いざなぎ景気

今のこの景気の良さって
いざなぎ景気」を抜いて史上最長になるとニュースで聞いた。
(↑65年から70年までの5年間)


景気ってここ5年近く、よかったんだっけ?
新聞を見てもニュースを見ていても
「庶民は実感していない」という趣旨のコメントが添えられている。


ここ1・2年のことならなんとなくわかる。
就職活動が売り手市場になってバブル期に近づきつつあるとか。
そういう話を聞くと実感がわく。
でも5年前ってどんなだったか??


そもそも今身近に景気のよさって感じないし。
バブルの時代を知っているから、
景気がいいってどうしてもそういうのイメージしてしまうし。
「バブルの頃が史上最長になるんじゃないの?」
なんて素人の僕は思ってしまう。
どういう仕組みなのだろう??


青森に帰ると駅前の新町の商店街は寂れていく一方。
荻窪の僕の通勤路でもお年寄りが細々とやってたような店がいくつか畳まれた。
その一方で、ベタだけど六本木ヒルズに代表されるような華やかさ。
富が一極集中するようになり、いわゆる「格差社会」が生まれつつあるのか?

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いざなぎ景気」のこの5年間、
60年代後半って実は景気がよかったのか・・・


今、四方田犬彦の「ハイスクール1968」というのを読んでいる。
68年から70年の、東京の進学校で過ごした高校時代を綴った自伝。
ジャズ喫茶にたむろして、学校内にバリケードを築いて、という時代。


1969年は大学紛争の年。
僕はこの頃の時代のことを、不景気だったとばかり思っていた。
いざなぎ景気」って社会の時間で習ったけど、僕の中で全然リンクしてなかった。


日常的にデモが行われ、若者たちがこぞって参加する。熱病のように。
これって不景気な時代だからではなくて、
景気のいい時代だからこそ可能なことだったのか。
そう言われてみるとそうなのかもしれない。
69年をピークにして、70年に入ると熱狂的な雰囲気はサーッと引いていく。
これって景気の動向とも絡んでそうな気がする。
この後一部の過激派がさらに過激な路線をひた走る。
世の中全体が身動き取れなくなって、沈滞したムードが広がって、追い詰められていく。
72年の浅間山荘事件。
これって世の中が不景気だったからこそ、起きたことなのかもしれない。
庶民はそれを、テレビで目撃するわけだ。
自らが関わることはなく。

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69年前後というのは個人的にはとても興味があって、
いつか時間があったらこの頃の時代の雰囲気を伝えるものを
あれこれ漁ってみたいと思うのだが・・・