ツアーでペルー その29(4月25日)

シルスタニ遺跡


次の町へ。フリアカ。かなり大きな町。
隣のプーノが観光がメインの町だとしたら、
こちらは補完する形で商業・工業の町。


三輪の自転車が町の中を走っている。前輪が2つ。
屋根がかかっているものもある。
これはタクシーで、町の中だったらどこまで走っても1ソル。
客待ちの運転手がすることもなく、町行く人を眺めている。


ここのホテルで昼食。
乾燥ジャガイモの入ったチャイロというスープと焼いたマス。
地球の歩き方を見るとマスの塩焼きは
 「トゥルーチャ・ア・ラ・プランチャ」とある。これですね)
乾燥ジャガイモは作るのに手間がかかるため、こちらでは高級食材となる。
見せてもらう。白くて小さなジャガイモ。豆大福みたい。
中の水分を取り除いた後に凍らせ、
零下15度から20度という冷たいチチカカ湖の水の中で保存する。
マスは「アヒ」という香辛料の入ったサルサソースをかけたらおいしかった。
デザートに3色のアイス。
頭痛にはレモネードがいいということで、
ここのレストランのメニューにあったので何人か飲む。
この日は寒かったので、誰もビールを飲まなかった。


食べている間に雨が降り出す。かなり強く降っている。
これまでずっと晴れが続いてきたのに。ついに雨に追いつかれたか。


ここのお土産屋にて、なんとなく目に留まったリャマの人形を買う。1ドル。


バスに戻る。
「こちらの女性は太った人が多いように思う」という意見が出てきて、
違います、とガイドのDさんに訂正される。
スカートを2重・3重に履くからそのように見えるのだと。
話のついでにDさんが祭りのときに着た民族衣装の写真が参考のため回される。


天気の悪いまま、シルスタニ遺跡に到着する。
空は灰色。雨はポツリポツリという程度だが、降っている。
ものすごく寒い。セーターの上に登山用のヤッケを羽織って外に出る。


シルスタニ遺跡はプーノから35kmの距離。
紀元後1000年頃のチュラホン文化の墳墓(チュルパ)が並ぶ。
チュルパとは石を積み上げて作られた墓。貴族のミイラが埋まっていた。
小さければ小さいほど、時代が古い。
かつては100以上あった墳墓もスペイン人が破壊し、現在は6基が残るのみ。
湖に面している。
ただでさえ雨が降っているため、雰囲気は寂しげ。というか荒涼としている。
静謐な空気が漂っている。
避雷針が立てられていて、雷が落ちた。


小さな円形の敷石の塊(ストーン・サークル?)が2つ残っていて、
それぞれ太陽の神殿と月の神殿と呼ばれる。
太陽は男性を、月は女性を表す。
また、太陽の神殿はインカ時代のもの、月の神殿はプレ・インカ時代のものとなる。


砂利道を歩く。坂道になっている。
歩いていると向こうからアルパカを連れた子供たちが。
写真を撮ると、「金くれ」とせがまれる。仕方なく1ドル渡す。
憎らしいことに最初1ソルって言ってたのを、
言い間違えたのかカモだと思われたのか1ドルと言い直した。
この子供たちは墳墓の並ぶ丘の上までしつこくくっついてきた。
何もしない子供たちならばかわいいもんだけど、
金をせびるためという意図が分かった途端うとましくなる。


ガイドのDさんがほら、と地面を指差す。人骨のかけら。
今も普通に散らばっている。


丘の上にて、最も大きなトカゲのチュルパを見る。
トカゲは尻尾を切ってもまた伸びてくることから、生命の象徴であった。
僕は見逃したけど、トカゲの絵が描かれてあるのだそうだ。
(他にコンドルのシンボル、蛇のシンボルというのもある)
小石混じりの地面には「キリストの涙」という名前の白い草が
肩寄せ合うように寄り固まって生えていた。


丘の外れまで歩く。
湖が大きく、大きく広がっている。
「パノラマ!」とDさんが感極まったように言う。
確かに、そう。僕がこのペルーで見た壮大な景色のうちの1つ。
(ロックに詳しい人は Roxy Music の「Avalon」のジャケットを思い浮かべてほしい)
デジカメで写真を撮ったんだけど、
後で見てみたらその美しさが全然捉えきれてない。
デジカメってほんとだめだよなあ。


湖の中に東京ドーム1個分ぐらいの大きさの島が浮かんでいた。
そこには1家族だけ住んでいて、
アルパカの最高品種ピクーニャの飼育をしている。


雨が強くなってきて、慌ててバスに戻る。
下り坂を走る。息が切れる。
走ったせいか、頭が痛くなり出す。
高地では絶対走っちゃいけないと言われていたのに・・・