ツアーでペルー その17(4月23日)

クスコの街並み


1階に下りて、集合時間待ち。インターネットのできる PC が3台置いてあって、
1ドルで利用可というのでフロントで払って使わせてもらう。
と言っても何をするわけでもない。
yahoo のアドレスでメールをチェックして、mixiを見るぐらい。
スペイン語のキーボードが打ちにくくててこずる。
「:」と「@」の打ち方が分からず・・・
あれこれ試してようやく見つける。
ブラウザは日本語対応していたが、さすがにキーボードは日本語が打てず。
yahoo のニュースを見ると、エリツィン元大統領が死去、とあった。


リマ、クスコ、プーノとインターネットの看板をあちこちで見かけた。
メキシコやモロッコ、ドバイを訪れたときも、そうだったことを思い出す。
自分で PC を持つことがまだ多くの人にとっての憧れであるような国では
こういう商売が繁盛する。
恐らく、「先進」国から中古で流れ流れてきた PC なのではないかと思われる。


バスに乗って観光開始。
今回クスコでチャーターされたバスはとても小さくて30人でいっぱいいっぱい。
一人旅の人たちも隣り合わせて誰かと座らないといけない。


クスコの街並み。
建物のくすんだ白い壁や茶色いひなびた屋根に
長年の歴史の重みが滲みこんでいるかのよう。
そこはかとない静けさを感じる。
そういうのもあって、治安が良さそうな印象を受けた。
日本人と思われる旅行者が1人か2人で街を散策しているのを何度か見かけた。


中心部に位置するアルマス広場へ。
リマにも同じ名前の広場があって、同じく中心部にあったことを思い出す。
ペルー、もしくは南米の諸都市において
中心部の広場はみな「アルマス広場」なのかもしれない。
なお、アルマスとは「武器」を意味する。


そして広場にはこれまた同じくカテドラル(大聖堂)が面している。
1550年から建築が始まって、完成はその100年後。
南米一大きなカテドラルであるという。
キリスト復活祭のときなど、その鐘はひとたび鳴らせば40km先まで聞こえる。
他に近くの有名な修道院としては
サンタ・カタリナ修道院、メルセー修道院、ラ・カンパーニア修道院がある。
(今回はそこまで行かず)


バスから降りて広場を歩く。
四方をカテドラルと低い家並みに囲まれた長方形の庭園。
クスコの町の人や旅行者がのんびりと歩き回っている。
低い街並み。8階以上高さの建物は建ててはならないことになっている。
また、屋根は瓦であることも義務付けられている。


遠く向こうの山の上のほうは貧民街となっている。
アンテナが林立しているのが見える。


そのまま石畳の狭い道を進んでいく。
高い壁に囲まれてまるで迷路のよう。
壁は様々な形・大きさの灰色の石を隙間なく積み重ねることで構成されている。
石と石の間は剃刀の刃一枚ですら入らないという精度。
開いているドアの向こうはどれも観光客相手の店。
お土産屋だったり、小さな食堂だったり。
店の1つからはヒップホップが流れ、その隣の店からはインド音楽が聞こえてくる。
有名な十二角の石の前まで来る。
ガイドのMさんが「触ってはいけない」と注意する。
十二角の石というのは要するに角が12個ある石のこと。
これが他の周りの石とぴったりくっつきあって
強固な壁となっているのだからたいしたもんである。
この12という数字は
インカ帝国の伝説上も含めて12人の皇帝を表すという説と
1年の各月を表すという説がある。
僕としてはそのとき石切り場にあったのが
ただ単にそういう石だったんじゃないの?としか思えないのだが・・・
石の横にはアンデスの戦士の格好をした男が立っている。
写真を取ろうとしたら1ドルか。


石の壁ばかりが全てではなく、白い泥(いわゆるアドビ)で覆われた壁もある。
基礎の部分が石作りで、上の方がアドビとなっている建物が多い。
もろそうで、手で触れたらボロボロと崩れ落ちそうだ。


そこから少し路地裏を歩く。
ガイドのMさんが立ち止まると、目の前の灰色の石を指差す。
ピューマを表す石の連なり。頭と、胴体と。
インカの人々はこの世界を3つに分けて考えた。
天上と地上と地下。もしくは、未来、現在、過去。
そしてそのそれぞれの象徴がコンドル、ピューマ、蛇となる。
これら3つの生き物たちはインカの人たちにとって聖なるものだったわけである。


この近くにクスケーニャの工場があるとMさんが言う。
観光を主な収入源とするクスコでは唯一と言っていい産業。
2年前、南北アメリカビールコンテストで1位になったそうだ。


また別な建物の前へ。
絡み合う2匹の蛇が魔よけとして描かれているレリーフ
白い家の壁に埋め込まれている。


歩くうちに、同じ石畳であってもおしゃれな雰囲気をまとった店ばかりの一角に出る。
土産物屋ばかりではなくなり、アクセサリーや服も高級になる。
その中の1つで見かけた青いセーターが僕は欲しくなる。
青の濃淡のバリエーションをボーダーでデザインしたもの。
壁にかけられたガラスのケースの中に飾られていた。
店に入りたくなるが、観光でゾロゾロと歩いている途中。
1人だけ消えるわけにもいかない。泣く泣く諦める。