「大エルミタージュ美術館展」

今日は文化の日
たぶん今頃大学では学園祭なんだろうな。
さすがにこの年ともなると行くことはない。
映画サークルのOB会も呼ばれることはなくなったし。


今日は夕方から DELA 君のイベント"Camouflage"
「antennasia "23 Bluebird Street, Velo-City" Release Party 」
誘われたので見に行く。

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昨日上野の東京都美術館で見た「大エルミタージュ美術館展」について。
http://www.ntv.co.jp/hermitage/


大学2年生の夏、94年、
語学研修って名目で8月の1ケ月をモスクワで過ごした僕は
1週間サンクトペテルブルクに行く機会もあって、
そのとき半日だけだったけどエルミタージュ美術館に入ることができた。
大英博物館ルーブル美術館と並んで、世界三大美術館の1つ。
世界史の教科書にも出てくるエカテリーナ2世のコレクションが元になっている。
とにかく大きい。ちゃんと1つ1つ見て回るとしたならば
確か1ヶ月だったか1年かかるとか。
僕はこれを駆け足で、文字通り走るように駆け巡りながら見て回った。
ピカソマティスの絵を求めて。
この時はこうするしかなかったんだけど、今思うとこれは残念な過ごし方。
元々が宮殿であったので
ピョートル大帝の間」「聖ゲオルギウスの間」
といった壮麗な部屋の雰囲気をもっと味わっておくべきであった。


公式サイトを見ると、美術品ではなく各部屋のヴァーチャル・ツアーがあったので、参考に。
http://www.hermitagemuseum.org/html_En/05/hm5_9_0_1.html


若き日の僕はすっ飛ばしすぎたよ。
もう1度ちゃんと見たいなあ。最低でも1日かけて。
死ぬまでにもう1度・・・


で、今回の美術展ですが。
本来300万点もの美術品を所蔵しているうちの、今回は80点のみを公開。
超厳選。このペースで行ったら
毎日内容を変えて1000回やってもまだ全然半分にも満たないというね。
もちろんそんなことできるわけもなく。
じゃあ日本で人気のあるピカソマティスゴッホとモネを
あるだけもってこいってのも無茶苦茶な話。


結果、幅広い時代の作品を満遍なくということになり、
そのためにテーマをかなり限定することになる。
コンセプトは「都市と自然」
これが3つに分かれて、Ⅰ 家庭の情景 / Ⅱ 人と自然の共生 / Ⅲ 都市の肖像
という括りに。
これがそれぞれ美術館の地下、1階、2階に対応する。


Ⅰ 家庭の情景
 *ピエール=オーギュスト・ルノワール「扇子を持つ女」(1880)
 *モーリス・ドニ          「婚礼の行列」(1892)
 *マリー・ローランサン       「アルテミス」(1908)
Ⅱ 人と自然の共生
 *クロード・モネ     「ジヴェルニーの干草」(1886)
 *ポール・ゴーギャン   「果実を持つ女」(1893)
 *パブロ・ピカソ     「農夫の妻」(1908)
 *ピエール・ボナール   「汽車と荷船のある風景」(1909)
 *モーリス・ド・ヴラマンク「丘の上の風景」(1926)
Ⅲ 都市の肖像
 *アンリ・マティス 「リュクサンブール公園」(1901)
 *アンリ・ルソー  「リュクサンブール公園ショパン記念碑」(1909)
 *アンドレ・ドラン 「水辺の家」(1910)
 *モーリス・ユトリロ「モンマルトルのキュスティン通り」(1909)


などなど。
自分の知ってる人を挙げてみた。
こうしてみると19世紀末からの作品が多そうだけど、実際は逆で、
残りの大半が17世紀から18世紀にかけてのもの。
名前を知らない、初めて聞く人ばかり。
恐らく、この機会にエカテリーナ2世自らの蒐集品を
多く展示したいという意図によるものなのではないか。
これ、いいことだと思う。むしろ新鮮に感じた。


(ほんとはエカテリーナ2世の時代に絞りたかったのだろうけど、
 それだと地味で人が呼べないから、
 19世紀末以後の人気ある画家の作品も加えたのではないか・・・)


エルミタージュの規模を思うと80点ってのは余りにも少なく、
ミーハーな美術ファンにとってはビッグネームの作品も少ないということで
ちまっとした小ぶりな展覧会だなあと僕は感じた。


でもいくつか印象に残る絵画を観ることができて、僕としてはOKな気分になる。
例えば、ピーテル・ヤンセンス・エリンハ「オランダの室内」(1670)
この絵、なんというか現代に通じるような孤独とその静謐さがあるように思えた。
先ほどのエルミタージュのサイトだと、
http://www.hermitagemuseum.org/fcgi-bin/db2www/fullSize.mac/fullSize?selLang=English&dlViewId=DXG9J3QMCBDTJRPF&size=big&selCateg=picture&dlCategId=I9K0K5%2B237KB$OE%2B40MA&comeFrom=browse

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今回の80点については、94年の夏に見た記憶のある物、皆無。
そりゃそうか。でも駆け足で通り過ぎた中にあったかもしれないんだよな。
あの時見た中で今も鮮明に思い出せるのは
アンリ・マティスの巨大な、壁を覆い尽くさんばかりに広がった「ダンス」だけ・・・
http://www.hermitagemuseum.org/fcgi-bin/db2www/fullSize.mac/fullSize?selLang=English&dlViewId=T41L1SARQRZC5EFV&size=big&selCateg=picture&dlCategId=D2IQ47M$BWXA34AL&comeFrom=browse

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帰りに画集とポストカードを買う。


ミュージアムショップにて各国の切手を集めてポストカードにしたものが売られていて、
「これ、いいね」と思って買った。
asano stamp ってとこで出してるもののようだ。