Barbee Boys

昨年末にバービーボーイズのアルバムが
リマスタリング&紙ジャケで再発されていたことを知る。
これは買わなきゃ、全部揃えなきゃ!と思う。
が、給料日でたくさん買い込んだ後。来月まで我慢することに決める。
CDで持ってないわけではないので、取り出して聞いてる。
そんなわけで人生何回目かのバービーブーム到来。


何度も何度もことあるごとに言ったり書いたりしてきたが
僕にとって80年代はバービーボーイズレベッカ。愛してやまない。
小学校の時から今に至るまでずっと好き。聞き飽きない。
むしろ今聞く方が発見がある。
どっちも音楽的なルーツが見えそうで見えないのが一緒。
パンクでもハードロックでもない。ディスコでもロカビリーでもない。
それまでの日本のロックとのつながりも直接的には感じ取れない。
強いて言えば結局は歌謡曲+ギターロックってことなんだろうな。バービーの場合。
恐らくあの手のギターロックのバンドは当時日本中にたくさんいたのだろうけど、
最も音楽的教養量を誇り、最も洗練されていたのがバービーだったのだと思う。
レベッカもそうだけど単一の核となるルーツがなく、
古今東西のあらゆる音楽(というかポップミュージック)を耳を頼りに取り込んでいって
無意識下でごった煮にした後で、バービーなりレベッカという超強力なフィルターで抽出する。
だから何を聞いてもバービーで、何を聞いてもレベッカだ。
その個性が鮮やかにプリントされている。


先日改めてバービーの歌詞カードを読んだ。
まともに読むのは初めてかもしれない。
「なんじゃこりゃ」と驚いた。感覚的な単語の羅列でしかない。
ナンセンスというか、ノンセンス。
「男女の掛け合い」が中心的なコンセプトだったから見た目は話し言葉なんだけど、
僕はもっとストーリーというか歌としての骨格みたいなものがあるものだと思っていた。
そうじゃない。むしろ記号の群れというか、なんつうか呪術的なものを感じた。
それはつまり、印刷された単語としては何の意味を持たないが、
あの2人が歌として声に出すことで初めて生命に満たされるということ。
歌として聞くと違和感全くないのに、歌詞として読むとここまで意味不明なバンド、
僕の知っている限り他にはなかった。


歌詞ありきではまずなくて(これをいきなり紙に書いてたらある意味天才だ)、
そして実は曲ありきでもなくて、
もしかしたら、いまみちともたかは曲と歌が一遍に生まれていたのではないかと思う。
でないとここまでぴったり歌にはまる言葉って見出せない、と素人ながら僕は断言する。
中村一義が登場したとき、言葉と歌のコンビネーションの絶妙さを絶賛されたもんだが、
その系譜はいまみちともたかに遡っていけるのではないか・・・


最近は椎名林檎東京事変がライブで「C'm'on Let's Go !」をカバーして、
MCでもいまみちともたかのことを言ってたりするようだ。
そんなのもあって今の若い人たちもバービーを知る機会がちょっと増えたのかも。
www.hmv.co.jp のバービーのアルバムに対する書き込みを見ると、そんな感じがする。