マトリョミン

卓上テルミンってのがあったらほしいなあ。
机の上に置いといて、暇なときとか気分転換が必要なときに
右手と両手をチョイチョイ動かしてヒュイーンと音を出したいなあ。
なーんて心の片隅でこっそり思って早数年。
卓上テルミンは見つけられなかったが、
マトリョミン」ってものが世の中に存在することを知る。
マトリョーシカテルミンマトリョミン
ジョークかと思ったら本気で売ってた。おもちゃじゃない。
http://mandarinelectron.com/products/index.html
すごい会社が世の中にあるもんだ・・・
「ロシアっつったらさ、マトリョーシカテルミンじゃねーの?」
っていうノリで手先の器用な人が遊びで2つ足してみた。
始まりはきっとそういうことなのだと思う。


そのとき思ったことが
「ロシアっつったらさ、ウオッカキャビアじゃねーの?」
KGB赤の広場じゃねーの?」
だったらそこから先新しいビジネスは何も生まれなかったわけで、
人の発想というものはすごいもんだとつくづく感心させられる。


上記のサイトを見ると
全国にちらほらと「マトリョミン教室」「マトリョミンクラブ」があるようで、
い、いつのまに・・・。と驚く。
グレード試験まである!!
僕が知らなかっただけで、今この国でも割とポピュラーな楽器なのか?
ライブでテルミンを使用するバンドはいくつか見かけたが、
そのうちマトリョミンを奏でるメンバーのいるバンドも出てくるかもしれない。
ジョン・スペンサーテルミンの替わりに、ここ日本ではマトリョミンを!!


でも、どこをどう考えてもこれってシュールだよな。光景として。
マトリョーシカを前にして両手を上下左右に動かしてる映像を
音声なしで見たら、絶対怪しい。
音が出ていても怪しい。


でもほしいなあ。4万はさすがに高いなあ。
この会社ではマトリョーシカに着せるフワフワしたコートまで売ってて、
この僕ですら、「か、かわいい・・・」と思ってしまった。
ごく普通のマトリョーシカに着せて飾っとくだけでもいいかも。
マトリョーシカの船とかブランコも、どっかで見かけたら絶対衝動買いしてた。

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マトリョーシカ
僕が今から10何年も前にロシア行ったときに、お土産で買ってきた。
ロシアの歴代大統領のと、アメリカの歴代大統領のと。
どちらも人にあげてしまった。
市場で1000円ぐらいで買ったもの。
あちこちの露天商的土産物屋で必ず売ってた。


マトリョーシカってなんとなく哲学的なように思う。
事物「A」の中には「A’」が内包されている。その連鎖。
しかしその行き着く先は「無」であるというところ。
(「無」ゼロかもしれないし、1かもしれない)
マトリョーシカの中にマトリョーシカ、さらにマトリョーシカってんで
永遠に続くようでいて、実はあっさりと有限であるところ。
なんだかとても示唆的だ。


ロシア文学の本質はマトリョーシカに表される入れ子構造にあり」
なんて論文がいとも簡単にでっち上げられ、
僕なんかだとけっこうすんなり信じてしまうだろうな。
ペレストロイカ入れ子だったじゃないですか。奥までたどり着いたとき・・・」
とかね。真顔で言われたら、実態を知らなくても
「そ、そうね」と知ったかぶりしてしまいそうだ。