「私を撃って」

気になるニュースがあった。


「<米学校乱入射殺>死亡の少女「私を撃って」と哀願」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061007-00000038-mai-int
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061004-00000031-mai-soci
http://www.sanin-chuo.co.jp/newspack/modules/news/article.php?storyid=823494009
http://www.afpbb.com/article/953087


ペンシルバニア州アーミッシュの村。
学校に銃を持った男が現われ、教室から教員と男子生徒を追い出すと
女子生徒を前に並べて足を縛って1人ずつ「処刑」を行う。その後、男は自殺。
5人の女子児童が死亡、5人が重症という事態に。


男は32歳、地元のトラック運転手。
20年前に親戚の少女に対して行った性的いたずらについて
長年にわたって罪の意識に苛まれていたことを、犯行の直前に携帯電話で妻に告白した。
子供たちには「神様に怒りを感じているから」と語った。


「処刑」のさなか、13歳の少女は男に対して
「私を撃って他の子は解放して」と哀願したという。
そしてその子もまた、撃たれて死んだ。

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不謹慎な発言だけど、「これって映画になるな」と思った。
素材として映画になりそうな要素を持ってるし、
実際に、この事件をモチーフにした映画が作られそう。


「私を撃って」と叫ぶことになる少女の、アーミッシュの村の中での慎ましい生活。
素朴ながらも家族や友人たちと過ごす、楽しい毎日。その中で育まれる信仰。
銃を手にする男の、過去のトラウマに囚われた、抑圧された生活。
一般市民の仮面の下に隠された悪夢のような日々。
何の接点もなかったはずの2人の人生が、事件という形で交錯する。


教室の隅で怯える少女たち。
男の独白。
銃声。最初の犠牲者。
「私を撃って」
男の独白。
銃声。重なり合う銃声。
散乱する死体。
男は銃を自らに向ける。
銃声。


葬儀。アーミッシュ独特の喪服をまとった家族たちが馬車に乗って村を横切る。
押し寄せるテレビ局のレポーターたち。上空を旋回するヘリコプター。


残された者たち。
混乱した日々が過ぎ去り、静かな生活が戻ってくる。
彼らは傷跡を全て覆い隠し、何事もなかったかのように振舞う。
しかしその傷跡は深い記憶の底にいつまでも残り続ける。
残り続ける・・・