であって、
その視点の面白さによって星の数ほどあるブログの中から、
「読むべきもの」として口コミで広がっていくか、あるいは淘汰されていくのである。


Yahoo ! ニュースのリンクを貼ってるだけっていうのは、
そういう「視点」を持つことの意味を放棄してしまっている。


正直腹が立った。
毎日毎日せっせせっせとあれこれ書いていた僕としては。
mixi の日記みたいにクローズドな場ならば友人との話題作りに
そういうことするのもありだとは思うが、
オープンな場でそういうことするのって、どうよ?


・・・なんて思っていたのだが。
よくよく考えると、こういう行為もまた時代の流れなのかなと。
ブログが「表現」とか「発信」とか「選択」とか「視点」である時代はもう終わったのかもしれない。
2・3年前の定義のまま、僕が止まっていたのかもしれない。
ブログを書く人は書くあるべしみたいなスノッブな定義に凝り固まっていた。


たぶんもう、世の中は「ブログ」という概念や枠組みすら不要になったのだろう。
何かを発表する場があって、そこに何か書いてます、というだけ。
その人にとってそれがコミュニケーションの方法だというのならば
誰もそれに対して、「No」と言うことはできない。


僕はただそれを、「読まなければいい」というだけのことだ。
興味をもてないならば。


ブログというものは今、発展の時期を終え、飽和状態にある。
そろそろ転換期にあるのだな、と僕は思った。