ツアーでペルー その13(4月22日)

ミラフローレスの公園


バスによる観光、再開。
旧サンマルコス大学。南米最古の大学。今後博物館となるようだ。


ペルーの国旗の話。
絵柄の入ったものと入ってないものとがある。
祝日に国旗を掲げないと罰金を取られる。
そのためどの家にも国旗があるのだが、
絵柄の入ってない方が安いのでみなそちらを持っている。
絵柄にはリャマ、キナという植物、ヤギの角からお金がこぼれる様子が描かれている。
ペルーとは資源の豊かな国であるという意味。
地の部分、真ん中が白くて両端が赤いのはなぜかというと
(朝、広場で像を見た)サンマルティン将軍が広場の中で昼寝しているときに夢の中で見た
翼が赤く胸の部分が白い鳥、フラミンゴを表す。


ニセモノ市が立つ一角に差し掛かる。
ナイキやアディダスのバッタもんや海賊盤のDVDが売られている。300円で4枚買える。
値段の高さもあって、一般市民が正規盤のDVDを買うことはない。


街を走る中古車のほとんどが日本製。
フジモリ大統領時代に大量に輸入した。
とんでもなく古い車がガタガタ言いながら走っている。
車検制度がなく、排ガス規制もないため、気管支炎で死ぬ子供が多い。
しかし規制されることはない。
地方から出てきてリマに住み着いた人たちは職もなく、
その多くが無許可の白タクで食いつないでいる。
よって下手に規制できない。
規制を行おうものなら大統領が突き上げを食って失職しかねない。
白タクはとにかく危険で、ピストル強盗に会うこともあり。
乗ったら運転手が強盗を働くこともあれば、
乗客が運転手にピストルを向けることもある。
車上泥棒の類は日常茶飯事。
ガラスを割って、パーツを盗む。


もちろん正規のタクシーも街を走っている。
無線タクシー、ラジオタクシーという一段上のタクシーもある。
安全であるが、料金はその分倍となる。


バスはどこまで乗っても1ソル。
停留所じゃなくても、どこでも乗り降り可。
割と自由。その分運転手も気楽なもんで、その日の気分でルートを変えることもあり。
リマは列車も地下鉄も無いから、バスかタクシーが主要な交通手段となる。
相乗りタクシーも盛んに走っている。


「日ピ会館」の前を通り過ぎる。日系人の寄り合い所。
NHK喉自慢の会場となったり、習字や手芸を習うことができる。


サン・イシドロ地区という最高級の区域へ。
オフィス街。高級なブティックが集まる。
高級住宅地でもある。スーパーに新鮮な市場。生活には困らない。
富裕層の家はどこも敷地が広く、
家によっては塀の上が鉄格子で覆われ、高圧電流が流れ、監視カメラが設置されている。


1996年のペルー日本大使公邸占拠事件の舞台となった公邸跡地を見物。
フジモリ大統領とテロリストとの事実上最後の争いの場となる。
今は更地になっていて、「VENDE」の看板を出して買い手を求めているけど、
この物件、ちょっとやそっとのことじゃ買い手は出てこないだろうな。


ペルーではその後テロは発生していない。
「9.11」の後、アメリカ大使館の前で故意と思われる自動車事故があったぐらい。
しかしアマゾンのジャングルではテロリストのグループがまだ潜伏しているらしい。


次に新しい日本大使館へ。
鉄格子は2重に。なんだかものすごくものものしくてよそよそしい。
無言の威圧感を感じる。まるで刑務所のよう。当然のごとく24時間警備。
大使公邸占拠事件のときに隣家から穴を掘って潜入されたことから、
今の大使館は隣の区画まで購入している。


こういう住宅地では家を手放したり、住み替えたりすることも多く、
多くの場合不動産屋は介さず、家の前に「VENDE」と看板を出し、
自ら新聞に広告を出して売ったり貸したりの交渉をする。


バスはしばらく走って、ミラフローレス地区へ。
新市街の中でも最も洗練された区域。
海沿いにおしゃれなマンションが立ち並ぶ。
その向かい側、道路を隔てて公園が続く。
「マリア・ライへ公園」に差し掛かる。
ナスカの地上絵の保存と調査に生涯を捧げた女性の研究家から名前がつけられた。
ハチドリの図柄など地上絵をモチーフにしたデザインで花が植えられている。


続いて向かったのは「恋人たちの公園」
寝そべって抱き合う男女の姿のとても大きな像が中央にででーんと鎮座している。
その名の通り恋人たちが集まって2人だけの甘い時間を過ごしている。
ペルーの習慣として花嫁が思い出の場所で写真を撮るというものがあり、
この「恋人たちの公園」にて衣装を身に纏った花嫁を見かけることが多いようだが、
残念ながら今日は新郎新婦の姿はない。
僕らはバスから降りてここで時間を過ごす。
見上げるとパラグライダーが空に浮かんで、ゆっくりと飛行している。
向こうの丘には飛び立とうとしているのか、それとも着陸した後なのか、
大きく翼を広げたパラグライダーがいくつか地面の上で待機していた。
この海岸はサーフィンもできるとガイドのUさんが言っていた。
練習用にいい波が押し寄せる。
しかし水は決してきれいではない。
下水道が整備されていないので、そのまま海に垂れ流されてしまうのだ。


公園は崖の上にあって、切り立った斜面の真下に太平洋。
海の向こうは日本か・・・
と思いながら眺める。


瀟洒なマンションは1ケ月500から2000ドル。
プチ・リゾートのよう。
こういうところでマンションを1ケ月借りてのんびり暮らしてみたいもんだ。
夢のまた夢。


犬を連れて歩く人も多い。
「ペルー犬がいますよ」とガイドのUさんが指差す。
見ると、毛がなくて黒い犬。体温が高い。