mama! milk / F.I.B. Journal

昨日の午後は浅草へ。
会社の先輩に誘われて mama! milk のライブを見に行く。
イベント名は「DAWN MOOD NOCTURNE」
http://p3.org/aas/061009/text.html
F.I.B.Journal と2組のライブ。


会場が浅草、ということで
だったら日の出桟橋から水上バスに乗っていこうと
浜松町まで行ってテクテクと歩いたものの、
行ってみたら今日は増水により全便欠航。残念。
引き返して浅草線に乗る。


そういえば丸の内線を銀座駅で下りて有楽町マリオンの前に出たら
号外を配っていて、なんだろ?と思ってもらったら
北朝鮮が核実験を行ったとのことだった。
読売と朝日が配っていて、
どちらもテレビ局のクルーが街行く人にインタビューしていた。


浅草。昔バイトしてた店の姉妹店が ROX にあったので、懐かしくなり行ってみる。
もう店は畳んでしまっていて、ビル自体昔の面影はない。
こんなもんか、と思って出る。


会場のアサヒ・アートスクエアに向かう。
浅草の例の金色のオブジェが乗っかった建物の中です。初めて入った。
エレベーターで4階まで行くと
薄暗いホールにステージがあって、椅子と若干のテーブルが並べられている。
僕らはテーブルを確保して、缶ビールを買って飲む。
DJ が mama! milk に似た雰囲気の曲をかけている。


mama! milk は京都を中心に活動している。
http://www.mamamilk.net/
CD を探したらクラブ系ってことになってるけど
編成はアコーディオンの女とコントラバスの男の2人。
キャバレー音楽とタンゴの融合のようでもあり、そういうのとは全く違うものでもあり。
退廃的で官能的、なのに清楚とした佇まい。
例えて言うならば「暗闇の天使」? (bauhaus じゃないですが)
なんにせよアコーディオンってこの世で最も妖艶な楽器だと思った。
目を閉じて身を反らし、ゆっくりと蛇腹を広げるのって妙になまめかしい。
ステージの上には手回しのオルゴールがあって


クルクル回していくとパンチされた紙を読み込んでいってかすかなメロディーを奏でる。
そこにコントラバスが重なる。そういう場面からライブがスタート。
アコーディオンの音に仕草もさることながら、
コントラバスにもいろんな表情があって。
ボディをタンバリンのようにスタッカートで弾いたり、指輪で叩いたり。
曲ごとにあれこれ、恐らく正式な弾き方としてはかなりイレギュラーなことをやってのける。


前日見た DVD (最新作「Gala de Caras」が Dual Disc になっていた)のクリップでは
チェロとマリンバを加えた演奏だったので、
ライブの途中もゲストが出てくるのかなと思ってたんだけど、2人だけで最後まで。
10曲ぐらいやっただろうか。
アコーディオンコントラバスという簡素な編成なのに、
1曲1曲様々な風景を奏でるようで飽きない。
見終わる頃には「アコーディオンに寄り添うべき楽器はコントラバス以外にありえない」
とすら思ってしまう。
これって mama! milk のスタイルが完成されているからなんだろうな。


F.I.B. Journal は思わぬ広いもの。3人編成。
凄腕ウッドベースに凄腕ドラムをバックに従えて、
ジャズ系のポエトリー・リーディング。
ギターを弾いたり、拡声器を使ったり、
クラッチならぬラジカセでテープをキュルキュルと早送り/巻き戻ししたり。
流れてきたのはニュースの朗読(?)や、トランペットの独奏。
見た目は全然違うけど、
在りし日のニューヨークのヒップホップってこういう感じだったのかな。
生音じゃなくてターンテーブルだったってだけで。
とにかく演奏のハードボイルドさが半端じゃなくて、
終わったら即 CD を買った。これ、かっこいいよ!!
やってることは誰かが既にやってそうなことなのに、
そういうの無関係にライブで聴いたら実力で捻じ伏せられるというか。
ベースは Ego-Wrappin' のサポートメンバーで、ドラムは Phat のメンバーだった。
この2人の演奏だけで十分聞いていられる。
ニューヨークのジャズの雰囲気からファンクロックのダイナミズムまで
変幻自在、自由に行き来する。


調べてみると、ヴォーカルは Little Creatures 系の Noise on Trash のメンバー。
mama! milk と共演のアルバムを出していて、その縁で今回のライブとなったか。
http://fib-journal.weblogs.jp
HP を参照するとこのところあちこちでライブをやってるみたい。
CD をさっそく聴いたんだけど残念なことに
ライブの圧倒的な演奏が全然捉えられていない。
機会があったら、是非とも生で聴いてほしいと思う。

それまで知らなかった音楽に出会って、ちょっと興奮。
音楽が明日の活力になるって久々だ。前向きな気持ちになった。