ツアーでペルー その18(4月23日)

「VIVA EL PERU」


昼食のレストランへ。14時を過ぎていただろうか。
落ち着いた雰囲気の静かな店。
野菜のスープ(ズッキーニ、にんじん、ライスなど)と、
メインディッシュは鶏肉のフライに付け合せはマッシュポテト。
デザートはピンク色のアイス。おいしかった。
ペルーの食事全部のうち、ここの料理が一番おいしかった。


僕は食後にコーヒーを頼んだんだけど、
コカ茶を飲んだ人が多く、コカの葉っぱをもらう。
口に含んでもいいんですよって言われたので
勘違いした僕は葉っぱごと食べてしまった。
苦いだけでどうということもない・・・
幻覚が見えるわけでもない。
笑われてしまう。


コーヒーのカップが素焼きっぽい感触に
アンデス風の模様が描かれていてなかなかよかった。
こういうのいいなあと思ってお土産屋で探しても残念なことに見つからない。


アルマス広場でバスを降りるとき、最初は2・3分のはずだった。そう言われた。
なのに交通規制でバスが停車できなくなり、そのまま観光で歩き続けることになった。
結果、「2・3分と聞いていたから貴重品を置いてきた」という人も出てきて
「いったいどうなってんだ」と。
このレストランに入ってから夫婦が一組貴重品をバスまで取りに戻り、
食後もひとまずはみなバスに戻ることになった。


5分ほどでサント・ドミンゴ教会へ。途中裁判所の前を通った。
入場する。
ここはかつてインカ帝国の太陽の神殿(コリカンチャ)だったのが、
スペイン人による征服時に
神殿を飾っていた黄金が奪いつくされ、神殿も破壊され、
残された土台の上に教会が建てられたというもの。
その後地震が起きて上の教会は倒壊したが、土台はびくともせず。
現在残されている教会は修復による。


教会はスペイン風の建築であるため、中庭と回廊がある。
中心に噴水、四方の壁にキリストを描いた絵画など。
教会関係の展示物は写真を取らないこと、と注意を受ける。
カメラに斜線の入った禁止のマークが壁に貼られている。
ただし、インカ時代のものは撮ってもよし。
部屋は教会関係のとインカ時代の神殿跡に分かれてて、
神殿跡の方のみ見て回ることになる。


神殿跡と言ってもたいしたものが残されてるわけではなく、石造りの壁ぐらい。
しかしこの壁が多くを物語っていて、史跡好きならばたまらないだろう。
やはり精巧にして複雑な石造りとなっている。
部屋は4つ(だったと思う)、
それぞれ「虹の神殿」「雷の神殿」「星の神殿」「月の神殿」と名付けられていて、
その造られた目的はそれぞれ異なる。
最初2つの神殿は黄金で装飾されていたが、後の2つは銀。
銀の部屋はその帯の跡が残っていた。
黄金の部屋はところどころ壁に穴が開いていて、これはスペイン人が盗掘を試みた跡。
「星の神殿」だっただろうか、スペイン人の描いたとされる小さな壁画が残っていた。


各部屋の斜めになった壁の角度は13度を保っている。
物理学的なことはよく分からないけど、
この角度は土台の強度を生み出す上で意味のある数字のようだ。
構造上、エネルギーの集中する小さな石ってのがあって、みんながそれを触ってみる。
これら神殿には4つの部屋にまたがって小さな窓が開いていて、
正確に同じ位置に窓が配置されているため、一直線上に3つ先の部屋が覗ける。
高めの敷石の上に立ってみんなが「へー」と感心しながら写真を撮る。


ガイドのMさんがこんなことを言う。
「まだ発表はされていませんが、
 ボリビアメソポタミアよりも古い文明があるかも、
 ということで調査が進められています」


見終わって外に出る。
教会は丘の上にあって、下の方は色とりどりの花が植えられた庭園となっている。
高台からはクスコの街並みが見渡せる。
すがすがしい天気。見るもの全てが壮観。
「これが世界遺産の街並みか・・・」と感心する。
向こうに見える山の中腹は文字が描かれていた。
「VIVA EL PERU」(ペルー万歳)


そのまま外の壁沿いの小道を進んでいく。
サクサイワマン遺跡までの地下通路の入口がある。
迷路になっていて、全長はかなりの距離になる。
かつてペルーの学生が3人この迷路に挑んでみたことがあって、
中は完全に真っ暗、途中川が流れていたり、
という中を手探りで進んで生還できたのは2人。
何年か前にペルーのテレビ局が撮影機材を持ち込んで潜入を試みたが、
1キロ進んだところで断念したという。
エルドラド(黄金郷)はこの通路の果てにあるのではないかとMさんが言うのであるが・・・


教会の外に出る。アンデスの物売りの娘たちが寄ってくる。
子供を2人抱えた人形が5ドル。
目の部分が糸でバッテンにしただけの粗雑なつくり。
観光地だからだろうか、電池やメモリーカードを売っている人もいた。
ホテルの外でバスに乗り込むときに見かけたセーター売りのおじさんが
ここまで歩いてきたのだろう、また見かけて僕らにセーター買わないかと広げて見せる。
外の階段に座っていると隣に座っていた男性が「アミーゴ」と話しかけてくる。
現地のガイドだろうか。物売りではない。
「日本人か?」「どこから来たのか?東京?」などと英語で聞かれる。
アンデスの衣装を着た小さな子供が小さなアルパカを連れて
写真撮影の声がかかるのを待っている。